2015年6月18日(木曜日)に第3回ESDカフェを開催しました。今回は、青年海外協力隊としてキルギス共和国に派遣されていたJICA中国の大井聡美さんに、「フェアトレード」をテーマにお話いただきました。
まず、みんなで挑戦したのは「チョコレート・ジャーニー」というゲーム。
3、4名がチームになり、「カカオ豆を収穫する」、「カカオ豆の中身を取り出してバナナの葉をかぶせて発酵させる」、「チョコレートバターを作る」などのカードを並び替えて、カカオ豆がチョコレートになるまでの順番を当てます。
参加者は、カカオ豆が生産者から輸出・輸入業者、チョコレート製造・販売業者、小売業者などの手に渡り、消費者である私たちの手元に届くまでのプロセスを学びました。
続いて、フェアトレードについてのお話。私たちの暮らしの中で、食べたり、使ったり、着たりしているものの中には、純粋に国産のものは少なく、海外の原料を使っているものや、海外で生産されているものも多くあります。例えば、日本の食料自給率は約40%で、残りの約60%は海外からの輸入に頼っています。
チョコレートの原料であるカカオ豆は、赤道周辺の高温多湿な熱帯地域で作られていて、世界の生産量の3分の2をアフリカ諸国が占めています。カカオ豆の生産は手作業が多く、子どもたちが、農場で働くために学校に行けないことも珍しくありません。昔は王侯貴族や戦士に珍重されたカカオ豆ですが、市場価格の変動は激しく、安く買いたたかれてしまうこともあります。また、大量生産のための農薬の乱用やプランテーションによる単一農業は、自然環境にも大きな負荷を与えています。
2001年には、先進国を中心に、行政、企業、市民団体などが連携し、まちぐるみでフェアトレード商品の利用を進める市や町を「フェアトレード・シティ/タウン」として認定する制度がスタートしました。イギリス北部にある小さな町ガースタングが初めての認定を受けて以来、その数は26か国、1629市町に上っています(2015年5月現在)。また、2011年には、熊本市がアジアで初めて、世界で1000番目のフェアトレード・シティに認定されたそうです。岡山では、2015年に「岡山フェアトレードの会」が発足し、フェアトレード・シティを目指して、シンポジウムやイベント等を通して、フェアトレードを普及しています。
フェアトレードは、誰でも参加できる国際協力。毎日、手にしたり口にしたりしているものが、どこからきて、どのように作られているのか。その背景を学び、つながりを意識して「選択すること」。その一つひとつの行動の積み重ねが、フェアトレードの普及につながり、持続可能な社会への道を切り拓きます。もっと多くの人たちが、フェアトレードに関心を持つようになるといいですね。
2013年度第6回ESDカフェでは、フェアトレード団体「halqa-はるか」の丸山輝裕さんをゲストスピーカーにお招きし、フェアトレードを中心に国際理解やESDについて話し合いました。
岡山市市民協働局ESD推進課 小西・流尾
電話:086-803-1351
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