エムポックスは、ポックスウイルス科オルソポックスウイルス属のエムポックスウイルスによる感染症です。
これまで、アフリカを中心とした一部の地域で見られる病気でしたが、2022年5月以降、欧州・アメリカ地域を中心とした世界的な流行となり、2022年5月以降国内でも患者が確認されています。また、2023年に入り、患者の発生が増加しています。感染症法では、4類感染症に分類されています。
潜伏期間は1から21日(多くは1週間以内)に症状が出現します(WHO,2023)。主な症状は、発熱、頭痛、リンパ節の腫れ、筋肉痛などが1から5日間続き、その後発疹が出現します。主に発疹は顔や手足などの四肢に多く見られ、徐々に水ぶくれ状になった後、最後はかさぶたになります。多くの場合、2から4週間で自然に軽快しますが、子どもや感染者の健康状態、合併症などによって重症化することがあります。
上記の症状が見られた場合は、マスクの着用や発疹部位をガーゼで覆うなどの対策を行い、事前に医療機関に相談のうえ受診してください。
主な感染経路は、感染した人や動物の皮膚の病変・体液・血液などとの接触、性交渉などによる性的接触、感染した人との接近した対面での会話等による飛沫感染、患者が使用した寝具等を介した接触です。
国内で利用可能な薬事承認された治療薬はなく、症状に応じた対処療法が基本です。
多くの場合、2から4週間で自然に軽快します。天然痘のワクチンによって約85%の発症予防効果があるとされており、エムポックスに感染した方との接触後14日以内にワクチン接種を行うことで予防効果があるとされています。
また、エムポックスに感染した方や感染が疑われる場合は、マスクの着用や咳エチケットなどの基本的な感染対策に加えて、不特定多数との性交渉を避けましょう。
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