過去の火災から学ぼうシリーズもいよいよ最終話となりました。前回までは火災について、様々なことを紹介してきました。一言で火災と言っても、様々な種別分けがあり、その原因も様々です。その中でも特に多い火災の原因として、たき火、たばこ、こんろ、放火があると知っていただけたと思います。
今回は、発生件数は少ないですが、日常に潜む意外な火災の原因を紹介していきたいと思います。
実際にあった過去の火災を紹介します。
・トラッキング現象による出火←※トラッキング現象についてのページに移動します。
トラッキング現象とは、長時間、コンセントにプラグを差し込んだままの状態で使用すると、コンセントとプラグの隙間にほこりなどがたまり、そのほこりが空気中の湿気を吸収することで、漏電し発火する現象のことをいいます。トラッキング現象を防止するためにコンセントとプラグの隙間にほこりをためないよう定期的に清掃をしましょう。
・束ねた電気コードを使用中に出火
電気を使用中の電気コードは常に微弱な熱を放出しています。電気コードを束ねた状態で長時間使用すると、発生した熱が放出されにくく、熱が蓄積されていきます。特に電力消費量の多い電気製品では、電気コードの被覆が溶け、最終的には発火に至ることがあります。電力消費量の多い電気製品は電気コードを束ねて使用しないようにしましょう。
・堆肥や木くずが発酵し出火
堆肥や木くずを大量に保管していると、微生物によりこれらが発酵し熱が発生します。温度が上がるとさらに発酵が促進され、最終的に発火することがあります。堆積量が多いと発酵熱の蓄積も多くなるので、過度な堆積には注意しましょう。
・光が集まることによる出火
虫眼鏡のような凸レンズ、水の入った金魚鉢やペットボトルなどに太陽の光が当たると、光が屈折し一点に集まることがあります。光が集まった場所は温度が高くなり、発火することがあります。このように光が集まることによって発生する火災を「収れん火災」と言います。外出時には必要に応じてカーテンを閉めるなど、収れん火災の防止に努めましょう。
・電子レンジから出火
食品を必要以上に温めたり、電子レンジ不可の容器ごと加熱したりすると、火花が散ることで発火することがあります。食品や容器の表示をきちんと確認するようにしましょう。
・衣類乾燥機から出火
一度に大量の油分が付着した衣類、タオル等は、洗濯しても完全には落ちない場合があります。それを乾燥機にかけると、乾燥機の熱が繊維に蓄積され、さらにそれをそのまま放置しておくと、油分が酸化反応を起こし、その反応熱が蓄積されることによって、最終的に発火することがあります。油分を含んだ繊維物は洗濯後でも乾燥機を使用せず、換気の良い場所で自然乾燥させるようにしましょう。
火災の原因は意外なところに潜んでいます。しかし、今回紹介した火災原因は、ちょっとした心がけで防ぐことができるものばかりです。これを機に身の回りで火災になりそうな箇所がないか点検し、火災を未然に防ぎましょう。
いかがだったでしょうか?全15話にわたって火災について学んできました。皆さんの火災についての理解は深まったと思います。これからも火の取扱いには充分注意して、火災を1件でも減らせるよう頑張っていきましょう。
最後に広報紙「南消防署だより」を作成しましたのでご覧ください。
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