イオンモール岡山のオープンに向けて、市民の期待が高まる岡山市。一方で、「渋滞は大丈夫かな?」など、不安を感じている方もいらっしゃるかもしれません。
第3回のESDカフェでは、NPO法人公共の交通ラクダ(RACDA)の市川三好さんをゲストに迎え、「地域・くらしを支えるツールとしての公共交通」をテーマに話し合いました。人と環境に配慮した暮らしやすいまちをつくるための公共交通について考え、活動するNPO法人公共の交通ラクダ(RACDA)(以下、RACDA)。
路面電車をはじめとした公共交通について研究したり、「岡山路面電車まつり」などの公共交通を楽しく学べるイベントを開催したり、行政や交通機関に働きかけを行うなど、市民目線の様々な活動に取り組んでいます。※※詳しい活動については、NPO法人公共の交通ラクダ(RACDA)のウェブサイト別ウィンドウで開くをご覧ください。
まず最初に、市川さんが自らの足で集めた資料をもとに、世界各地の都市が取り組むまちづくりについて紹介されました。
ヨーロッパのまちの中では、デンマークのコペンハーゲンやスイスのチューリッヒが、「暮らしやすいまち」として世界から高い評価を受けています。これらの都市はどんなまちづくりを行っているのでしょうか?岡山と同じように平地が多く、自転車を利用する人が多く暮らすデンマークのコペンハーゲンでは、自転車を積める列車「サイクルトレイン」が運行されています。列車で移動した先でも、自転車を使って行動できるのです。
岡山や近隣の地域でも、自転車を列車に乗せて運べると広い範囲でサイクリングを楽しめます。ヨーロッパなどの都市では自動車ではなく、徒歩や自転車で移動しやすいまちづくりが行われていて、路面電車などの公共交通が整備されています。
こうしたまちづくりを通じて、まちの回遊性が高まり人のにぎわいが生み出されています。また、人々がまちの中でゆったりとした時間を過ごすことができるよう、道沿いにオープンテラスのあるカフェがお店を構えたり、ベンチが置かれたりしています。さらに、市川さんは交通システムが整っているまちとして、中国の上海を紹介されました。
渋滞や事故を減らすために歩道と車道が切り離されていたり、駅から近いところに公園を設け緑豊かな空間がつくられていたりと、様々な工夫がなされています。一方で、再開発のために生活拠点を移さなければならなかった人がいたり、空気が汚染されたりしていることから、上海に対してマイナスのイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれません。
今のまちの姿だけでなく、まちのいろんな面に目を向けて考えることが大切ですね。
いろんな世界の都市について学んだ後は、私たちの暮らす岡山に目を向けていきました。
自然災害が少なく、豊かな自然に囲まれていたり、鉄道で各地方への移動がしやすいことなど、様々な条件から移住先として人気が高まる岡山。これらの意見をもとに、市川さんは次のように話をしめくくられました。
「暮らしやすいまちとは、人が暮らし続けたいと思うまち。そんなまちをつくっていくためには、ESDの視点が必要ですね。また、市民が自ら意見を発信したり、公共交通について一緒に考えたりすることで、持続可能で魅力的なまちがつくられていくのです。」
岡山では、路面電車だけでなく、バイオディーゼル燃料で走るバスやモモチャリ別ウィンドウで開くなど、環境に優しい公共交通もありますね。このような公共交通も、岡山の暮らしやすさにつながっているのかもしれません。
他に、どんな「暮らしやすさ」や「魅力」が岡山にはあるのでしょうか?新しい目線でまちを歩いてみると、楽しい発見があるかもしれません。
次回のESDカフェは2014年7月17日(木曜日)午後6時30分より、環境学習センター「アスエコ」にて開催します。いつもおいしいコーヒーを準備してお待ちしています。お気軽にご参加ください。
岡山市ESD世界会議推進局 小西・友延
電話:086-803-1354
電子メールアドレス:miki_konishi@city.okayama.lg.jp