黒曜石は、打ち欠くと堅く鋭い刃を得られるため、旧石器時代から石器の素材として好んで用いられてきました。しかし、原産地が限られており、どこでも手に入れることができるというわけにはいきませんでした。また、備讃瀬戸地域では香川県にサヌカイトの大規模な原産地があるため、石器の材料はもっぱらサヌカイトが利用され、黒曜石はそれほど利用されていなかったようです。
黒曜石は産地によって含まれる成分に違いがあることから、化学分析によってその産地をある程度推測することができます。吉野口遺跡から最も近い黒曜石の原産地は島根県隠岐島ですが、吉野口遺跡の黒曜石を分析していただいた結果、佐賀県の腰岳と大分県の姫島の成分に近いことがわかりました。産地を断定することはできませんが、とにかく遠隔地からもたらされたことはまちがいありません。備讃瀬戸地域の縄文時代における黒曜石の流通を考える上で非常に意義のある遺物です。
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