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令和7年9月提案理由

[2025年9月1日]

ID:74987

令和7年9月定例市議会に提出した議案に対する市長提案理由説明要旨

 令和7年度補正予算案並びに関係諸議案のご審議をお願いするに当たり,その大要と市政の動向等について申し上げ,市民並びに市議会の皆様方にご理解とご協力を賜りたいと存じます。

はじめに

 市長に就任してから,間もなく12年がたとうとしています。これまで岡山市の発展と市民の最大幸福の実現を目指し,より「愛着」を持てるまち,さらには市民誰もが「誇れるまち」を実現させるべく,「住みやすさ」「力強さ」「安全・安心」を市政推進の3本柱に掲げ,都市の総合力を高める政策に全力で取り組んでまいりました。こういった取組と,市民や事業者の皆様の活発な活動があいまって,岡山市の経済は,様々な指標から見ても,順調に推移していると言えます。

 具体的に何点か申し上げますと,圏域全体の発展を牽引するまちなかにおいて,賑わいの拠点づくりや歩いて楽しいまちづくりを進めるとともに,地域の課題解決や地域資源を活かした魅力ある地域づくりを進め,道路ネットワークの充実・強化,公共交通の利便性向上等を行ってまいりました。

 また,地域で大切にしてきた,あるいは知られていなかった歴史・文化遺産を活用した魅力づくりを行うことで,地域のことをより深く知り,地域を盛り上げたいという積極的な活動への熱意の高まりに繋がっております。

 経済面については,市内企業の事業成長と経営基盤強化を支援するとともに,起業・創業しやすい環境づくり,拠点性をいかした企業立地を推進してまいりました。

 また,スポーツ振興については,市民が親しみ,楽しむスポーツへの支援から,市民の岡山への「愛着」や「誇り」を醸成し,感動や一体感を創出するトップチームへの支援まで幅広く行ってまいりました。

 さらには,日本初となるユネスコ創造都市ネットワーク・文学分野認定や,「第14回グローバルRCE会議」の開催都市として選定される等,国際的なプレゼンスを高めてまいりました。

 希望する誰もが安心して子どもを生み育てられる環境づくりのため,保育園等の待機児童については,その定義を市民の生活実態に即したより厳しい基準に見直しました。その結果,平成29年度には待機児童数は全国でワースト2となる849人となりましたが,保育の受け皿整備,保育士確保に全力で取り組んだ結果,令和6年度にはゼロを達成することが出来ました。

 また,災害対策については,未曽有の被害をもたらした平成30年7月豪雨などを教訓として,ハード・ソフト両面から総合的な浸水対策等を着々と進めております。

 こうした取組が実を結び,市民の暮らしやすさや,岡山の都市としての力強さ,安全・安心は大きく向上してまいりました。また,市民の皆様の岡山のまちへの「愛着」と「誇り」の高まりも感じているところです。

 今後も,この歩みをとめることなく,これまで築き上げてきた岡山市の暮らしやすさや,まちの活力をさらに高めていくため,一つひとつの施策を着実に進めてまいりたいと考えております。

物価高騰対策

 物価高騰対策については,岡山市では,物価高騰等による厳しい影響をうけた市民や事業者の皆様への支援について,時機を捉えた施策を躊躇なく実施してまいりました。

 日本銀行岡山支店が8月6日に発表した岡山県金融経済月報によると,県内景気は,一部弱めの動きがみられるが,緩やかな回復を続けているとされています。

 米国関税については,自動車関税に加え8月7日から相互関税の上乗せが発動されましたが,現状では岡山市や商工会議所,商工会等の市内支援機関への相談はない状況と承知しております。しかし,経営環境の不確実性が高まっており,引き続き経済界と連携を密にし,国の経済対策も注視しながら,必要とされる支援を適宜検討してまいりたいと考えております。

