私たち「高島・旭竜エコミュージアム」は、高島地区(岡山市中区)という小さな地域で小さな活動に取り組むボランティアグループです。「身近なことから少しずつ良くしよう」、「身近な生きものたちに思いを寄せることを大切にしよう」という思いをもとに活動しています。
例えばホタルの保全活動では、毎年5から6月にホタルの観察会を行っています。
ゲンジボタルは、自然豊かな環境で生息することができます。観察会では、岡山理科大学の学生が中心となって様々な工夫をこらしながら、ホタルの生態や生息状況についての学習会を開催したり、ホタルの発光実験などを行ったりしています。
ホタルの観察会での大学生によるパフォーマンス
これらの取り組みを通じて、地域の人が少しでもホタルに興味を持つきっかけをつくり、ホタルが生息できる環境を守る意識を広げています。特に子どもたちが観察会で学んだことを家族に伝えることで、大人たちもホタルを保全する大切さをより一層学ぶことにつながります。
国の天然記念物や絶滅危惧種に指定されているアユモドキの保護保全にもかかわっており、アユモドキの産卵場の整備や人工繁殖の支援を行っています。人工繁殖で生まれた稚魚を放流することができるようになることを期待して、小学生と一緒に稚魚の世話をしています。
高島公民館を拠点として、子どもやその家族を対象に自然体験活動を行っています。
岡山市中区にある竜ノ口山は、豊かな自然が残る里山です。竜ノ口山を保護保全する最初のステップとして、「山を知るきっかけをつくろう」と考え、野鳥の会の方や岡山理科大学の学生を講師に招いて、野鳥の観察会や植物の学習会などを行っています。
また、不要なツタを切り出して、クリスマスリースをつくるイベントも開催しています。その他、里山を維持するために草刈を定期的に行ったり、パトロールを行って山道の清掃活動や安全確認を行ったりしています。
子どもを対象にしたわらぞうりづくり文化伝承のプログラム
「秋の芋煮会」で使用する里いもの植えつけ
水辺教室では、自然学習だけでなく、子どもたちと外来種の藻などを取り除く作業を行い、固有種の藻が外来種によって生育しづらくなっている現状を体験的に学ぶきっかけをつくっています。
水辺教室で生きものの学習と水路の清掃活動をしている様子
私たちの活動は、だれでも・いつでもできる小さな行動の積み重ねであり、大きな組織が取り組む活動のように大きな効果をすぐに生み出すものではありません。
現在の便利で楽ができる生活とは正反対の活動ではありますが、これからも身近な環境に暮らす生きものたちに思いを寄せ、共生していくためにどんな行動が大切か考える姿勢を、しっかり心がけたいと思います。
元高校教員で、退職してからは高島公民館に勤務していました。
そこで、ホタルの保護活動に関わったことをきっかけに、高島・旭竜エコミュージアムを語る会の活動を始めました。その他、「岡山市身近な生きものの里高島・旭竜」や「龍ノ口グリーンシャワーの森を守る会」にも所属しています。
「家族ぐるみで地域の自然に触れることの出来るような活動をされており、素晴らしいと思います。このような小さな活動が岡山全体に広がっていったらいいなぁと思いました。」
高島地区は、多様な生きものがすむ豊かな自然環境が広がっており、地域の人々によって保護活動や環境保全活動が行われています。「高島エコウォーク」では、そんな高島地区の観光スポットをESDの視点から紹介しています。龍ノ口グリーンシャワーの森では、大橋さんも登場しています!
高島地区の豊かな自然の中で大きく深呼吸しながら、自然の素晴らしさを体感してみませんか?