住まいと暮らしに困りごとを抱えている高齢者・障害者、刑余者、被災者、ひとり親世帯、生活保護受給世帯など(以下「地域居住定着要支援者」という。)は、地域とのつながりが希薄であることで先入観や偏見を持たれやすく、地域内での孤立や人間関係に困窮することが多く見受けられる。
地域居住定着要支援者と地域住民が日常的に支え合える環境づくりや社会福祉士等による専門的活動により、地域居住定着要支援者を地域住民の1人としてお互いの理解を図り、孤立する状態の解消を目指す。孤立状態の解消が、居住定着につながり、また、就労促進や定着、生活困窮状態の緩和や生活の安定にもつながる。これまでホームレスや精神障がい者やその支援者などが主に利用していた「食」の機会を活用した既存の交流の場において、地域の住民が気軽に参加できる相互交流の場として取組を行う。その中で発せられた様々な生活上の困りごとや悩みについて、参加住民や専門職がともに考え、必要に応じて、居宅訪問などアウトリーチ活動も実施する。また、相談内容や対応状況を調査・分析し、公表する。
入居支援に携わる3つのNPOと2つの部署によって実施された実験的要素の強い事業として「食」を中心に据えることの効果や居場所に求められる具体的な要素などを確認できた一方で次年度以降の発展や施策提案には至らず、協働事業の可能性と難しさの両面を実感する結果となりました。
モデル事業終了後もそれぞれの居場所は存続しており、連携も可能な状況となっているため、ひきつづき、地域のセーフティーネット拡充につながる居場所同士の連携方法を模索・試行していただきたいと思います。