当社は、1968年に岡山プレス工業がプレス部門を廃止したことを受けて、部門責任者だった私の義父・二文字弘人が岡西プレス工業株式会社として独立開業しました。岡山市の西地区で設立したことから岡西(こうさい)と名付け、1985年に現在の株式会社コウサイに社名変更しています。開業から数年後には金型製造に進出し、1973年に有限会社ミツワ金型製作所を設立。プレス加工の図面設計から、金型製作、溶接加工、鈑金試作まで一気通貫で対応できるのが特長です。
生産の主力は、自動車のエンジンの振動を吸収し車体に伝わらないようにするための防振ゴムを据え付けるブラケットと言われる金属金具です。1994年には、鉄道車両用ブレーキシュー製造会社が岡山へ工場を移設したのに伴い、鉄道ブレーキ部品の加工に進出。トータルで月産20万個の生産体制となっています。
【写真:加工した自動車用部品】
【写真:大型プレス機】
プレス加工業界は、設備能力などでしか企業の差別化が図りにくいため、環境への関心の高まりを受けて対外的にアピールにつながると考えて、2020年にエコアクション21に登録しました。省エネ・省資源の取り組みを通して環境負荷低減を図るため、業務の見直しを進めましたところ、当社は、作業工程で発生した鉄スクラップを全量リサイクルに回しているため廃棄物が少なく、また水や熱源の使用量が比較的抑えられていることが分かりました。製造現場の取り組みとして、取得した累積データを分析することで、ボトルネックとなっていた板材のねじれや左右の高さの違いなどによる不良発生を把握、その後最適な寸法の特定や手順書を作成し社内で共有することで課題を解消し、業務改善を図りました。また、5S活動(整理、整頓、清掃、清潔、しつけ)の徹底により、設備整備のエネルギーロスを低減しました。職場環境面では、LED照明への切り替えや、タブレット端末導入によるペーパーレス化の推進、工場の屋上にすのこを敷き室温を下げるなどの工夫をし、環境保護につながるCO2削減の取り組みをしてきました。
【写真:工場内は5Sを徹底】
【写真:屋上に敷いたすのこ】
ロール状の鉄を連続で加工する「順送プレス」の業務を同業他社から引き継いだのですが、もともと「順送プレス」業務は、金型から抜いた後の部品をエアブローで吹き飛ばしてケースに収める仕様で、ケース以外の所にも部品が飛び出すことが多く、回収作業などが発生していました。そこで、プレスの上下運動の動力を活用して部品を受け止めて、スロープでケースに入れる仕組みを考案。作業工程においてエアブローを使用しなくなるため、コンプレッサーにかかる電力が半分まで削減でき、CO2排出を大幅に減らすことができました。プレス周辺に散った部品を回収する手間や、手を挟まれる危険性もなくなり、生産性と安全性の向上にもつながっています。単発プレスでも活用できないか調査中で、全てのラインへの導入を見据えています。
社内では、社員から業務・資源効率、生産性や安全性が上がるアイデアを常時募り、改善案が特許になれば報奨金を出すようにしており、全社的に改善意識が持てる組織づくりを目指しています。
また、溶接加工は高い電流で早く作ると熱が入りすぎ、硬くなり壊れやすくなるため、「手から伝わるやさしさ」をテーマとして、生産性のみにこだわらず、あえて手作業の工程を残すことで、柔軟性があり丈夫な製品づくりを追求しています。精緻な作業が必要とされる要望にも応えながら、顧客にやさしいものづくりを続けて、差別化と顧客満足度の向上につなげたいですね。
【写真:二文字社長(右)と社員の皆さん】
称号 | 株式会社コウサイ |
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所在地 | 岡山市東区竹原830-3 |
設立 | 昭和43年4月 |
代表者 | 代表取締役 二文字 祐嗣 |
事業内容 | 金属加工部品の製造 |
所在地: 〒700-8554 岡山市北区大供一丁目2番3号 [所在地の地図]
電話: 086-803-1282 ファクス: 086-803-1423