わたしは5さいの女の子。鬼保育園に通っている。 おウチの前には、鬼消防署がある。
わたしは消防署が大好きだ。
保育園にいく前に消防署の車両点検を見学するし、休みの日には、よく消防車を見せてもらいに行く。
消し太とも、すぐに仲良しになった。
鬼消防署にはたくさんの消防車がいるけど、わたしには気になる消防車がいる。
はしご車のミナティだ。
大きな体でいつも静かにほほえんでいる。
以前、消し太が、消防の仕事で大切なことは、『一人でも多くの命を助けることだ!』って言っていた。
ミナティはあまり出動しない。救急車のアンブや消し太、救助工作車のレスクが出動していく中、ほとんど出動するのを見たことがない。
仕事をしていないのに、ミナティは気にした様子もないし、消防士さんたちもいつも大きな声でミナティと訓練したり、ミナティの下にもぐって油まみれで整備している。
不思議に思ったわたしは、勇気を出してミナティに聞いてみた。
ミナティはやさしく話してくれた。
ミナティ「じつは私も前は気にしていたの。そして消防士さんに言ったんだ。あんまり出動しないのに訓練や整備、悪いねって。そしたら消防士さんはこう答えたの。」
ミナティ「って。私はお話しをするのも得意じゃないけど、消防署のみんなのことを大切に思っているし、みんなも私を大切に思って助けてくれる。それが仲間で、出動が多いとか少ないとかは気にすることじゃないの。あなたも、きっと何か好きなことが見つかって、助け合える仲間に出会えるからね。」
女の子「保育園にもいろんなお友達がいる。おしゃべりな子も静かな子もいる。みんなそれぞれで、そのままでいい。大切なのは、それぞれを思う思いやりなんだ。ほかのお友達と比べる必要なんかない。いろんな車が助け合っている消防署みたいでいいんだ!」
おしまい。
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