[2010年2月3日]
ID:5128
弥生時代の終わり頃になると、各地で比較的大きな墳丘をもった墓が築かれます。有力な首長が出現したことを示しています。また様々な葬送儀礼も成立し、前方後円墳に象徴される古墳時代のまつりの原型ができあがったものと考えられます。弥生時代の墓から古墳時代の墓に至る変化の過程には、その後日本列島に出現する古代国家の性格を方向付けた要素がいくつも含まれていると考えられます。また、その変化は飛躍的、もしくは劇的におこなわれたのではなく、いくつかの段階があることもわかってきました。ここで紹介する吉備型庄内甕は、その変化のただ中に位置する土器といえます。庄内甕とは、古墳時代の中心となります大和や河内で製作・使用された煮沸き用の甕です。この時期には吉備でも独自の煮沸用の甕を用いていました。ところが、吉備型庄内甕は、庄内甕を真似て吉備で製作されたものです。このような甕は各地で出土しており、これを大和や河内などの畿内への服属的な姿勢の結果であるのか、それとも協力的な姿勢の結果であったのか、解釈によっては弥生時代から古墳時代の変化の意味が大きく異なってくる可能性があります。
電話:086-270-5066 ファクス:086-270-5067
所在地:〒703-8284 岡山市中区網浜834-1[地図別ウィンドウで開く]
開庁時間:月曜日から土曜日(ただし、祝祝日および年末年始の休日をのぞく。)
午前9時から午後4時30分まで
Eメールでのお問い合わせは専用フォームをご利用ください。