[2024年3月28日]
ID:56380
●団体名 「一般社団法人あしもり遊学舎」
●団体の概要
主な活動場所:岡山県岡山市北区足守
構成員: 11 名
代表者:森安 章
設立: 2018年
●これまでの活動
2015年、森安氏と高木氏を主体に足守でまちづくりセミナーを開催。足守のまちづくりについて検討を始める。
2017年、ワークショップ開催等を通じ、意見交換を重ねる。
2018年、高木氏を中心に事業計画の策定・検討を進める。「一般社団法人あしもり遊学舎」を設立。「あしもりゲストハウス吾妻」オープン
2019年、岡山市「地域の未来づくり推進事業」採択。
岡山市北区一宮で地域に根ざしたエ務店を経営する森安氏は、生まれ育った足守のまちが元気であることが、本業の持続的な運営にも必要であると考えていた。ある時、同じ経営者グループに所属する高木氏と、東京で開催された講習会で意見交換を行い、意気投合。お互いにつながりのあった講師を足守に招き、地域づくりのセミナーを開催した。そこで出会ったメンバーと定期的に勉強会や空き家マッピング、意見交換等を行い、約2年かけて各事業の連携のイメージを温めていった。
2018年10月頃から、高木氏を中心に各事業案をとりまとめ、プロジェクト化が進んだことから、「あしもり遊学舎」が立ち上がった。空き家を活用したレンタルスペースやゲストハウスの運営、食材販売や料理の提供を行い、農産物の活用と地域雇用を目指す「あしもりキッチン」、環境に優しい「あひる農法」を用いた米作りなど、「足守を楽しむまちづくり」をコンセプトに、さまざまな活動の展開が始まっている。
足守エリアの空き家を活用した民泊「あしもりゲストハウス吾妻」や交流スペース「レンタルスペース旭」、食による地域づくりの場「あしもりキッチン」を計画している。ゲストハウスは、手軽な宿泊を通じてゲストに足守の魅力を体験してもらうのが目的だ。
レンタルスペースは、イベントやセミナー開催のほか、短期の飲食店営業、トライアル店舗の受け入れ準備も進めている。「あしもりキッチン」は、就労支援施設と連携して、配食サービスやおかずの販売を計画。
地域の食を支えながら、地元の農産物の活用と雇用の創出を目指している。
田んぼにアヒルを放し飼いにし、除草を行う有機的な「アヒル農法」による米づくりを行い、食育や交流、産業の創出につなげている。
また、都市に暮らす子連れの家族を中心に、地元の食や農業に関心を持ってもらう牒業体験やワークショップを実施。
生産者と消費者のコミュニティづくり、交流人口の増加にも貢献している。
「棚田めぐりルート」など、足守を基点にしたサイクリングコースを設定。足守の豊かな自然や周辺地域の歴史遺産などをルートに組み込み、観光客やサイクリストの誘致に努めている。
サービス利用者からの売上のほか、岡山市「地域の未来づくり推進事業補助金」(2019年度から)、理事による負担を活動資金としている。
同会が主催する地域活性化のセミナーやイベントの参加者に直接コンタクトをとり、プロジェクトの目的やメンバーの想い、活動内容を丁寧に説明しながら、メンバーを集めている。
また、参加者から周囲に声がけをしてもらい、活動の認知度アップや新しいメンバーの発掘に努めている。
歴史的・文化的資源に恵まれている足守には、地域の振興を図る個人や団体が多く存在する。しかし同会が設立されるまでは、同業種間の縦のつながりは強くても、異業種間の横のつながりが薄かったことから、それぞれの事業を連携させたプロジェクトを起こすことは難しいと思われていた。
その調整役となったのが、東京に拠点を置く理事の高木氏だった。既存の関係性に捉われることなく活動できる高木氏がつなぎ役となり、プロジェクト参画の呼びかけや、意見のとりまとめなどを積極的に行うことで、垣根を越えた連携が実現できた。
このように、外部にも想いを共有するブレーンを持ち、俯敵した立場でまとめることで、「あしもり遊学舎」がひとつになり、これまでになかった新しい取り組みを生み出すことにつながっている。
「あしもり遊学舎」のメンバーが集うきっかけとなった地域活性化のセミナーやイベントを継続して行うことで、足守のまちづくりを志す仲間が集う機会を作り続けている。
また、同会の精力的な活動が広く認知され、メンバーの本業にプラスの影響が生まれていることも、モチベーションの維持や事業継続の力となっている。
足守の地域資源やコンテンツを掘り起こし、発信することで、県内外の観光客だけでなく、地元に暮らす若者や子どもたちにも足守の魅力を伝えていきたい。若い世代を中心に、ゲストハウスや「あしもりキッチン」、ワークショップの運営等に主体的に参加してもらうことで、地域活性化の担い手を増やしていきたい。
2019年の取材の内容です。