 岡山市の消費者物価指数は,高止まりの状況が続いており,特に食料については,前年同月比7.4%となっており,高止まり状況が顕著となっております。

 岡山市では,引き続き,高齢者・障害者施設や私立保育園,子ども食堂等を対象に,高騰する食材費の負担軽減のための支援金を支給いたします。

 さらには,食料の高騰に対する負担感が大きい子育て世帯を支援するために,学校給食費負担軽減のための追加支援を行います。

 今後も,地域・経済界の声等をお聞きしながら,国の経済対策の動向を注視しつつ,必要とされる対策を躊躇なく講じてまいりたいと考えております。

 それでは,最近の市政の動向についてご報告いたします。

林野火災

 令和7年3月に発生した南区飽浦地内の林野火災では,自衛隊や近県,県内消防本部の応援をいただくとともに,岡山市消防局及び消防団が保有する最大限の人員・資機材を投入し消火活動にあたり,人家に延焼することなく鎮火することができました。私も7月24日に火災跡地を視察し,全面通行止めとしておりました県道長谷小串線や焼失した山林の状況を確認いたしました。県道長谷小串線については,安全対策工事が完了したことから同日通行規制を解除いたしました。今後も早期の森林機能回復のため,治山事業の事業主体である県に協力するとともに,この度の林野火災を踏まえ,消防職団員が消火活動に使用する背負い式消火水のうやホース,ポンプなどの装備を補充・拡充し消防体制の強化を図ってまいりたいと考えております。

 今回の補正予算では,装備品の拡充や焼損した資材の補充,他都市からの受援に伴う経費を計上しております。

放課後児童クラブ

 放課後児童クラブの待機児童については,施設整備や人員確保,民間事業者支援による受け皿確保に取り組み,昨年度新たに820人分の受け皿を確保することができました。これにより,令和7年5月1日時点で,待機児童数は前年度より183人減少して53人,低学年はゼロとなっております。

 放課後児童クラブのニーズは,今後も増加することが見込まれており,小学校入学後も保護者が安心して働くことができるよう,引き続き受け皿の確保を進め,令和9年度での待機児童ゼロの実現にむけて全力で取り組んでいるところです。こういった取組により,今後も子育て世代が安心して暮らせるまちづくりを進めてまいりたいと考えております。

教育

 今年4月に岡山後楽館中学校内に設置された夜間学級は,現在赤磐市の方1名を含む13名が在籍しております。岡山県内唯一の公立夜間中学として広域的な役割を果たすべきと考え,県内すべての自治体に受け入れに対する協定を呼びかけ,4月に倉敷市,8月に里庄町が加わり,現在は5市4町と協定を締結しております。開設以来,7月までに10名から問い合わせをいただいており,夜間中学の必要性を感じているところです。今後も,中学を卒業していない人や卒業していても様々な理由で十分に学ぶことができなかった方に,広く義務教育の学び直しの場を提供できるよう努めてまいりたいと考えております。

公共交通ネットワークの充実

 バス路線の再編については,4月に運行を開始した支線バス「妹尾・北長瀬線」に続き,今月から「妹尾・岡南線」,10月からは「高島・旭川荘線」,「高島・備前原線」,「東山・操南台団地線」の運行を開始いたします。WEB投票で決定した「FLAt」デザインの新たな車両も,いよいよ走り出します。

 「妹尾・北長瀬線」の直近1か月間の平均利用者数は1便あたり3人で推移しております。公共交通を持続可能なものにするためには,長い期間がかかるかもしれませんが,市民の移動手段として定着させていく必要があり,様々な媒体を使ったPRに加え,バス停の追加,分かりやすい運行情報の提供といった利用者目線に立った改善を繰り返すなど,引き続き,事業者とともに利用促進に取り組んでまいりたいと考えております。

 あわせて,今月完成するJR高島駅南口の駅前広場や今年度工事着手したJR上道駅の駅前広場など,交通結節点の機能強化にも引き続き取り組み,公共交通ネットワークの充実・強化を図ってまいりたいと考えております。

 また,市中心部の移動手段として定着している「ももちゃり」につきましては,平成25年の導入から10年以上が経過し,機器の修繕が困難となっていることから,全面リニューアルすることといたしました。電動アシスト自転車の導入やポートの追加,エリアの拡大など,より便利なものとなるよう,令和8年4月の運営開始に向けて準備を進めてまいります。

 今回の補正予算では公共交通の利用促進を図るために実施する,路線バス・路面電車の運賃無料DAY並びに,「ももちゃり」の現行機器の撤去や新サービスの周知に要する経費を計上しております。

アリーナ

 岡山市は,これまで地元トップチームであるファジアーノ岡山の練習環境向上のために政田サッカー場を整備するなどの応援をしてまいりました。昨年,悲願のJ1昇格を果たし,夢のステージでの善戦が続く今シーズンは,これまで以上に多くの市民・県民がスタジアムに足を運び,大変な盛り上がりをみせております。岡山市といたしましては,引き続き試合環境の整備を含め様々な形で,ファジアーノ岡山を応援してまいりたいと考えております。

