ページの先頭です

共通メニューなどをスキップして本文へ

スマートフォン表示用の情報をスキップ

Language

YOUTH CHALLENGE その21|持続的に、地域を盛り上げる人になる!【みつ元気プロジェクト】

[2024年12月23日]

ID:64149

社会のため、未来のために活躍する「若い力」に注目し、そのチャレンジを紹介するコーナー「YOUTH CHALLENGE」。

今回は、「みつ元気プロジェクト」をご紹介します。

なお、内容は取材当時のものです。

コロナ禍で生まれた繋がり 「高校生の力で地域を元気に!」

2023年5月に新型コロナウイルス感染症が「5類」に引き下げられるまで、長く続いたコロナ禍。
各地であらゆる“自粛”が徹底され、対面イベントの中止が相次ぎました。
しかしそんなコロナ禍にあった2021年12月、北区御津地域で発足したのが、高校生と地域の人が立場を越えて連携する「みつ元気プロジェクト」です。

若い力で地元を盛り上げてもらいたいと、御津公民館がコーディネーターとなり地域にある「朝日塾中等教育学校」、「岡山御津高校」の生徒と、住民を引き合わせました。
ポイントは、「高校生の力・目線で御津の魅力を発信する」こと。
発足以来、メンバーらは月に一度集まって、地域を元気にする方法を模索してきました。

学生の写真

佐々木さん、一石さん、杨さん

先生との写真

プロジェクトの“顧問”
杉原先生と

SNSでの情報発信や、公民館行事への参加などを経て2023年5月末、プロジェクトが初めて企画・運営した「音楽と青空市」を御津公民館で開催。
続いて7月には祭りの実行委員会に加わる形で、七曲神社(北区御津金川)の「七曲七夕みたま祭り」に携わりました。
どちらも2回目を迎えた今年、長く地域で愛されるイベントに育てようと、昨年の経験をもとにブラッシュアップしたそうです。「みつ元気プロジェクト」として活動している朝日塾中等教育学校高等部2年の3人に話を聞きました。

地域と関わるなかで生まれた“やりがい”

一石さん:
「『音楽と青空市』は、公民館講座生や中高生らによる音楽・ダンスのステージと、キッチンカーでの飲食を楽しんでもらうイベントです。『青空市』に参加してくれたキッチンカーに声をかけ、『七曲七夕みたま祭り』にも出店してもらいましたが、第1回目の昨年は雨天にも関わらず2,000人以上が来場したこともあって、列に並んでから買うまでに時間がかかってしまいました。そこで今年は店舗数を2倍に増やしました。
また昨年は神社のみが会場でしたが、来場者が密集状態になってしまったので、今年は近隣駐車場など計6カ所に分散出店してもらったり、スタンプラリーを取り入れ各会場をめぐって楽しんでもらう工夫をしました」

神社の写真

祭り当日の七曲神社

商品を手渡す写真

タンプラリーのゴールで
景品を手渡す一石さん

分散会場の写真

分散会場のひとつ

佐々木さん:
「スタンプを集めると、“ぜんざぶろう”という言葉になります。これは、御津出身の岡山藩士・瀧善三郎のことで、善三郎は明治政府の発足直後、岡山藩士と外国兵が衝突した「神戸事件」の責任を負って切腹し、紛争を解決しました。
また、戦国時代の1568年7月7日に金川城(玉松城)が落城して以来、長く御津金川地区では七夕祭りが行われてこなかったそうです。
この2つの歴史を観光資源としたイベントを開催することで、地域の歴史を発信し、地区内外の人に広く知ってもらいたいと考えています」

大型アートの制作の写真1
大型アートの制作の写真2
大型アートの制作の写真3

七曲七夕みたま祭り当日にお披露目した大型アートの制作
瀧をモデルにした連載小説「夏鶯」の挿絵を担当するイラストレーター・藤井雄唯さんと

(朝日塾中等教育学校 提供)

杨さん:
「私は中国からの留学生です。先生のすすめで昨年からプロジェクトに参加していますが、祭りの準備をしていたとき、地域の人に名前を呼ばれてびっくり。覚えてくれていることが嬉しかったし、地域の役に立てているのだと実感できました。活動を通して知り合いも増えてきて、やりがいにも繋がっています」

