岡山市では史跡の指定や整備・活用を行うことを目的として、そのための詳しい情報を得るために金蔵山古墳や造山古墳とその陪塚の発掘調査を進めています。
金蔵山古墳は、昭和28年に発掘調査されましたが、この時は後円部墳頂を主としたものでした。近年の調査では、墳丘の構造や埴輪の配置などに新たな知見が得られました。東西のくびれ部にある島状遺構と造り出しでは、建物形埴輪を柵形埴輪で囲った配置が復元されますが、それぞれ建物形埴輪の種類が異なるため、違う祭祀が行われたようです。
造山古墳は全長350mで、自由に立ち入ることのできる日本最大の古墳です。これまで発掘調査されたことがないので、時期の推定には墳丘の形と拾われた埴輪に頼らざるを得ませんでした。しかし、今回の発掘調査で出土した埴輪を加えて、より詳しい議論ができるようになるでしょう。この展示の目玉の一つ、唯一完形に復元できた円筒埴輪もお楽しみください。
埴輪に興味をお持ちの方は、よく似た円筒埴輪でも透かし孔の位置や形に違いがあることにお気づきでしょう。工人の技術差なのか、はたまた製作期間の差なのか、同じ種類の埴輪でも出来上がりに精粗があることなどを見ていただくのもいいでしょう。たとえば、スッとした円筒埴輪もあれば、何となくポテッとしたものもあり、また底がゆがんだものもあります。
それでは、吉備を代表する二つの巨大古墳、金蔵山古墳と造山古墳の埴輪世界へご案内します。
展示風景2
円筒埴輪(造山古墳出土)
靫形(ゆきがた)埴輪(千足古墳出土)
建物形埴輪(金蔵山古墳出土)
柵形埴輪(金蔵山古墳出土)
線刻のある円筒埴輪(陣場山遺跡出土)
各回、受付開始日から定員に達するまでに、電話での事前申し込みが必要です。
ちらし
企画展のチラシです
電話:086-270-5066 ファクス:086-270-5067
所在地:〒703-8284 岡山市中区網浜834-1[地図]
開庁時間:月曜日から土曜日(ただし、祝祝日および年末年始の休日をのぞく。)
午前9時から午後4時30分まで
Eメールでのお問い合わせは専用フォームをご利用ください。