南方遺跡からは木器や土器だけでなく、動物や魚の骨などもたくさん見つかりました。動物の骨はイノシシ、シカ、イヌなどが多く見つかっています。
このイノシシの骨は頭のほうの骨と下あごの骨は別々に出土した別のイノシシの物ですが、筋肉のつながる部分などに刃物の傷があり、解体して食べたもののようです。しかし、下あごの骨をみると、下顎枝の部分(あごの奥の部分)に穴が開けられているのがわかります。これは下あごの骨ばかり12個が整然と並んで見つかったもので、もとはこの穴に棒などを通してぶら下げお祭りに使ったり、魔よけなどとして祀られていたものと思われます。こうした習俗は近年まで南九州などに残っていたようです。
なお、このイノシシの骨は、縄文時代のイノシシに比べあごの長さが短いなどの違いがあることから、家畜化されたブタではないかとの説もあります。
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