津島江道遺跡は縄文時代から中・近世にかけて長い間集落や官衙が営まれた遺跡です。岡北中学校の敷地内で4次にわたる調査が行われ、多くの住居跡や水田の跡が確認されました。紹介する絵画土器は1998年に実施した第3次調査で出土した遺物です。
過去の回でも紹介した通り、絵画土器は線刻で人や動物を描いた弥生時代の土器のことを指します。この土器に描かれているのは、右から順に弓を引いている人間とその先にシカと思われる動物の頭、逆さ向きになっている2本足の動物の3種類です。2本足の動物は水鳥、または簡略化して表現された犬だと考えられますが、上半部が欠損しているため明確には判断ができません。津島江道遺跡から出土した絵画土器は一般的な弥生時代後期の土器と比べると小さめで簡素な作りをしています。日常的な用途ではなく、祭祀的用途のために作られたのかもしれません。
所在地: 〒703-8284 岡山市中区網浜834-1 [所在地の地図]
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