岡山市宍甘にある。旭川東岸平野北東の山裾部に位置する。旧山陽道が山陽町馬屋を過ぎた牟佐の手前で枝分かれして南下し、山間部から平野部へ出る場所に当廃寺が占地することから、交通の要衝を意識しているともいえる。
寺域や伽藍配置などは、発掘調査がおこなわれていないため不明で、現況でも基壇等の痕跡は認められない。採集されている瓦には、賞田廃寺で出土する軒丸瓦と同じ文様のものがあり、賞田廃寺同様に吉備の有力豪族である上道氏一族の氏寺と考えられている。
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宇野バス「岡山東養護学校前」下車 北東へ徒歩10分。 |
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出宮徳尚「第七章古代」『岡山県の考古学』吉川弘文館 1987年 |
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