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地域の孤食問題の解決と持続可能な生きがい農業の活性化支援

[2024年3月28日]

ID:57942

地域の孤食問題解決と持続可能な農業の活性化支援

活動団体

古民家の写真

●団体名「株式会社アルサクセス」

●団体の概要
主な活動場所:岡山市北区御津宇甘
構成員:2人
代表者:花房 信明
設立:2011年

●これまでの活動
2011年:「株式会社アルサクセス」設立
2016年:ファーストフード店を閉店
2018年:ナチュラルスイーツ「まんま工房」閉店
2022年:「まんまの杜」開業

活動内容

活動のきっかけ

父親が経営していた商業施設内のファーストフード店8店舗を継いで事業を展開していたが、提供価格が安く化学調味料を使わざるを得ない状況に疑問を感じるようになり、食べた人が健康になる事業に方向転換することを決意。
およそ8年かけて徐々に店舗を閉店させていく一方で、地域のこだわり野菜を使用した飲食店を経営したいと、自然豊かな岡山市北区御津宇甘地区に移住。築100年超の古民家を改装し、2022年3月に糀の野菜料理レストラン「まんまの杜」をオープンした。

開業に向け、肥料や農薬を使わない自然栽培農業を学んだことから、自身で自然栽培に挑んでいるほか、県内外の自然栽培、有機農家の野菜を仕入れて調理。調味料も自家製や天然醸造にこだわり、日本の昔からの食文化である、発酵食品、和食など素材の味が楽しめる野菜料理を中心に提供する。
近隣の一人暮らしの高齢者に弁当やおかずを不定期で届けているほか、自然栽培農業の良さを発信したことで、取り組みを始めた農家も出始めるなど持続可能な地域づくりにも貢献している。

主な事業

こだわり野菜を提供する古民家レストランの運営

古民家を改装し、2022年3月野菜懐石レストラン「まんまの杜」の店内の写真

「食はいのち料理はいのちのうつしかえ」をモットーに、体をきれいにし健康を増進する料理の提供を目指し、野菜懐石レストラン「まんまの杜」を開業。
素材の旨味を引き出す糀を使った野菜料理を中心に、牛窓や総社など契約農家から仕入れた米で作った酵素玄米や白米、熊本県の玉名牧場の青草だけで育てた乳牛のミルクなどこだわりの素材を使った料理が楽しめる。
ランチは水曜日から木曜日営業し2750円。肉料理付きは4840円。午後4時までカフェ営業をするほか、金、土曜は予約制でディナーも受け付ける。日曜日は、気軽に立ち寄れるよう、カフェデーや、オムライスやクレープなどが楽しめるさまざまなイベントを不定期で実施中。

山菜の写真
ランチの写真

独居世帯への配食、緊急時の食の支援

お弁当の写真

地元のコミュニティーや野菜を分けてもらったり、入村時に世話になった人などに不定期で弁当やおかずを届けている。
おせちや恵方巻など季節行事に応じたものの提供や、愛育の日は料理を手伝いに行くなど、地元のニーズに合った事業展開を模索中。

活動資金について

レストラン営業の売上、地域の未来づくり推進事業補助金を活動資金としている。

仲間集めのコツ

コンセプトや想いを周囲に伝え続けること。来店客にも生産者や料理に込めた想いを受け取った人が常連になっている。
近隣の農家でもまんまの杜の取り組みに関心を持つ人が増えてきており、無農薬野菜の提供や自然栽培農業への挑戦など輪が広がりつつある。

活動のポイント

過疎化が進む御津の中で農業を軸とした地域ブランド化を進めることで、県内外からの流入を促し、地域の活力向上を促している。
岡山桃太郎空港からも近く、日本の食文化に関心の高いインバウンド客を取り込みやすいのもメリットとなる。村のコミュニティにも積極的に参加することで、地元農家とのネットワークも徐々に広がり、自然栽培農業に取り組む人も出ているなど、将来的には地域を挙げた取り組みとして休耕地や耕作放棄地対策にもつながる可能性も秘めている。

活動継続の秘訣

リピーターは徐々に増えてきているものの売上は、まだまだ厳しく、助成金も活用して、力を入れ過ぎず続けてことを目標に活動している。
近所の方からも受け入れられ、定期的にお茶を飲みに来てくれたり、子どもが帰省した際に来店するなど一定の地域利用があるのも大きい。また、県外から来たお客さんからの「東京に行かなくてもいい店がある」という評価がモチベーションとなっており、御津の人が誇れる店を目指し取り組んでいる。

これからの展望

自家農園や果樹園では、草を混ぜ込み残留肥料を抜く土づくり作業の最中で、栽培に適した環境が整えば様々な農作物の収穫体験を始めたい。
店舗内で自然栽培農業の勉強会を開き、生産者と消費者の両方を増していくことで持続可能な農業の普及に貢献したい。