9月16日(木曜日)に平成28年度第5回ESDカフェ「吉備大賀ハス保存会の活動と大賀博士の古ハスの研究について」を開催しました。
ゲストは、吉備大賀ハス保存会の浅野秋夫さん。
吉備大賀ハス保存会の活動と、古ハスの研究に60年を費やした大賀一郎博士の偉業等についてお話いただきました。
浅野さんが、大賀ハスに出会ったのは、今から5年前のこと。庭瀬城の内堀にある大賀ハスを、町内会としてお世話したのが始まりでした。内堀にはハスの鉢が7基ありますが、当時は、良く見ると大賀ハスとは違う特徴を持つハスも混在していたそうです。日々ハスに関わるうちにその魅力に取りつかれた浅野さん。純粋な大賀ハスを保全したい、大賀博士の偉業を後世に伝えたいという思いから、平成24年に、吉備大賀ハス保存会を立ち上げました。
大賀博士は、岡山県賀陽郡庭瀬村(現在の岡山市北区庭瀬)に生まれ、東京帝国大学(現在の東京大学)に進学。卒業論文は、アサガオの研究だったそうですが、26歳の時、指導教授の助言からハスの研究を始めました。52歳の時には、上野の不忍池で一万個以上のハスの実を採取したこともあるそうです。ハス研究に底知れぬ情熱を注いでいました。
昭和25年、大賀博士は古ハスの実の発掘をするために、数年前にハスの果托(カタク)などが出土した東大検見川厚生農場を訪れました。最初は、発掘の資金も具体的な手段もなく、雲をつかむような状態だったそうですが、様々な人や組織からの協力を得て発掘を開始。作業は難航し、何も見つからないままでした。しかし、作業打ち切りの前日、ようやくハスの実を1個発見。最終的に3個の実が発見されました。大賀博士は、独自方法で、約2000年前のものだと推定しており、大賀ハスは「二千年ハス」とも呼ばれています。
3個の実のうち、1つは順調に成長し、昭和27年には蓮根が掘り出されました。その後7月1日には、ハスに初めてのつぼみがつき、18日には見事に花を咲かせたそうです。以来大賀ハスは、国内各地、海外各地に分根され、大切に育てられています。
浅野さんによると、大賀ハスには次のような特徴があるそうです。
見頃は、7月中旬から8月上旬で、朝8時~9時頃に満開のハスを見ることができるとのこと。ハスのつぼみが開くとき「ぽんッ」という音がすると言われていますが、浅野さんによると音はしないそうです。
浅野さんは、ご自宅でも大賀ハスを育てており、観察を続けているとのこと。2日目の花が一番きれいで、香りも色もいいそうです。大賀ハスの蓮根は、食用よりもすごく細いものの、味は大差がないとのこと。また、花が散ってから20日後頃であれば、実はゆでて食べられるそうです。
今年の11月には大賀博士の追憶展を予定しているそうです。
「大賀一郎博士追憶展」
ご興味のある方、是非足を運んでみてください。
大賀ハスの美しさに魅せられて、ハスの保全をライフワークにしている浅野さん。この取組を「体が続く限り、活動を続けたい」とおっしゃっていました。
大賀ハスを大切に守り、育てる活動が、2000年以上前の美しい姿を後世に伝えていくことにつながっています。
※サイト内にも、大賀ハスについての記事がありますのでご覧ください。
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