子どもが産まれてから就学するまでのお祝い行事をご紹介します。
伝統行事は地域や家庭によってやり方がさまざまです。“我が家スタイル”の参考として、一つの例としてご覧ください。
産まれた日を含めて7日目に行う、名づけの行事です。
医療事情がよくなかった時代、産まれてすぐ亡くなる子どもも多く、「7日間生きれば、まず大丈夫だろう。」ということで、この日に正式に命名するようになりました。
枕元には尾頭つきの鯛をのせたお膳を置き、一緒に「産まれたばかりの柔らかい頭が早く固まり、しっかりするように」との願いをこめた石をのせます。
氏神様(地域の神様)の子ども、氏子となり、守っていただくために、お祓いを受けます。
大きな神社にお参りする人も多いですが、正式には地元の神社にお参りします。
産まれた子どもが初めて大人と同じものを食べるという成長の節目のお祝いで、百日目のお食初めが「百日(ももか)の祝い」です。
「しっかりご飯を食べて、健やかに育ってほしい。」との願いをこめて子ども用の茶碗、箸などをそろえ、箸で食事する一人前の人として扱います。
食べるものに困らないように「百日の一粒食い」といって、ごはん粒をひとつ口に入れたり、尾頭つきの鯛などを食べさせる真似をします。
「歯がため」といって、丈夫な歯が生えるように、お膳にきれいな青い石をのせます。
祖父母や近親者が、男の子には破魔弓を、女の子には羽子板を贈ります。
破魔弓も羽子板も魔除けの意味があり、子孫繁栄を祈るものです。
子どもに対してのお祝いですが、子どもは家の跡継ぎなので、父方の家の繁栄を祝う意味もあるようです。
※初正月の直前に生まれた場合は、赤ちゃんやママの体調に配慮し、無理をして行う必要はありません。
翌年に、余裕をもって行いましょう
女の子の節句は「桃の節句」ともいわれ、祖父母や近親者が、雛人形を贈ります。
雛人形は女の子の身代わりになって病気や災いを引き受けてくれると言われています。
飾り始めは節分が終わった2月上旬頃で、しまうのは3月3日が終わったらすぐ。
早くしまわないとお嫁に行くのが遅くなるという言い伝えもあります。
なお、「節句」という言葉ですが、正式には、神様にお供えをしてお祀りをする節目の日という意味で「節供」が古来使われてきましたが、江戸時代末期から明治時代にかけて「節句」が広く用いられるようになりました。
※初節句の直前に生まれた場合は、赤ちゃんやママの体調に配慮し、無理をして行う必要はありません。
翌年に、余裕をもって行いましょう。
男の子の節句は「端午(たんご)の節句」「菖蒲(しょうぶ)の節句」ともいわれ、強い香気で厄を祓う菖蒲で無病息災を願いました。
武士の時代には「菖蒲」が「尚武」に通ずるとして、菖蒲で兜を作るなどして、武士が久しく栄えるようにとの願いもこめました。
江戸時代以降は、身を守る「鎧」や「兜」、また「武者人形」を飾り、家紋や武者などが描かれた幟や鯉のぼりを立てて男子の成長や立身出世を願ってお祝いをするようになりました。
鯉のぼりなどは、母方の祖父母や近親者が贈ります。
端午の節句の祝いに張り子の虎を贈ることが多く、また3月3日に、県中部から北部にかけては、土を固め、乾かして色を塗った土人形の天神様などを贈って男の子の節句を祝う地域もあります。
※初節句の直前に生まれた場合は、赤ちゃんやママの体調に配慮し、無理をして行う必要はありません。
翌年に、余裕をもって行いましょう。
餅をつき、近親者などを招いて宴を開いて祝います。
立って歩き始めた子どもにつきやすい邪霊を追い出す意味もあったようです。
紅白の一升餅を背負わせて歩かせ、西日本では「物選び」といって、筆や本、そろばん、財布などを並べた中からどれを手に取るかで子どもの将来を占うところが各地にあります。
背負わせた餅は後で切って、小さな紅白餅と一緒にお招きしたお客さまや、隣近所にも配って食べてもらいます。
11月15日に、3歳と5歳の男の子、3歳と7歳の女の子が晴れ着を着て神社に参ります。
成長の大切な時期に氏神様にお参りして守っていただくとともに、神様からも地域社会からも、ひとりの人間として認められる行事です。
公家や武家社会では古くから七五三に関わるいろいろなしきたりがありましたが、民間では、幼児の成長に伴い段階を追って行う通過儀礼が江戸時代から広く行われるようになりました。
お祝いの意味はそれぞれの年齢で異なっています。
七五三という言葉はわりと新しく、「紐落とし」と呼ばれています。
3歳のお祝いがメインで、3回とも祝う家は少ないようです。
3歳になると付け紐のない着物を着せて、初めて帯を買ってもらって締めるところからきた言葉です。
現在では、大きな神社へ参ることが多く、氏神様との縁が薄くなりつつあります。
日取りも11月15日前後の週末が多く、家族だけで祝う傾向が強くなっています。
岡山市Yさん(9歳女の子、2歳女の子)
長女3歳の七五三は張り切って写真館へ。
大いに盛り上がって祖父母(父方&母方)用のアルバムも作ってしまいました。
後日もらえるデジタルデータを活用するのもよいと思います。
祝い方がよくわからず、とりあえず下津井から出てきてくれた夫の両親を連れて岡山神社へ。
祈祷してもらい、千歳飴をもらいました。
帰宅後、長女が苦しい、かゆいと騒ぎだし、着付けから数時間で脱衣。
日本髪と普段着で近所の氏神様にもお参りしました。
ここでは有識者のかたに伺ったお話しに基づいて子どもの行事をご説明しておりますが、地域や各家庭によって、子どもの行事の内容などは今回ご紹介したものと異なる場合があると思います。
あくまで参考としてご活用ください。