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火災燃焼実験を実施しました!!

[2021年3月23日]

ID:28829

 3月15日(月曜日)、南消防署で火災燃焼実験を実施しました!!

 内容としては、大きく分けて以下の2つです!!

(1)微小火源(たばこ)を使った着火実験

(2)ガソリンと軽油を使った引火実験

燃焼実験の説明を受けている様子

微小火源ってなに?

 火災が発生するには、「火源」が必要です。火源となるのは、日常生活で使用するガスコンロや電気ストーブなどが想像できると思います。

 その火源の中で、「炎が出ず、くすぶった状態が続いている」ことを微小火源と呼んでいます。代表例としてはたばこの火や線香、お香等が挙げられます。

微小火源の出火メカニズム

 微小火源による火災は、初めから炎が立ち上がるのではなく、布団や紙くず等の着火物が無炎燃焼(炎が上がらずに燃える現象)を続け、ある程度燃え込んだ後、空気の流動等の周囲の条件によって有炎燃焼となり一気に燃え上がります。

それでは実験の様子を見ていきましょう!

実験1

 1つ目の実験は、たばこの吸殻が溜まったガラス製の灰皿に火のついたたばこを投下します。



 しばらくすると、火のついたたばこから吸殻へ燃え移り、煙があがってきました。

灰皿から煙が上がっている状態

吸殻の内部の温度は400℃近くまで上がっていました。



 煙が治まった後、燃えた吸殻を取り除くと、ガラス製の灰皿の底が熱で割れていました。

 これは、吸殻が無炎燃焼を続けたことにより、高温になった灰皿の内側が膨張しようとするのに対し、外側は比較的低温であることから、引張応力が生じてガラスの強度を超えるため起こります。

 もし、灰皿の近くにカーペットなどの燃えやすいものがあった場合には燃え移り、火災になる危険性があることがわかります。

熱でガラスの灰皿がわれている様子

実験2

 次の実験は座布団の上に3種類の微小火源(たばこ、線香、蚊取り線香)を置いてみます。

座布団の上に微小火源を置いている様子



 座布団の焼け込みを見ると、微小火源が接していた部分から無炎燃焼が継続したことがわかります。今回の実験では炎が上がるまでには至りませんでしたが、座布団や布団上に紙くず等の燃えやすい物を置いていたり空気の流動等があれば炎が上がり、火災になる危険性があります。

座布団が焼けている様子

実験3

 次の実験は、紙くず等が入っているごみ箱にたばこを投下します。

ごみ箱にたばこを投下している様子



 しばらくすると、ごみ箱内から煙が出てきました。

ごみ箱から煙がでている様子



 その後、ついに炎が上がりました。これはごみ箱内の紙くずがたばこの火の放熱を防ぎ、かつ周囲を燃えやすい可燃物で覆ったことが原因と考えられます。

ごみ箱から火がでている様子

ごみ箱の中の温度は300℃近くまで上がりました。



 ひとたび炎が上がると、簡単にはおさまりません。炎はどんどん大きくなり、ごみ箱が熱で変形していきます。

ごみ箱の原型がなくなっていく様子



 結局ごみ箱とごみ箱内の紙くずは燃え尽きました。万が一、これが家の中で起こっていたらと思うと・・・背筋が凍りついて夜も眠れませんね。

ごみ箱が燃え尽きた様子



 灰皿がいっぱいになったからといって、たばこの吸殻をごみ箱に捨てていませんか?

 火災に繋がる恐れがある危険な行為なので絶対にやめましょう!!

実験4

 4つ目の実験は枯草の上にたばこを投下します。

 

枯れ草の上にたばこを投下する様子

 枯草の上にたばこを投下すると、たばこの火と接した部分が黒く焦げるのみで、今回は炎は上がりませんでした。

 これまでの実験と同様に、空気の流動等の環境にも左右されるため、たばこを枯草の上に捨てても火災には繋がらないというわけではありません!!南消防署管内でもたばこのポイ捨てが原因で火事になった事例はたくさんあります。

 たばこのポイ捨ては火災に繋がる危険な行為です!!絶対やめましょう!!

実験5

 缶の中にガソリンを注ぎ、箱から離れた筒の先端付近に炎を近づけました。また、これと同じ条件で軽油でも実験を行いました。

実験の説明をする写真


 

 まずは、軽油を入れてろうそくの火を近づけてみましたが、炎は上がりませんでした。

軽油では引火しない画像

 


 次に、ガソリンを入れてろうそくの火を近づけると・・・

引火している様子
ガソリンが引火し、缶のお中が燃えている様子

 なんと、レールを伝って缶の中へ引火しました!!

 なぜ軽油は引火せず、ガソリンは引火したのでしょうか?

 それはズバリ・・・「引火点」が関係しています!!

引火点ってなに?

 引火点とは、「火源を近づけた時に、その可燃性物質(主に液体)が瞬間的に引火するのに十分な濃度の可燃性蒸気を発生する最低温度」のことです。

 この引火点が、軽油は50から70℃であるのに対し、ガソリンは-40℃となっています。私たちが普段暮らしている温度でも、ガソリンは可燃性蒸気を発生し続け、引火する状態にあるということです。

ガソリンにおびえている職員の様子

可燃性蒸気の比重について

 今回の実験では、引火点の他に発生蒸気の比重も関係しています。ガソリンの発生蒸気の比重は、空気よりも重いため下へ滞留します。その蒸気がレールを伝わり、火源から引火したということになります。

 また、空気より重いということは、溝のような低所にたまり、遠くまでその蒸気が広がることがあります。ある工場ではガソリンの蒸気が漏れていた際、置いていた場所から離れたところの電気機器の火花で着火したという事例もあります。

 このようにガソリンは保管場所から遠く離れたところでも火災を起こす危険性があります。

 

最後に

 今回の実験では、生活の中にある身近な物で起こりうる火災を再現しました。

 繰り返しになりますが、炎が上がって燃えるか、炎が上がらずにそのまま消えるかは環境によって異なります。火災危険が少しでもある行為は絶対にやめましょう。

 たばこは令和元年における全国の出火原因のワースト1位、岡山市においてもワースト2位と出火原因上位にランクインしています。

 また、ガソリン、軽油及び灯油などは、日常生活で使用する燃料として必要不可欠なものですが、危険な液体のため「危険物」に指定されています。ひとたび取り扱いを誤れば皆さんがニュースで見るような重大な事故や火災の発生に繋がります。

 小さな油断から、大切な命や財産が失われることがあります。日頃から気を付けていただき、火災から身を守りましょう。

お問い合わせ

消防局警防部南消防署

所在地: 〒702-8024 岡山市南区浦安南町495番地88 [所在地の地図]

電話: 086-262-0119 ファクス: 086-264-3935

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