よりよいイベント運営と、御津の知名度アップをめざして

今年はキッチンカーの出店者と事前に打合せをして、祭りの趣旨を説明するとともにメニューのすり合わせを行ったそうです。出店者から、「歴史を知ったうえで参加できてよかった」といった感想が聞けたほか、メニューの“かぶり”も解消でき、よりよいイベント運営に繋がりました。
他にも、イベントの資金調達まで担うなど、アグレッシブな姿勢で地域おこしに取り組んでいます。

一石さん:
「地元に拠点のある企業や事業所に足を運んで協賛金も募りました。当日は協賛企業の方も祭り会場を訪れて、高校生に感想を伝えてくれたと聞いています。不安もありましたが、無事終えることができてホッとしています。」

佐々木さん:
「いただいた協賛金は、LEDによる祭り会場のライトアップや、瀧善三郎を顕彰している七曲神社に、善三郎の説明看板を設置するための費用に充てました。『神戸事件』が起きた当時は欧米諸国がアジア各国を侵略していた時代で、もし“善三郎の死”がなければ、神戸の街は香港やマカオのように植民地になっていたかもしれないといわれています。
こういった御津の歴史をもっと多くの方に知ってもらい、御津に足を運んでもらうきっかけになればという思いで活動しています。ちなみにインバウンドの観光客も想定して、看板には英語での説明も記しています」

企業へ企画PRの写真

地元の企業に企画PR

除幕式の写真

瀧善三郎の説明看板除幕式

(朝日塾中等教育学校 提供)

最後に、今後の活動について聞きました。

杨さん:
「地域の人と協力して今の御津をより良くしていくとともに、発信を続けることで御津の外の人にも御津を知ってもらいたいたいです。御津の魅力は歴史的な観光資源だけでなく、人の温かさにもあると思っています。活動を始める以前、御津はただ“学校がある場所”という認識でしたが、活動を続けるなかで地域の人の顔や名前が分かるようになり、愛着が湧きました。
ちなみに御津は獅子舞が盛んな地域で、11月には公民館で獅子舞フェスタが開かれます。
中国にも“舞獅”(ライオンダンス)といって獅子舞によく似た文化があります。朝日塾中等教育学校の留学生が中心となって獅子舞フェスタで披露するほか、プロジェクトとしては御津の猪肉を使ったメニューを地元の飲食店の方と共同開発し、当日会場で販売しようと思っています。ぜひ遊びにきてください」

一石さん:
「各イベントを持続可能なものとして育てていくためには、次世代への引継ぎも重要だと感じています。私は高等部1年だった昨年の5月末にリーダーを任されましたが、プロジェクトに参加してわずか2か月というところだったので、戸惑いもありました。そこで次世代に向けて引継ぎマニュアルを作ろうとしたのですが、プロジェクトでは話し合いで生まれた新しいアイデアをどんどん採用していくので、マニュアル通りにはいかないということが分かりました(笑)
そこで、早いうちから活動に関わって経験を積んでもらい、うまくバトンタッチができたらと思っています」

佐々木さん:
「今年7月から新たに御津中学校の生徒がプロジェクトに加わってくれていて、獅子舞フェスタでも一緒に活動します。プロジェクトは部活動ではなく“ボランティア”という位置づけなので、まだ地域での知名度が低いところもあるのですが、多くの中高生に参加してもらいたいです。普通の学校生活では経験できないやりがいや楽しさ、達成感が感じられます」

杨さん:
「プロジェクトのOB・OGは、大学生になっても引き続き活動に関わってくれる人が多いです。私自身も日本の大学を志望しているので、卒業後も御津地域と関わっていきたいです」

関連リンク


生徒のみんなが、地域の人や企業と手を取り合って創りあげていく素晴らしい活動だね!
新入生も参加して、どんどん大きな輪ができるのが、のっぷも楽しみだな♪


「YOUTH CHALLENGE」では、「取材にきてほしい!!」という若者の取組を募集中です◎
希望される方はkyoudouhiroba@city.okayama.lg.jpへ、団体名、活動の内容を添えてご連絡ください!