足守公民館
豊臣秀吉の水攻めで有名な備中高松城の北西に位置する足守地区。
水攻めに利用された足守川の西岸に、江戸時代の古い町並みが多く残っています。
また、吉備史跡県立自然公園の一部に属し、文化財や観光資源も点在しています。
このように、史跡や文化財が多く残る足守地区では、“足守の昔”を次の世代に伝えるESD活動が行われています。
足守公民館の聞き書き講座は、もともと歴史・文化・生活・祭り・習慣など失われつつある足守の昔を、地域に住む人たちの記憶をもとに聞いて書き留めることによって記録にし、次世代に残すことを目的として発足しました。
メンバーは、聞き書きボランティアの6名※で構成されています。
今までに、聞き書きによる報告集「あしもり1」「あしもり2」を発行しており、現在は平成29年3月までに「あしもり3」を刊行することを目標に、月に1回の頻度で活動が行われています。発行した本は他の公民館や学校に配られ、足守の昔を多くの人に知ってもらい、語り継がれるきっかけになっています。
※平成29年2月9日現在
今回は、事前に取材した原稿についての報告会が開かれました。
話していただいた言葉をほとんどそのまま文章にするので、方言が多く使われることがあります。
報告会の後は、次は誰に聞き書きを行うかを話し合います。
「あそこの先生に話を聞いてみたら?」「山の上に住んでいるあの人は?」とさまざまな人が候補に挙がります。
そんな話ができるほど、足守に住む方たちはお互いのことを知っていて、聞き書き講座は地域交流の一つとしても活用されていることがうかがえます。
地域の人たちに話を聞くことで、地域の伝統や歴史が受け継がれていく足守の聞き書き講座は、とても大切なESD活動となっています。
聞き書き講座は、聞き手と話し手が、自分たちが次の世代へ伝えたいことを共有しながら進める共同作業です。
自分の書いた文章で取材をしたご家族の方も嬉しそうにしてくれています。
また、聞き書きをすることで、その人の人生を知ることができます。
足守から一度離れた若い人が、大人になって帰ってきても、足守のことがわかるように、いろんな人の想いが詰まった報告集を残すことが私たちが今できることです。
足守公民館の聞き書き講座では、メンバー全員で実際に読みながら手直しをするところが特徴的です。
これは、第三者目線で客観的に文章を見ることが、良い文章をつくるうえで一番大事なことだと考えているからです。
次の目標は、足守地区の学校の生徒たちと共同して聞き書き講座を開くことですね。
世代を超えて聞き書きをすれば、足守の昔を受け継いでいくESD活動の幅をより広げる事ができると思っています。
参加者:聞き書きはなかなか難しいですが、インタビューの勉強にもなり、役立っています。
参加者:昔の足守についてみんなが話すことができるようになれば、素敵な町になると思っています。
いろんな人の経験が次の世代に残されていくんだね。