NPO法人日本・カンボジア教育支援協会(以下、日本・カンボジア教育支援協会)はカンボジアの子どもたちが、日本語や日本文化を習得するための支援活動を行っている団体です。どんな活動をしているのか、本部事務局長の石川さんにお話を聞いたよ!
のっぷ:はじめまして。つながる協働ひろばののっぷです!日本・カンボジア教育支援協会さんはどんな活動しているのですか?
石川さん:2015年に、代表である檜尾睦が、カンボジア・シェムリアップ州にある、大正小中学校の児童生徒を対象に「むつみ日本語学校」を開校しました。日本・カンボジア教育支援協会はこの「むつみ日本語学校」を支援するために設立したNPO法人です。
むつみ日本語学校は、檜尾校長の教え子である、カンボジア人のチョンパー先生を日本語教師に迎え、小学生から高校生を対象に日本語を教えています。現在は約30人の子ども達が日本語を学んでいます。日本語授業の他に日本の歌や遊び絵本の読み聞かせなども行っています。
むつみ日本語学校で学ぶ子どもたち
のっぷ:どのような思いで活動されていますか?
石川さん:檜尾校長は、2000年から日本語教育のためにカンボジアへ渡っており、カンボジアの未来を担うのは、カンボジア人が自らの力で成し遂げなくてはいけないと思っていました。そのためには教育がとても大事です。教育を受ければ、経済的に自立することも可能になります。
シェムリアップの農村部の子どもたちは、ほとんどが貧しい生活をしており、日本語を習得することにより、将来それを生かした職業に就くことができるように、子ども達の未来の可能性を広げたいという願いを持って活動しています。
むつみ日本語学校校舎
のっぷ:子どもたちがイキイキと日本語を学んでいるんですね。
のっぷ:カンボジアと日本の子ども達の交流はありますか?
石川さん:むつみ日本語学校は岡山学芸館高等学校(以下、岡山学芸館高校)とのつながりが強く、岡山学芸館高校への留学制度として、毎年、1年間の長期留学生1名が日本へ学びに来ています。
1年間の留学を終えた生徒は、日本語教師、日本語ガイド、看護師、調理師のほか現地企業へ就職して自立しています。
また、岡山学芸館高校で実施しているタイ・カンボジア研修では、日本の高校生がむつみ日本語学校を訪問し、子ども達と一緒に日本語の授業に参加したり、交流したりします。
岡山学芸館高校の生徒との交流の様子
石川さん:2020年は新型コロナウイルスの感染拡大のため、観光産業が主なシェムリアップ州は観光客が皆無状態となり、仕事を失う人々が続出しました。そんなとき、岡山学芸館高等学校からカンボジアのむつみ日本語学校の子ども達へお米の支援が届きました。このお米支援は、子ども達・家族にとって大変嬉しい支援となりました。
岡山学芸館高校からカンボジアの子どもたちへお米が送られました
カンボジアの子ども達から岡山学芸館高校へのお礼の寄せ書き
石川さん:岡山学芸館高校の他にも、岡山市立伊島小学校からは、手作りの日本語教材を送ってもらったり、日本各地の団体がカンボジアのむつみ日本語学校へ訪問してくれたりしていて、様々な形で国際交流が行われています。
岡山市立伊島小学校から届いた手作りの日本語教材
のっぷ:最後に、活動で大切にしていることを教えてください。
石川さん:日本・カンボジア教育支援協会へは、むつみ日本語学校の活動に賛同していただいた多くの方から、カンボジアの子ども達への温かく継続的な支援をいただいています。そのご支援によって日本語をしっかり勉強したことが、子ども達の就労に大きく役に立っています。これからも、日本とカンボジアの子ども達の良い出会いがつながり続けていくことを願っています。
日本語を習得することで未来の可能性を広げられるんだね。カンボジアの子ども達の笑顔が印象的だね。
ありがとうございました。次はどちらの法人におじゃましようかなぁ。