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東新田安心生活応援ボランティアの会(2019年取材)

[2024年3月28日]

ID:56865

高齢者の生活支援

活動団体

代表の二宮氏の写真

●団体名 「東新田安心安全生活応援ボランティアの会」

●団体の概要
主な活動場所:岡山県岡山市南区箕島
構成員: 13 名
代表者:二宮 教行
設立: 2018年

●これまでの活動
2013年:二宮氏が東新田町内会長に就任。
2018年:「東新田安心生活応援ボランティアの会」設立。
     岡山市「地域の未来づくり推進事業」採択。

活動内容

活動のきっかけ

代表の二宮氏は、岡山市南区箕島の東新田地域に暮らして30年。2013年には町内会長に就任し、住みよい地域づくりに取り組んできた。「東新田安心生活応援ボランティアの会(以下、ポランティアの会)」設立のきっかけとなったのは、「作業の担い手がいない」「集いの場が少ない」といった地域の高齢者の悩みを耳にしたことだった。以前から、定年退職後も活躍できる場づくりの必要性を感じていた二宮氏は、それらの課題の解決に向けて方法を模索し始めた。

町内会役員と話し合いを重ね、町内会の下部組織を作って高齢者の困りごとを解決する仕組みを検討。会の規約や運営方針の策定にあたっては、岡山市とも協議を行った。2018年、定年退職後の男性を中心に町内会有志がメンバーとなり、「ボランティアの会」を設立。同年10月に岡山市「地域の未来づくり推進事業」に採択されたことを機に、本格的に活動を開始した。

主な事業

たすけあいサービスの実施(高齢者の生活支援)

東新田地域および隣接する地域の町内会会員から依頼を受け、地域の高齢者を対象に生活支援を有償(1時間500円)で行っている。依頼内容には、用水路の清掃や樹木剪定、農地や庭の草刈り等、体を動かす作業が多い。

2018年11月から2019年3月までの5カ月間で、依頼に対し150時間を超える活動を実施することができた。高齢者の日常生活の困りごとを解消すると同時に、支援にあたるスタッフの活躍の場づくり、コミュニケーション機会の創出にもつながっている。

作業風景、この日は水路の清掃作業を行った
活動拠点となる東新田公会堂の写真

活動資金について

サービスの実施による売上、岡山市「地域の未来づくり推進事業補助金」(2018年度から)などを活動資金としている。

仲間集めのコツ

企業で営業職に携わってきた二宮氏。その経験を生かし、依頼者からの集金や報酬の支払いを後回しにせず、迅速に対応することで、組織としての信頼を得ている。また、依頼者はもちろん、活動中に出会う近隣の住民とも挨拶や世間話を交わし、良好な関係づくりに努めている。

事業の後継者育成を見据えて、新規メンバーの勧誘も忘れない。特に定年退職を迎えたばかりの団塊の世代は、元気な人も多く、地域を支える担い手としても期待されている。二宮氏は、町内会の集まりや行事の際には、積極的に声がけを行っている。

活動のポイント

「ポランティアの会」を町内会の下部組織に位置付け、町内会を補完する形で活動することで、協力者集めの面で無理が出にくく、健全な組織運営につながっている。また、定年退職後の活躍の場として、メンバーがやりがいを持ち、いきいきと活動していることもポイントとなっている。

活動継続の秘訣

地域課題の解決という目標を共有することで、メンバー同士のコミュニケーションが活性化。定年退職後の集いの場としても機能し、活動の継続にもつながっている。

また、作業を行ったメンバーが目に見えて「やりがい」を実感できるように、作業の報酬は少額でも迅速に支払う。きちんと報酬を渡すことで、信頼関係を構築できるのはもちろん、メンバーの家族から活動への理解も得やすくなっている。

これからの展望

地域には独居の高齢者も多く、蛍光灯の交換といった日常生活のちょっとした困りごとを解消してほしいというニーズもあると思われるが、現状ではまだそうした依頼は届いておらず、今後、高齢者世帯を中心に、支援活動への認知を広げていきたい。また、東新田地域、隣接する地域の町内会員に支援対象を絞って活動しているが、町内会未加入者への対応の必要性も感じている。安定したサービスの提供に向けて、利用者のニーズ調査を行い、近隣の町内会とも連携を強めていきたい。

体制図

町内会が「東新田安心生活応援ボランティアの会」と連携し、利用者へ商品サービスを料金と引き換えに提供し、岡山市は補助金を「東新田安心生活応援ボランティアの会」に提供するという体制図

2019年の取材の内容です。