岡山市市民意識調査では、町内会などの地域団体の活動、ボランティア活動、NPO活動などの地域活動への参加について尋ねています。
令和元年度の調査では、地域活動に「参加していない」と回答した人は、全体の52.1%でした。なかでも10歳代の人は75.3%の人が「参加していない」と回答しており、特に高い割合を示しています。
こうした現状を踏まえて、令和3年度は高校生を対象にした地域活動に関連する二つの取組を行いました。
令和3年12月、NPO法人消費者ネットおかやま(以下、消費者ネットおかやま)と岡山県立岡山南高等学校(以下、岡山南高校)が作成した若者の消費者被害防止のための動画を公開しました。
この動画は、令和4年4月1日に成年年齢が20歳から18歳に引き下げられることを受けて、卒業と同時に成年となる高校生の消費者被害を未然に防ぐことを目的として作成したものです。
取組の開始は令和元年度まで遡ります。
消費者ネットおかやまから「課題解決ワークショップ別ウィンドウで開く」のテーマ提案を受け、8月に第1回目のワークショップを実施しました。
消費者ネットおかやまの他、岡山市消費生活センター、公民館振興室、岡輝公民館、就実短期大学が参加し、課題の共有と解決策の検討を進め、同年12月の第3回ワークショップから岡山南高校が加わりました。
第3回のワークショップでは、令和2年度より、岡山南高校の生徒と高校生向けの体験型教育プログラムを企画・作成することになりました。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、高校生向けの教育プログラムを「体験型」ではなく「通信型」に変更しました。
あわせて、高校生が接しやすく、受け入れやすいプログラムとするため、消費者ネットおかやま、岡山市消費生活センター、岡山南高校の3者がアンケートを企画し、同年8月に岡山南高校の生徒を対象に実施しました。
アンケートの結果に基づき、令和3年度の取組として、岡山南高校の生徒と消費者被害を予防するための啓発動画を作成することになりました。
動画の撮影・編集と生徒たちへの指導を担当する合同会社SORANIKEがメンバーに加わり、動画制作のスケジュールや役割分担を決定しました。
コロナの影響により多少の遅れは生じたものの、高校生たちは積極的に活動し、概ね予定どおり作業が進み、4本の動画が完成、12月の公開に至りました。
動画は以下のリンクよりご覧ください。
消費者ネットおかやまは、今回のプログラム(動画制作)をさらに多くの高校生に経験してほしいと考えています。
主旨に賛同してくださる高校のご関係者はお気軽にお問い合わせください。
URL:消費者ネットおかやまHP別ウィンドウで開く
TEL:086-230-1316
FAX:086-230-6880
メール:npo-syohinet-okayama@sunny.ocn.ne.jp
令和3年12月5日(日曜日)、岡山市内在住または在学の高校生を対象に、地域活動を体験する講座を開催し、市内8つの高校から18名が参加しました。
「認定NPO法人グリーンバード岡山チーム(以下、グリーンバード)」「一般社団法人ぷらっと西川(以下、ぷらっと西川)」のみなさんにご協力いただきました。
2団体の活動内容や、グリーンバードの活動に参加して、さまざまな人と関わることで自分自身の価値観がより鮮明にわかるようになったことや、自分で考えて動く力が身に着いたなど、地域活動に関わったことで生まれた変化などを教えていただいた後、3グループに分かれて西川周辺でごみ拾いを行いました。
道中では、たばこの吸い殻の多さや、ごみは人目に付かない所に捨てられていることなどがわかりました。
通行人の方から「お疲れさま、ありがとう」と声をかけていただく場面もありました。
また、西川エリアのまちづくりの取組をぷらっと西川の方々から教えていただきました。多くの人が関わり日々変化する西川エリアで、地域活動にチャレンジする人や具体的な取組の成果を知りました。
活動を体験した後、活動して感じたこと、これから地域を担う一員として取り組みたいことなどを発表しました。
「興味のある活動に気軽に参加してみようと思った」「ごみについてよく調べて、捨てる原因の追究や対策を考えたい」「活動に参加して、たくさんの年代の人と普段はできない交流が生まれた」「一人ひとりが地域を大切に思う気持ちを持つことが大切」など、さまざまな観点で気づきがありました。
講座後のアンケートでは、講座で良かった点について、「気軽に地域活動を体験できた」や「活動内容がわかった」などの活動自体に関する回答だけでなく、「他校の高校生と関わった」「大学生と一緒に活動した」「地域の大人と関わった」という人との交流に関する回答が多くありました。
講座で良かった点についてのアンケート結果
今後の地域活動への参加については、多くの参加者が前向きな姿勢を回答しました。
今後の地域活動への参加についてのアンケート結果
ごみ拾いや環境保全に関する活動、SDGsの達成に貢献する活動、地域のことを知る活動などに取り組みたいとのことです。
学校や部活などで忙しい高校生ですが、半年~月に1回くらいは活動に参加したいとの回答が8割を超えました。
少しずつでも地域活動に参加していくことで、地域の魅力に気づいたり、地域の方との交流を楽しんでほしいと思います。
全国に展開するごみ拾いボランティア団体です。岡山では県内各地で月に何度かごみ拾いをしています。高校生も大学生も、幅広い年代の人と一緒にキレイなまちをつくっています。
ホームページ:認定NPO法人グリーンバード別ウィンドウで開く
「地域価値を高めながら安心して暮らせるまち」をめざして、西川で活動する団体です。暮らす人・働く人・訪れる人、みんなの笑顔が増えるよう、エリアマネジメントに取り組んでいます。
ホームページ:一般社団法人ぷらっと西川別ウィンドウで開く
令和3年度はこの他に、市民協働フォーラム「多世代でつくる持続可能な岡山市」に岡山高等学校の生徒が登壇し「スパイダーず」の空き家リノベーションの取組等を紹介しました。
地域活動との接点がまだあまりない人、学校の取組の一環で地域活動に関わっている人、自らさまざまなイベント等に参加する人など、地域活動への関わり方は人それぞれです。
今後も「地域で何か取り組みたい」というさまざまな高校生の背中を押すような試みを続けていきます。