それは岡山の中心地にありながら緑あふれる西川緑道公園で、おいしい料理やドリンク、ライブをお楽しみいただく場として、「満月の週の土曜日」に開催しています。
満月BARは、2012年(平成24年)6月から「おしゃれ」や「おもてなし」といったコンセプトをもとに始まりました。回を重ねるごとに口コミが広がり、今では毎回500名をこえるお客様にご来場いただくイベントにまで成長しました。
西川緑道公園で行われる満月BARの様子
満月BARを運営しているのは、岡山で暮らす10代から20代の有志メンバーです。
実は私自身、満月BARの代表でありながら、本職は看護師として働いています。他にも学生だけでなく農家やセールスマン、デザイナー、ダンサー、電車の運転手、雑貨屋のオーナーなど、色んな立場や業界の若者が一つのチームとなって活動しています。
しかし、満月BARを運営するメンバーの中には、飲食店を経営するプロはいません。「どうやって運営しているのか?」と聞かれることもよくあります。
その答えは、地域の飲食店を経営する方々と連携した運営です。
たとえば料理では、西川緑道公園の周辺エリアにあるイタリアン、フレンチ、スペイン料理店から、できたてのものをお客様へお届けしています。ドリンクもプロのバーテンダーやソムリエがその場で提供しているのです。
もちろん公園という空間で開催しているため、行政からの協力も欠かせません。また時には企業と共同でイベントを開催することもあります。
このように満月BARは、「様々な人が関わることで一つの空間を」つくっています。
市民、飲食店、行政、企業。
人と人という点がつながることで一つの空間を生み出し、さらに岡山のまちに大きな循環までも生み出す。そんな「イベント」という枠組みにはまりきらない空間として、満月BARは岡山のまちに定着しつつあるのかもしれません。
満月BARのためにおしゃれをして訪れるお客様が多くいらっしゃいます。
また満月BARには、「ゴミがほとんど出ない」という特徴があります。毎回のイベントで紙皿や紙コップといった使い捨ての容器をほとんど使用せず、ふだん飲食店で使われているお皿やグラスで料理やドリンクを提供しています。
「イベントでゴミが出ない」ということは、運営する私たちにとって心地よいことです。
この心地よさがあるからこそ、満月BARといった大きなイベントでも持続して開催することができるのかもしれません。
立場のちがう人がつながってまちの中に一つの空間を生み出していること。ゴミを出さないといった環境にも優しい運営のモデルづくりと実践を行うこと。
満月BARを運営する中でこれらのことが、ESDにつながることだと考えています。
すべては、お客様と共に心地よい空間を共演するために。
岡山の、満月の夜。魔法のかかる夜。素敵な夜を、演出いたします。
2013年6月に茶会とコラボして開催した満月BAR
看護師として働きながら、満月BARの代表をつとめています。
またNPO法人タブララサでも、キャンドルナイトの運営やリユース食器を使ったイベントの開催に携わっています。