【写真 左:久保容器有限会社 パッケージプラザくぼ中央町店 店長 久保雅子氏】
当社は、昭和28年に木材を紙のように薄く削った包装材「経木(きょうぎ)」や経木で組んだ折箱などを製造販売する久保経木として設立しました。現在は、株式会社シモジマとFC契約し「パッケージプラザくぼ」の中央町店と十日市店を展開しています。「包装用品のコンビニエンスストア」がコンセプトで中央町店では、近隣の飲食店のほか、表町商店街のブティックなどを主要客に、お弁当箱や、おかず容器、割りばし、おしぼり、ナプキン、伝票類、袋などを販売しています。
脱プラスチックなど環境問題が深刻化する中で、プラスチック素材が主流の食品容器の販売業社としても、エコ素材の容器をできるだけ多く置くように心がけています。店頭には、お客様に関心を持ってもらいやすいよう、エコ容器を集めたコーナーも設けています。
サトウキビから糖汁を搾り取った後の繊維質を原料としたバガス製品では、弁当箱や丼、スプーンやフォークといったカトラリーを揃えています。紙製の弁当箱も多様なものを用意しているほか、ストローは紙製から竹製のものまで取り扱っています。
食品容器は、ロットが大きくかさばるので在庫を持つのが難しい問題もあります。棚の関係で、1個の商品を入れれば何か別の商品を外さないといけません。どんどん新しいものを仕入れたいのですが、選りすぐりのサンプルを取り寄せて提案しています。
岡山市のエコ容器導入を支援する「プラスチック資源循環推進事業補助金」の受け付け開始から徐々に問い合わせが増えるなど、関心は高まってきています。
しかし、既存商品と比べて割高なことと、使いたい大きさのものがなかったり、弁当箱の仕切りの数が合致しないなど、選択肢がまだまだ少ないことから選ばれないケースが多いです。
新規で飲食店を始める経営者は導入に前向きな印象です。
【写真:久保容器有限会社 パッケージプラザくぼ中央町店 店内の様子】
バイオレジ袋が一番売れており、使用感が変わらないため好評です。フォークやスプーンもバイオ素材や木製のものが人気です。若い経営者からは、ガバス容器が「見た目がおしゃれで環境に配慮できる」や、紙容器が「シンプルで食品と合わせるとインスタ映えする」などの声が寄せられています。
その一方で、紙製品には、「ストローはすぐに柔らかくなって使いづらい」、「ご飯がくっつきやすく、食べ終わった後の見た目がきれいでない」などシビアな声も聞かれます。
エコ容器は、過渡期でこれからどんどん性能が上がっていくと思いますので、今後の商品展開に期待したいですね。
あるラーメン店からは、容量が同じでもデザインや形状が変われば、タレを入れる目安が分からなくなるため容易に変更できないといった声が聞かれるなど、聞いてみないと分からない課題が個々にあります。
環境配慮への関心は全般的に高まってきており、お客様に寄り添ってしっかりとコミュニケーションをとることでニーズを探り、エコ容器の普及に少しでも貢献していきたいと思います。
取材先:久保容器有限会社 パッケージプラザくぼ中央町店 店長 久保雅子氏
所在地: 〒700-8554 岡山市北区大供一丁目2番3号
電話: 086-803-1321 ファクス: 086-803-1876