番町分署では昨年度に折り島田を改良した「S.U.S(Super Utility Snake)式」を開発しました。このS.U.S式は、災害現場において、どの隊員であっても精度の高いホース延長を迅速に行うことを目的として開発されました。以前はホースをジグザグに折りたたみ重ねた収納方法である折り島田(写真1)を主に使用していましたが、S.U.S式(写真2)は従来の折り島田に比べ、狭所巻き(写真3)をより変換しやすくするための工夫が施されています。狭所巻きとは、ホースを円形に処理することで狭い場所でも折れなく通水することができる延長方法です。
(写真1)折り島田
(写真2)S.U.S式
(写真3)狭所巻き
(写真4)狭所巻き(通水状態)
S.U.S式から変換した狭所巻きは通水時にホースが折れない円幅の限界値を計算して作成しているため、誰でも簡単に確実な狭所巻きを作成することができます。また、各ホース径(40mmホース及び50mmホース)に対応したS.U.S式を確実に作成するため、木製バリアブルジグ「S.U.S式作成プレート」(写真5)も併せて開発しました。これにより、誰でも寸法通りS.U.S式(写真6)の作成が可能となりました。
(写真5)木製バリアブルジグ「S.U.S式作成プレート」
(写真6)木製バリアブルジグを使用して作成したS.U.S式
このS.U.S式は令和3年度、「消防機器の改良及び開発並びに消防に関する論文」の機器の部において見事、秀賞を獲得し、令和4年6月には全国表彰されています。
表彰式に参列した番町分署消防救急第2係の高津消防士長(左)と中本消防士(右)
火災現場でS.U.S式を活用していくことでより迅速な消火活動を行い、市民のみなさまの生命・身体・財産を守っていきます。番町特別消火隊は今後も岡山市消防局の消防技術のさらなる発展に尽力します。