 また,岡山シーガルズ,トライフープ岡山,岡山リベッツにおかれましても,新シーズンでの活躍が期待されるところですが,SVリーグやBリーグの施設基準見直しにより,このままでは地元トップチームが国内最高峰のリーグで活動できなくなる状況に直面しております。実現を目指しているアリーナは,必要な施設基準を満たす県内唯一の施設となるものであり,将来にわたって市民・県民が地元トップチームを応援し続けるためには欠かせないものであるとともに,スポーツのみならずコンサートやコンベンションなど様々なイベントの開催により,これまで岡山にはなかった「魅せるアリーナ」として新たな感動を生み出し,子どもから大人まで多くの市民・県民が集い,夢を抱き,岡山への「愛着」と「誇り」を育むものになると確信しております。

 岡山市の持つ交通の至便性を活かして圏域全体の発展に寄与するアリーナの実現に向けて,現在,事業費確保のため広く民間企業に寄附金の協力をお願いしているところであり,多くの企業から前向きな回答をいただいております。引き続き,経済界・トップチームと一丸となって取り組んでまいりたいと考えております。

産業振興

 産業振興については,持続的な賃上げの定着を目指して,事業者の安定的な収益確保に繋がるよう,デジタルマーケティング活動支援事業や設備投資補助など,新たな販路の開拓や新分野進出のための支援を行ってまいります。また,物価,エネルギー価格高騰が事業経営の大きな負担となる中,岡山市独自の事業者向け価格高騰対策である省エネ機器更新緊急支援補助金について,今年度実施の第4弾にも多くの申請をいただき,6月から順次交付決定を行っているところです。このほか,スタートアップと地元企業との交流促進イベントの開催や,創業者の安定的な事業継続を後押しするための創業促進特別融資新設など,地域経済の活性化のための支援を行ってまいります。

観光振興

 現在開催中の大阪・関西万博では,私も現地に赴き,白桃の試食の提供やフルーツの魅力を通じた本市のPRを行い,大変好評をいただきました。引き続き,様々な機会をとらえ,インバウンドを含めた観光誘客を図ってまいりたいと考えております。

 また,来年度岡山市で開催される東大寺サミットに先立ち,先般,開催したプレイベントでは,地元小学生による学習発表の展示や中学生による研究発表が行われ,自信を持って地域の歴史を語る生徒の皆さんの姿に,地域の遺産が次の世代へと大切に引き継がれていることを実感するとともに,こうした取り組みが,市民の「愛着」と「誇り」の醸成につながっていることを再認識したところです。

おかやま芸術交流

 今月26日から,3年に1度の国際現代美術展「岡山芸術交流2025」が開幕します。4回目となる今回は,「地域への浸透」,「子どもの鑑賞」,「県外・海外からの観光誘客」を重点取組として準備を行っております。誰でも街歩きを楽しみながら,今まで以上に多くの方が鑑賞できるより開かれた展覧会となるよう,今回初めて,すべての会場で鑑賞料を無料といたしました。岡山芸術交流の開催を通じて,市民の皆さんに岡山の良さを再認識していただくとともに,市内外に岡山の魅力を発信してまいります。

♯7119

 平日の夜や休日などに急な病気やケガをした時,救急車の要請や医療機関の受診に迷った際などに,看護師などの専門家が電話でアドバイスを行う救急安心センター事業「♯7119」を,10月1日から開始いたします。この事業により,かかりつけの医療機関が閉まっている時などに,すぐに相談ができることで市民の方が安心でき,また,救急車の適正利用,医療機関の適正受診にも繋がるものと期待しております。

 この「#7119」の短縮ダイヤルサービスは,都道府県内で1つしか設定できない仕組みとなっていることなどから,これまで県に対して事業実施を求めてまいりましたが,実施に至っておりません。そのため,今年度,広域的な視点から県内の3市3町と連携して実施し,来年度からはその他の市町村の方々にも利用していただけるよう,事業への参加を呼び掛けているところです。

地域の安全・安心

 地域コミュニティの中核を担う町内会については,地域の担い手育成のため,今年度から新たに,新任の町内会長を対象とした説明会を6月下旬から7月上旬にかけて計6回開催し,合わせて148人の方に参加いただきました。参加者からは「今後の町内会活動に役立てたい」など概ね好評なご意見をいただいております。また,町内会による草刈り機等の物品購入や防犯カメラ及び防犯灯の設置に対する補助等を行っているところであり,地域活動の負担軽減と地域の安全性を高めてまいります。

