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岡山市西花尻・東花尻にある前方後円墳で、墳長約35.5m、後円部径約23.5m、後円部高約3
m、前方部長11.8mである。前方部はバチ形に開く。葺石があり、特殊器台とも特殊器台形埴輪ともいえるものが並べてある。内部主体は後円部中央に竪穴式石室があり、長さ2.7
m、幅1.0 m、高さ0.7
m、内部に箱形の木棺が置かれていたと推測されている。副葬品は、方格規矩鏡1、勾玉1、ガラス小玉50、鉄斧である。前方部にも埋葬施設がある。 本墳はそれ程大きな規模ではないが、学術的に大きな意味を持っている。弥生時代には地域ごとに独自の墓制(墳丘墓)が展開していたが、古墳時代になると、前方後円墳を頂点とする墓制へと変わる。そして大きさも全長が278 mの奈良県桜井市箸墓古墳が造営されるなど、飛躍的に大規模なものがでてくる。 矢藤治山古墳はちょうどその変換点に位置し、前方後円墳という墓制の成立を解明するための重要な手掛かりを持っている。
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