「いきいき社会貢献」では、のっぷとティアが社会貢献活動に取り組む岡山の企業を取材します。第三回は、明和製紙原料株式会社におじゃましました!
なお、内容は取材当時のものです。明和製紙原料株式会社(以下、明和製紙原料)は、「紙はゴミじゃない!」を合言葉に、一般家庭や企業、学校等で使われた紙(古紙)を回収しています。
日本では、一年で一人あたり約218kg※の紙を使われているんだ!たくさんでびっくりするよね!
でも、古紙の60%以上はリサイクルされているんだよ。
日本では紙がたくさん使われている一方で、リサイクルに対する意識や行動が広がっているんだね!
※資料:RISIアニュアル・レビュー(2012年)
古紙リサイクルの流れ
岡山市北区にある明和製紙原料は、古紙をリサイクルする流れ「集める」・「わける」・「固める」・「運ぶ」・「溶かす」・「乾かす」のうち、「集める」から「運ぶ」までの役割を担っています。皆さんの中には、日常的に職場や学校等を通じて明和製紙原料へ古紙を出している人もいるかもしれませんね。
また、古紙リサイクルに関する授業や工場見学の受け入れ等を通じ、リサイクル意識の向上、啓発に取り組んでいます。「明和製紙原料は、15年前から学校や企業等で古紙リサイクルに関する出前授業を始め、現在では岡山県内を中心に年間100回以上の授業を行っています。私たちは古紙回収や出前授業、工場見学の受け入れ等を通じて、古紙リサイクルに関する意識や日常的に実践できるエコな行動を広めることを目指しています。
例えば、現在使われている紙のうち約40%がゴミとして捨てられています。
通常、古紙を50kg集めると一本の成木(樹齢30から40年・高さ25m・太さ25cm)を切らずにすむといわれています。企業や学校単位で取り組むとすぐに50kg以上の古紙を集めることができます。古紙回収を通じて自然を守ることは、難しいことではないんですよね。
古紙を「捨てる」から「集める」に変えていきたいですね。
私たちが古紙回収やリサイクルについて学び、日常の行動をちょっと変えるだけでも、『紙がゴミとして捨てられている』という常識をガラっと変えることができるのです。『紙はゴミじゃない』という合言葉があるんですが、その考え方が当たり前の社会になってほしいと思います。」
授業の様子
岡山大安寺中等教育学校の一年生17名が参加した、古紙リサイクルに関する授業と工場見学におじゃましたよ!
生徒たちが到着すると、まずは湯場さんによる授業が始まりました。
授業では、木から紙が作られるまでの過程や日常生活で実践できる古紙回収のポイントも紹介されました!
その後、登場したのはミキサーやアイロン等、家庭で使われている道具たち!
湯場さんはこれらの道具を使いながら、製紙工場等で実際に行われているのと同じ手順で古紙がリサイクルされる過程を再現しました。
紙は水でとかしたり乾かしたりすることで、何度も再生できる不思議な性質を持っています。製紙工場等ではその性質を利用して紙のリサイクルが行われているのだそうです。
ちぎった紙をミキサーに入れt水を流し込み、スイッチオン!どろどろになった紙を枠に流し込む。その後、アイロンであたためると完成‼
実験の後にはクイズ大会が開かれました!!生徒たちはどんどん手をあげて盛り上がりました。
クイズ大会の様子
工場見学の様子
古紙は運びやすいように固めて積み上げられていきます。
「牛乳パックを6枚集めると55m分のトイレットペーパーを再生できる等、想像より少ない量でリサイクルできるなんて思いませんでした!家でも古紙回収に取り組んでいきたいです。」
「『自分たちが使った紙はきちんとリサイクルする』等、地球の未来を守るために私たちも責任を持って行動しないといけないなと思いました。」
古紙がリサイクルされるか、捨てられるかは、紙を使った消費者の行動によって変わっていきます。
その行動の一つひとつがやがては地球温暖化の防止等、地球の未来を守ることにつながっていくのだという「ESD※」の考えも生徒たちにしっかりと伝えられました。
※ESD:持続可能な開発のための教育(Education Sustainable Development)環境・経済・文化のバランスがとれた豊かな未来をつくるために、考え行動する人を育てる学びあいのこと。
古紙リサイクルに関する授業や工場見学に参加した人たちは、実際に学校や職場等で古紙を集めるようになったり、回収ボックスを置いているスーパーに古紙を持っていったりするようになるのだそうです。
家庭では、子どもたちが授業や工場見学で学んだことを保護者に話したり、実際に古紙を集めたりするようになっていくといいます。そこで、保護者が子どもと一緒にゴミの分別ができる環境を整えることで、その行動は日常生活の中にしっかりと根づいていきます。
そのことから明和製紙原料では学校の参観日やPTAの研修会等で、保護者を対象にした出前授業も行うようになったのだとか。
今後の取り組みについて聞いてみると、「誰でもリサイクルを実践できるしくみをつくっていきたい」と湯場さんは笑顔で答えました。これからもリサイクルの意識を広めるだけでなく、スーパー等とも連携して古紙を集める拠点を増やしていきたいとのことです。
明和製紙原料の取り組みを通じて誰でもリサイクルを実践できるしくみが広がっていくことで、持続可能な未来づくりにつながっていきます。私たちも日常生活の中でできること。企業や学校の中でできること。探してみませんか?
明和製紙原料では古紙リサイクルの出前授業を受けつけています。お申込等について詳しくは明和製紙原料のサイト別ウィンドウで開くをご覧ください。
また、SDGs・ESDに関するウェブサイト「おかやまSDGs・ESDなび」の中でも湯場さんのコラムが掲載されています。こちらもお見逃しなく!
次はどんな企業におじゃましようかな?楽しみだなぁ!
なお「いきいき社会貢献」では、「取材にきてほしい!!」という企業を募集中です。希望される方はお問い合わせフォームより、企業名、社会貢献活動の内容を添えてご連絡ください!