社会のため、未来のために活躍する「若い力」に注目し、そのチャレンジを紹介するコーナー「YOUTH CHALLENGE」。
今回は、山陽学園JRC部についてご紹介します。
なお、内容は取材当時のものです。
JRCは、“Junior Red Cross”(青少年赤十字)の略称です。JRC部は平和や福祉に貢献する活動に取り組んでいます。山陽学園中学校・高校では中1から高3まで約20人が所属、年間を通じて様々なボランティア活動をしています。
活動について、顧問の緒方康之教諭に聞きました。
緒方教諭「被災地支援の募金活動や核兵器廃絶のための署名活動、特殊詐欺被害防止の啓発活動など多岐に渡ります。いずれも、「ただ参加するだけ」のボランティアではなく、生徒が自ら考えて企画したものです。特に、子どもに関わる活動は未来への投資、将来をよくすることに繋がるという思いで積極的に取り組んでいます。
具体的には、近隣にある旭東小学校の学童保育に手伝いに行ったり、子ども向けの料理教室や防災教室を開催したり。最近は、「だがし防犯」と銘打った特殊詐欺被害防止の啓発活動もしています。「家族の人と特殊詐欺についての話をしてくれるなら」という条件で、約束してくれた子どもに駄菓子のセットをプレゼントするというものです。特殊詐欺の犯人が言葉で人を騙そうとしてくるのに対し、言葉という絆で地域を守ろうという取り組みです」
緒方教諭「2018年には岡山でも大きな被害が出た西日本豪雨が発生しましたが、まだまだ市民・県民の防災意識が高いとはいえないのではないでしょうか。そこで、災害に備えてもらうきっかけになればと生徒たちが企画したのが“防災カフェ”です。昨年に引き続き2回目の開催でしたが、イベント当日は季節外れの台風が岡山に接近しており、天気は大荒れ。天候の問題もあり、来場者数としては少なかったのですが災害時のラップ活用法を伝授したり、ラップを使っておにぎりを作ったり、いろいろな活動に取り組みました。今回の防災カフェには7人が参加しましたが、いずれの活動も内容に興味があり、都合がつく部員が対応しています」
防災カフェに参加した部員たちに話を聞きました。
「伝えることの難しさを感じました。今回は、来場された人の数そのものが少なかったということもありますが、説明の仕方や事前PRの方法なども考えなければいけないと実感しました。前回と今回は年1回ペースの開催でしたが、できれば年に3回程度開催し、多くの人に防災に関する知識を伝えていきたいと思います」
「今回のイベントでは、新聞紙を使って来場者の皆さんに容器を作ってもらいました。実はこの作り方は私が祖母に教わったものです。自分の提案が採用されたことも嬉しかったですし、それを祖母に報告できたことも嬉しかったです。今後の防災カフェでは、特に子どもたちに遊び感覚で作ってもらい、いざというとき役立ててもらえたらと思います」
「私は人見知りで、人と関わることに苦手意識があるのですが、頑張って来場者の方と話すことができました。機会があれば次回も頑張りたいですし、日々の学童保育での活動などでコミュニケーション能力を高めていきたいです。来場者の笑顔が見られたり、ありがとうと言ってくれたりすることも私の励みになっています」
緒方教諭「冒頭で紹介した核兵器廃絶のための署名活動は岡山県原爆被爆者会と、特殊詐欺被害防止の啓発活動は岡山中央警察署と、防災カフェは岡山トヨタと一緒に取り組んでいます。岡山トヨタは従業員自ら店舗周辺を歩いて防災マップを作成するなど地域防災に尽力されていて、我々と志が同じ。他にも、同じ思いを持つ様々な団体と協働して活動しています。学校の外の人と関わるのは生徒にとっていい刺激になっているようで、部活を引退した高3生のなかには受験が終わると再び戻ってきて、卒業ギリギリまで活動する子もいます。土日や放課後など、自分の時間を使ってボランティアに取り組むというのは誰にでもできることではないですし、優しい心を持っているなと思います。今後社会に出てもこの優しさを忘れず、ボランティア精神を発揮してほしいと思っています」
最後に、3人に今後の目標について聞きました。
「JRC部の楽しさをもっと伝えたいです。いまは部活動をやらない生徒も多く、どちらかというと部員は減少傾向。でも校外の人と関わっていると、私たちの活動に対し“ありがとう”と声をかけてくださる方が沢山います。その言葉がやりがいやモチベーションになり、もっと頑張りたいという思いに繋がっています」
「運動部員などを対象に年1度、校内でAED講習を行っていますが、この講師役はJRC部が務めています。ですが今年度は時間の関係上流れてしまって…。来年度は私も事前に講習を受けたうえで、ぜひ皆さんにAEDの使い方を伝授したいと思います」
「活動に関わってくださる人たちの思いを忘れないように、また先輩方から引き継いだ活動や企画もあるのでどんどん実行に移していきたいです。中学生や、別の学年と関わって協力する楽しさもあり、みんなの笑顔が見られたりありがとうと言われたりしたときは、頑張ってきた甲斐があったと実感します。これからも頑張ります」
JRC(青少年赤十字)は、「健康・安全」「奉仕」「国際理解・親善」の3つを実践目標に掲げてるんだって◎
それに向けて生徒が自分たちで企画して、企業やNPOなどの多種多様な団体を協働に巻き込むなんて、すごい!
のっぷも負けてられないぞ☆
「YOUTH CHALLENGE」では、「取材にきてほしい!!」という若者の取組を募集中です。
希望される方はkyoudouhiroba@city.okayama.lg.jpへ、団体名、活動の内容を添えてご連絡ください!