JR岡山駅から車で約20分の場所にある招き猫美術館。
当館は、「江戸時代に生まれた招き猫文化をもう一度大切に育ててゆこう」という想いから、1994年に岡山市北区金山寺に開館しました。
庶民芸術の代表であり、世界に誇れるもののひとつでもある招き猫が約800体。
素材も表情も大きさも様々な招き猫たちが、皆様を手招きしてお迎えしています。
また当館がある金山は、名刹の天台宗・金山寺が位置する市内最高峰です。
そして、明治の文豪・内田百閒氏(岡山市出身)が書き下ろした小説『ノラや』の一節にもなっているのがここ金山です。
当館の招き猫鑑賞と共に四季折々の美しい豊かな自然もぜひお楽しみください。
どこか神社の雰囲気が漂う福寿横丁に鎮座するのは、両手を上げた当館オリジナル招き猫のラッキーです。
白と黒、2体のラッキーの周りには皆様のお願い事が記された「願い札」と成就の感謝が記された「叶い札」がぎっしり。
「元気な赤ちゃんが生まれました!」「志望校・資格試験に合格できました!」「希望の就職先から内定をもらえました!」「愛する人と結婚できました!」といった喜びのお声を多数いただいています。
鮮やかな赤色の大きな吉兆門の上には、世界的アーティストの鉄筋彫刻家・徳持耕一郎氏作の猫が一匹。
その猫が、ゆったりとした歩みで皆様を招き猫美術館入口へといざないます。本館2階の常設展示室・百福の間には当館所蔵の招き猫が大集合しています。
また、招き猫の背後には太陽の光が表現された壁画が設置され、百福の間全体が豪華に輝く印象です。招き猫絵付け体験は2006年から始まったワークショップです。
素焼きの招き猫へ自由に着色して、オリジナル招き猫がつくれるということで幅広い世代の皆様がご参加くださっています。
夏休みには保護者の方と子どもさんたちのご参加が多く、「今日はとても楽しかったです!」というお声をいただいています。
昨年には、新型コロナウイルス感染症の早期収束を願い「コロナに負けない!福ねこ絵付けプロジェクト」と題して、社会福祉法人旭川荘(岡山市北区祇園)の職員様と利用者様が絵付け体験に取り組んでくださいました。
そして、素焼きの招き猫に絵付けをした「福ねこ」352点の巡回展覧会も開催されました。
福ねこ作品からは作者の個性があふれていて、生き生きとした筆さばきと大胆な構図にほとばしるエネルギーを深く感じました。
このたび、優れたアート作品に敬意を込めて「自由って、たのしい。」とのキャッチコピーを添え、記念のポスターを制作させていただきました。
「後世に招き猫文化を伝える」ことを目的に、未来を生きる皆様へ福を招く猫の魅力を知っていただけますよう、今後も活動を続けてまいります。
招き猫のことでご質問がありましたらいつでもお声かけください。
招き猫美術館 学芸員・虫明比斗子 Mushiake Hitoko
1972年岡山市生まれ、岡山市在住。旅の情報は、当館公式SNSで配信中!
学芸員の本棚では学芸員自ら全国の美意識が感じられる図書館や書店を訪ねその場所で出会った一冊のねこ絵本をご紹介しています。
図書館や書店の建築、読書空間の魅力も併せてお伝えします。