「いきいき社会貢献」では、のっぷとティアが社会貢献活動に取り組む岡山の企業を取材します。第二回は、株式会社ハウジング山陽におじゃましました!
なお、内容は取材当時のものです。
JR岡山駅西口の近くを通ると、ぱっと目を引く「木になる情報館」。ユニークな外観の建物を見たことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?ここを運営しているのは、株式会社ハウジング山陽(以下、ハウジング山陽)。
ハウジング山陽は、「木になる情報館」の運営や備前市にある「伊部つながりの森」の森林整備活動を通じて、大人も子どもも一緒に木への理解を深め、「木の新しい価値」を考えるきっかけをつくっています。
木の新しい価値についてご紹介する前に、伊部つながりの森で30年かけて育てられた、一本の桧の間伐材(直径12センチ前後)に、市場でどれくらいの価値があるか知っていますか?
答えはなんと…200円から300円!
木を育てるためにかかった人件費や管理費を考えると、現在の林業は経済活動として成り立たない状況にあります。つまり林業の担い手が減り、林業の継続が困難になっているということです。
しかし、林業が森林に与える影響はとても大きいものです。
木が切り出されることで森林が手入れされ、森林の持つ働きが活性化するといわれています。元気な森林は、土砂くずれや洪水を防ぐことから、林業は私たちの安全な暮らしも支えているのです。
林業を守ることが、人の暮らしを守ることにつながっているんだね!
木になる情報館管理者 安田年一さん
「ハウジング山陽が取り組んでいるのは、林業を経済活動として成り立たせ、未来に引き継いでいくためのしくみづくり。森林の木を木材として活用することに加え、ワークショップや自然体験する活動を行うことで木の新しい価値を生み出し利益・林業の発展に結びつけることで持続可能な林業につなげるしくみを構築します。
「でも、最初はそんな気持ちで活動を始めたわけではないんです」と安田年一さん。
ハウジング山陽が活動を始めるきっかけとなったのは、大きな台風が岡山をおそった2004年のこと。当時はたくさんの桧が倒れ、森林が荒れてしまったそうです。
「倒れた桧をともかく取り除かないといけない」。
そんな目の前の問題に向き合うことから、ハウジング山陽の活動は始まりました。森林の整備や植樹活動を通じて、ハウジング山陽の社員たちは、森林や林業の現状や、林業が人の暮らしに与える影響について改めて向き合うようになったのだそうです。
そしてみんなで木への理解を深め、木の新しい価値を考えるきっかけをつくるために、2009年から「伊部つながりの森」と「木になる情報館」をオープンしたのでした。
木になる情報館は、社員の発案で2009年にオープンした「木の魅力発信基地」です。
木のぬくもりが感じられるあたたかな空間には、木に関する展示や、木が人に与える影響について体験・体感できるコーナーがつくられています。奥には子どもたちが木にふれながら、思う存分遊べるおもちゃもたくさんあります!大人も自然とわくわくしてしまいます!!
また、木になる情報館では、木のおもちゃをつくるワークショップや大工さん体験、木の棒と輪ゴムだけで家をつくる遊び等、木に触れながら楽しい体験ができる「木育・おもちゃの広場」を毎月定期開催しています
とっても楽しそう!参加してみたいなぁ!
ハウジング山陽では、他にも伊部つながりの森で定期的に親子を対象とした自然体験イベントを開催しています。
木のぬくもりにふれたりみんなで一緒に作品をつくる中で、子どもの豊かな感性や協調性が育まれています。
そしてみんなで新しい木の活用方法や、新しいワークショップのアイデアを考え、新しい木の価値となる種を育み、これからの林業の発展にもつなげていきます。
「ワークショップや自然体験を通じて木にふれる」、「子どもたちに木のすばらしさについて伝える」。
これらのことは、森林を守るために欠かせないことかもしれません。
しかしハウジング山陽は、現在の森林や林業だけでなく、もっと先の未来を見据えているのだと思いました。
林業を持続可能な経済活動として成り立たせ、豊かな森林を未来に引き継いでいくことは、私たち人の暮らしを守ることにもつながっているんですね。未来の暮らしを支えるハウジング山陽の社会貢献活動に、これからも目が離せません!
次はどんな企業におじゃまするのかな?楽しみだなぁ!