[2010年2月3日]
ID:5075
神功開宝(神功開珎)は、古代の銅銭で、皇朝十二銭の一つです。『続日本紀』によると、天平神護元年(765年)に発行されたとあります。その後、延暦15年(796年)に隆平永宝が発行されるまで、畿内で鋳造されたと考えられています。神功開宝は、当時都のあった奈良県の平城京や、元興寺、法華寺などでまとまって出土しています。
川入遺跡の神功開宝は、斎串や櫛とともに、井戸の底から割れた状態で出土しました。当時の貨幣には、お金として使用するほか、祭祀の器物として使用されていたと考えられています。川入遺跡から出土した神功開宝は、意図的に分割され、また斎串などとともに井戸の底から出土したことから、祭祀に用いられたものと推測できます。ちなみに今の貨幣のように、両面に刻印が施されておらず、この裏には何も刻まれていません。
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