岡山市賞田にある。標高257.1mの竜丿口山南側に位置し、飛鳥時代創建の賞田廃寺に隣接する。墳形は、後の開墾や、墳丘上が道路として利用されていたため現況では全く不明である。石室全長は8.9m、玄室部の長さ5.1m、同幅2.2
もしくは2.9m、羨道の長さ3.7m、同幅2.9mである。両袖式である。総社市のこうもり塚古墳、真備町の箭田大塚古墳、岡山市の牟佐大塚古墳のいわゆる吉備三大巨石墳と同様に、巨石を用いた数少ない古墳である。そのうち本墳の石材は最も整美であり、県下の巨石墳のなかでは最後につくられたと考えられている。玄室部には、長さ225cm、幅120cmの石棺の身があり、石材は兵庫県産の竜山石である。県下における同種の石材の石棺のうちでは最も大きい。
本墳の位置する旭川東岸部は、古代の有力豪族である上道氏の拠点である。本墳は上道氏の古墳と考えられ、賞田廃寺の建立へと続くのであろう。周辺は、備前車塚古墳、備前国府跡、浄土寺などの遺跡がまとまっており、JR高島駅を起点として、一日ハイキングコースとして歩くこともおすすめである。
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宇野バス「脇田」下車
もしくは、高島駅→県指定史跡備前国府跡→賞田廃寺→唐人塚古墳→県指定史跡浄土寺→備前車古墳→雄町冷泉→幡多廃寺→高島駅の一日散策コースもおすすめである。
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草原孝典「唐人塚古墳石室の測量調査」
『岡山市埋蔵文化財調査の概要1999(平成11)年度』2001年 |
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石室写真 |
石棺写真 |
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