「わくわくボランティア」では、のっぷとティアがボランティア活動の現場におじゃまし、ボランティア活動の楽しさや大切さ・ボランティアに取り組む人たちの思い・各団体の思いについて取材しています。
21回目は、「岡山手のひら子猫」の活動について、メンバーの平賀さんにお話をうかがいました。なお、内容は取材当時のものです。
岡山手のひら子猫ロゴ
『保護猫活動』は近年芸能人の活動などから広く認知されるようなってきました。
岡山市では2021年から岡山市保健所に収容された、主に乳飲みの子猫を保護し、レスキュー活動をする会が発足しました。
それがボランティアの皆さんで活動している「岡山手のひら子猫」です。
もともと倉敷で保護活動をしていた平賀さんたちと獣医師でもある会長の吉田さんが「救えるはずの子猫たちを助けたい」という気持ちで立ち上げられました。
里親募集をしている猫
この子はもう里親さんに譲渡されました
乳飲み子の保護猫は岡山市からはもちろんですが、実は一般の方からのお問い合わせも多いです。
引き受ける猫は生後数時間の“へその緒“がついている子から、よちよち歩きぐらいの子など、様々。
過去には貨物船に紛れ込み船で一晩運ばれた子猫もいたそうです。
岡山市で保護・収容される猫の多くは哺乳が必要な離乳前の子猫です。
これらの子猫を自宅で預かり、譲渡するまで育てていただく「ミルクボランティア」を育成しています。
ちなみに保護猫の譲渡先を見つけるところまでがミルクボランティアの役割です。
愛情をかけて育てた子猫がその先も幸せに暮らせるよう、SNS、里親募集サイトなどで子猫の里親募集を行っています。
ボランティアを始めて間もない時期は不安がたくさんあると思うので、ベテランボランティアがフォローをします。
病気の際には獣医師でもある吉田会長が夜中でも診てくれるので安心です。
保護猫を診てもらえる病院の情報などもお伝えしています。
「ミルクボランティアの経験を経て、ぜひその先にはアドバイザーになってほしいです。」と平賀さん。
譲渡会で実際に保護猫に会うことができます
保護した子猫はミルクを最初からたくさんは飲んでくれません。
子猫がミルクを飲めないときは一滴ずつ飲ませることもあります。
保護した時に弱っていた子猫が保温をし、少しずつミルクが飲めるようになり、元気になってくれるとボランティアも一安心です。
今回の取材会場となったカフェのマスターも実は保護猫の里親。
それと同時にミルクボランティアとしても関わっています。
会長の吉田獣医師のもとにいた子猫の里親でもあり、現在は猫を4匹飼っているとのこと。
「自宅と仕事場が一緒なので常に目を配ることができます。」
この場所がきっかけとなり、カフェのお客さんで里親になったという方もいるそうです。
平賀さんがミルクボランティア活動をしていて何より気になるところは、適正な譲渡先が見つかるかどうか。
理想は家族で飼っていただける方で、一時的な感情で「かわいそうだから飼いたい」ではなく、その猫が亡くなる最後までその子の面倒を見る覚悟が出来ている方。
最近では2~3匹飼う人が多いと言います。
2匹で飼うと2倍大変になるわけではなく、猫同士で遊ぶことにより社会性も身について飼いやすくなり、留守時も2匹だと寂しくないので里親さんも安心して外出できるようになるそうです。
5匹まとめて引き取られた子猫たち
取材の場所に同席してくださっていたミルクボランティアの方々にもお伺いしてみました。
「素直にかわいい。子猫の一番かわいい時期にお世話をすることができる。」
「里親さんから感謝の言葉をもらう時ですね。真備の豪雨で被災して引きこもりがちになっていた方が里親になってくださり、その猫が心の支えになっているのだなと実感する」
「ぼろぼろの状態の子を保護して育て、元気にさせること。死にそうな乳飲み子を救えた時には大きな喜びがあります。」
譲渡先でかわいがられている猫の様子をSNSで見たときの喜びもひとしおとのこと。
里親探しについてはInstagramでの情報が効果的とも教えてくれました。
里親さんを探している猫の情報を拡散してもらうこともあり、それは岡山県外の方の場合もあるそうです。
里親となる方は新型コロナウイルスの蔓延前までは県外の方も多く、時には東京などの遠方からも。
譲渡後もSNSなどを通して譲渡した猫の状況を知ることがボランティアの活力になっているそうです。
保護猫の多くは野良猫が産んだ子。
野良猫一匹は多いと一年に3回、計15匹も赤ちゃんを産みます。
野良猫の避妊が重要となりますが、岡山市の地域猫活動への助成金にも限度があること、ましてや地域猫活動をするとなれば地域の理解が必要となるので簡単な問題ではありません。
「休日でも警察と保健所との連携により「岡山手のひら子猫」になるべく早く連絡が来て、保温、授乳などの措置が取れるような仕組みを上手く構築できれば、小さな命を助けられる可能性がもっと高まるはず。」と平賀さん。
ゴミステーションのゴミ袋の中から乳飲み子が見つかったこともあれば、自販機の缶入れに捨てられていたこともあったそうです。
そういう側面を知っているからこそ、この活動を続けていく必要があると考えていると話してくれました。
「岡山手のひら子猫」ミルクボランティアのみなさん
これまでのボランティアさんでも猫を育てた経験がなかった方もいました。
ボランティアを希望される方には人間にうつる病気もあることなど、事前に知っておくべきことをしっかり説明をするそうです。
最初の3週間頑張れば、子猫はひとりでごはんを食べ始めます。
仕事や子育てがひと段落し子猫の育成に時間を割く余裕のある方々をメインにボランティアさんを募集しています。
ボランティアさんは最初に面談がありますので、まずは連絡をしてみてください。
子猫のお世話は可愛いだけじゃなくて大変なこともたくさんあるけど、その分大きな喜びがあるんだね。
ミルクボランティアさんによって愛情たっぷりに育てられた子猫ちゃんたち、里親さんのもとで幸せに暮らしてほしいな!
なお、「わくわくボランティア」では、「取材にきてほしい!!」というボランティアグループ等を募集中です。
希望される方はお問い合わせフォームより、団体名、ボランティア活動の内容を添えてご連絡ください!