棹秤とは、棹の一方に量りたいものを吊し、もう一方に錘を吊し、棹に沿わせて動かしながらバランスをとることで重量を量る装置です。江戸時代以前の棹秤は、各地で製作されたために、全国で統一した規格で製造されておらず、棹と錘を本来の組み合わせで使用しないと意味がありませんでした。出土した錘は81グラムでしたが、棹を伴っていなかったため使用することができません。同じ形のものが、福井県の一乗谷朝倉氏遺跡で出土しており、岡山城で出土した錘も室町時代後半~江戸初期に使用されたものと考えられます。
江戸幕府によって、棹秤の製作・修理が統制される中で、規格に合わない本資料も廃棄されたものと考えられます。
所在地: 〒700-8544 岡山市北区大供一丁目1番1号 [所在地の地図]
電話: 086-803-1611 ファクス: 086-803-1886