[2024年3月28日]
ID:56652
●団体名 「たけべ カフェグロップ」
●団体の概要
主な活動場所:岡山県岡山市北区建部町建部上
構成員: 5 名
代表者:下野 雅祥
設立: 2019年
●これまでの活動
2015年:建部町内外のイベントを通して、下野氏、岸本氏、江田氏の3名で建部町活性化に向けた意見交換を進める。
2015年:「たけべカフェグロップ」設立。岡山市「地域活力創出事業」採択。「サクッ咲くたけべ」クッキーの製造開始。
団体のメンバーは、いずれも岡山市の最北部に位置する北区建部地域を拠点に活動する経営者であり、それぞれが地域に根ざした活動を行っていた。2015年頃、地域のイベントを通して交流が始まったのをきっかけに、「建部地域の活性化のための活動」を真剣に考え、語り合うようになった。
2019年4月、補助制度を活用し、メンバーが経営する事業の特徴を生かしたクッキーの開発に着手。8月には、試作を重ねた商品の発表を行う「たけべを元気に!大試食会」を地域内の9団体とともに開催し、新たな魅力発信の取り組みをスタートさせた。これを機に、同じ志をもった団体とのつながりも深めることができた。
当初3名で始まった取り組みは、建部地域の地域おこし協力隊OBなども合流し、ネット通販を行うなど、活動の輪が広がりつつある。団体の名前は「GROPE」=「手探りする、模索する」という言葉の意味に由来しており、言葉どおり一歩ずつ地道な取り組みを、楽しみながら続けている。
商品コンセプトは「たけベオリジナル」。メンバーである洋菓子店経営の岸本氏が、江田氏が経営するコーヒー専門店の「福渡ブレンド」と、下野氏が製造する「建部ヨーグルト」を使い、2種類のクッキーを開発した。その他の材料も、建部産の希少な「さくらはちみつ」やバターを使用。それぞれが納得のいく商品が完成した。
素材や製法にこだわった分、価格設定には苦労した。そこで、東京都港区にある岡山県のアンテナショップで試食会やアンケートを実施。味や商品サイズなどをブラッシュアップし、価格の面でも納得してもらえる商品づくりに努めた。
パッケージデザインは建部をよく知るデザイナーに製作を依頼し、メンバーのイメージやこだわりを形にした。2020年1月から3名それぞれの店舗で販売を開始している。
岡山市「地域活力創出事業補助金」(2019年度)、商品の売上、メンバーからの負担を活動資金としている。
一人で新しいことを始めるのはハードルが高いが、自分の想いに近い活動をしているグループにコンタクトを取り、「まずは活動に参加してみる」ことが、仲間づくりにつながる。すぐに縁が生まれなくても、周囲の人に自分の想いを伝え続け、共有しておくと、後日、思わぬ方面から声をかけてもらえることもある。
イベント出店時には、団体ロゴ入りのユニフォームを着用して参加するなど、周囲へのPRも積極的に行っている。こうした活動は、メンバー間の一体感の醸成にもつながっている。
北区建部町では以前から、地域の魅力を発信する「たけベマルシェ」などのイベントが開催されており、参加者同士で活発な交流が行われている。この「たけベカフェグロップ」も、イベント参加をきっかけに仲間同士が意気投合し、発足。「建部町オリジナル」にこだわり、本業で研鑽した技術や特産品など、メンバーそれぞれの強みをかけ合わせることで、クオリティの高い商品を開発することができた。ただ作るだけに終わらず、外部の意見を取り入れ、品質改良を重ねたことも参考にしたい。
「たけベカフェグロップ」の活動が本業に支障をきたさないように、無理をせず、楽しみながら取り組むことを心がけている。
体制面では、岸本氏はクッキーの製造、江田氏は書類作成などの事務作業、下野氏は長年のビジネス経験を生かした調整業務等を担当。それぞれの得意分野を生かした役割分担を行っている。
ほかにも、岡山北商工会からアドバイスを受けたり、地域外の道の駅関係者やデザイナーにオブザーバーとして参画してもらったりと、外部からの視点やサポートを意図的に取り入れることで、活動の軌道修正や、商品のブラッシュアップに努めている。
次のコラボレーションとして、コーヒーとヨーグルトをかけ合わせた新商品の開発を検討。このプロジェクトは3名にとって本業活性化の刺激にもなっている。
また、今回の「たけベカフェグロップ」の挑戦が、他の事業者が集うきっかけとなればと考えている。参加する事業者が増えれば、新たなコラボレーションや新事業の可能性が広がっていく。それぞれの強みを生かしながら連携することで、建部町のさらなる魅力発信に努めていきたい。
2019年の取材の内容です。