健康寿命延伸

 すべての市民が,病気や障害などの有無に関わらず,生きがいを持ち活躍できる社会を目指し,「OKAYAMAハレ活プロジェクト」や,「ベジ・ファーストOKAYAMA」等を実施し,健康寿命の延伸に取り組んでおります。

 昨年8月からは難聴高齢者補聴器助成事業を開始し,7月末までに167件の交付決定を行いました。さらに今年7月には岡山大学等と加齢性難聴の早期発見・早期ケアに係る連携協定を結んでおり,さらなる健康寿命延伸に向けて取組を広げているところです。

国際交流

 国際交流については,7月3日から4日まで,私が岡山市民友好親善訪韓団の団長として韓国・富川市を訪問し,趙甬翼(チョ・ヨンイク)富川市長とお会いして,両市の交流をより一層進めていくことを互いに確認いたしました。

 また,子どもたちの国際理解を深めるとともに,国際交流の促進を図るため,7月から8月にかけて,子ども海外派遣事業を実施し,市内の中学生56名を海外の8つの友好交流都市・地域に派遣いたしました。

 今年の10月21日から23日までの日程で,岡山市でグローバルRCE会議を開催いたします。これまでのESDの取組を広く国内外に発信し,岡山市の国際的なプレゼンスをより一層高めてまいりたいと考えております。

おわりに

 私は,市長就任以来,岡山市の発展と市民の皆様の心の豊かさや幸福度を高めていくために何を為すべきか常に考え,山積する課題に粘り強く向き合い,全力で取り組んでまいりました。その結果として,市民の暮らしやすさや,岡山の都市としての「力強さ」「安全・安心」は大きく向上し,目に見える形で実を結んでおります。このような成果も,市民との間の信頼関係があってこそだと考えております。

 「信無くば立たず」政治を行うには信頼が最も重要であるという論語の言葉を胸に刻み,政策形成過程の透明性を確保し,公平・公正な市政運営を心がけてまいりました。

 残る任期も精一杯努め,市民の皆様にご支持いただけるのであれば,引き続き,来期も市政を担当し,岡山市のさらなる発展と市民の皆様の最大幸福のため全力を尽くしてまいる所存です。

 最後になりましたが,市民並びに市議会の皆様方には,これまで市政運営に格段のご支援とご協力を賜り,心から感謝を申し上げます。

令和7年度9月補正予算の概要

 それでは,甲第141号議案及び甲第142号議案の補正予算の概要について申し上げます。

 一般会計は,4億1,600万円余を増額し,物価高騰の影響を受ける市民への支援,路線バス・路面電車の運賃無料DAY,消防装備品の拡充等を実施するための経費のほか,中学校体育館空調整備のための債務負担行為の設定などを行うものです。また,後期高齢者医療費特別会計は6,600万円を増額し,子ども・子育て支援金制度に対応するためのシステム改修を行うものです。

その他の議案の説明

 続きまして,その他の議案の主なものについて申し上げます。

 甲第143号議案は,岡山市休日夜間急患診療所を移転し,及び岡山市休日急患歯科診療所を新設するものです。

 甲第146号議案から甲第148号議案までは,災害その他非常の場合において,他の市町村長の指定を受けた者等が排水設備等の工事を行うことができるようにするものです。

 以上で提案理由の説明を終わります。

 よろしくご審議の上,議決を賜りますようお願い申し上げます。

報告に対する市長説明要旨

 ただいま上程になりました報告についてご説明申し上げます。

 報第33号は地方独立行政法人岡山市立総合医療センターの令和6年度の業務実績に関する評価結果について,報第34号は同センターの第3期中期目標期間の終了時に見込まれる同期間の業務実績に関する評価結果について,それぞれ報告するものです。

 報第35号から報第39号までは,いずれも令和6年度に放棄した債権について報告するものです。

 報第40号及び報第41号はリース公用車の事故について,報第42号は市有自動車の事故について,それぞれ賠償額を決定したものです。

 報第43号は個人所有の自動車の破損について,報第44号及び報第45号は道路の管理瑕疵による事故について,報第46号は市有施設の管理瑕疵による事故について,報第47号及び報第48号は公園の管理瑕疵による事故について,それぞれ相手方と和解し,賠償額を決定したものです。

 報第49号は,市営住宅の家賃滞納等について,相手方と民事訴訟法第275条の規定による和解をすることを決定したものです。

 なにとぞよろしくお願いいたします。

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