グリーンカンパニー企業と取り組みのご紹介　Vol.15　株式会社まつもとコーポレーション

当社は、塩飽大工の流れをくむ創業者の松本吉平が、大正4年（1915年）に岡山市内で土木建築請負業の「松本組」を立ち上げ誕生しました。現在は総合建設業として公共工事のほか、民間の工場、病院、店舗などの設計、施工に携わっています。吉備津神社の本殿や拝殿の保存修繕工事といった文化財保存に携わるなど技術力の高さが強みで、「技巧と信用を何よりも重んじる」を経営理念とし、お客様の要望にできるだけ応えることをモットーに事業を展開しています。

地域に根差した経済活動を行う中で、地域社会への貢献につながるCO2削減への取り組みは必要不可欠と考えています。まずは、節電に取り組もうと、現在の本社に移転した際に社内の照明をLEDに統一しました。令和2年には、採光ブラインドを本社に導入し、まぶしい光を遮り、明るく優しい光を室内に取り込めるため、照明の利用を削減できるほか、輻射熱が少なくなる効果もありエアコン効率向上で節電につながっています。

現場事務所もLED照明とし、省エネの重機を使うよう徹底しています。資材納入時には、ごみが出ないように業者に簡易包装をお願いしているほか、産業廃棄物の削減にも取り組んでいます。営業車両は、極力ハイブリッド車を使うようにしており、車の中で事務作業ができる「ワーキングステーション」も導入しました。机や棚、エアコン、外部電源が付いているため、本社に戻る時間やCO2の削減に一役買っています。また、土曜日・日曜日に、現場作業所を完全閉鎖する取り組みの推進にも力を入れております。交代で休む場合と比べ節電になります。社員の働き方改革にもつながります。

井原営業所を建て替える際に、「今の時代ZEBが欠かせず、これを機に取り組んでみよう」と、経営陣と設計部門が中心となり、勉強会などで学びながら挑戦しました。壁や屋根へのグラスウール断熱材や、窓の二重サッシ、採光用ブラインド、パッケージエアコン、LED照明、エコキュート、太陽光発電の設置などのZEB設計により一次エネルギー消費量削減率139%を達成し、BELS 5つ星を獲得しました。温室効果ガス排出量の削減に向けたこの取り組みを社会に広く周知するため令和4年12月に「ZEBリーディング・オーナー」に登録しています。また、令和5年1月には、県内ではまだ少ないZEB普及と実現に向けた相談窓口と設計を手掛ける「ZEBプランナー」に登録されました。新築の際にはZEBを積極的に提案し、基本設計から、補助金申請、施工、メンテナンスまでトータルでサポートしていきます。

令和6年7月に、公益財団法人岡山県環境保全事業団が展開するアースキーパーメンバーシップに登録しました。電気や水道、ガソリンなどの使用量を入力すればグラフなどで見える化できる「環境家計簿」を活用して、社内の節電意識を更に高めるきっかけにしたいと思っています。社員の一人ひとりの意識を変えることが、同じ意識を持ち、行動できる仲間を増やすことにつながり、会社から家庭、家庭から地域、地域から国全体へと広げていくことが理想と考えています。

当社は、来年3月に110周年を迎えますが、150年、200年と続く企業になるためには、時代に合った会社に常に変化していくことが不可欠です。若い世代から興味を持ってもらえ、地域から「まつもとコーポレーション」がいてくれてよかったと思われる企業となるよう活動を継続していきます。