岡山市の公民館では、地域課題を解決するための人材育成や住民による地域づくりの推進、地域の文化力を高めるようなESD活動を進めています。
令和2年度岡山市立公民館大会では、4つのテーマの学習会が開催されました。
今回は、岡山市立瀬戸公民館で行われた「子どもを通した地域づくり」の学習会の様子をお伝えします。
岡山市立瀬戸公民館では「子どもを通した地域づくり」をテーマに、地域の活動に子どもたちが参画して活躍できる学びの場をつくり、地域が元気になるためにはどんな工夫や取り組みが必要なのか、3つの実践事例をヒントに持続可能な地域づくりのアイディアをみんなで出し合いました。
開会にあたり、岡山市教育委員会生涯学習課の渕田裕之課長より「今回の公民館大会が公民館活動をより豊かに発展させる契機となり、持続可能で豊かな地域の未来を築く一歩となるよう期待しています。」と挨拶がありました。
岡山市教育委員会生涯学習課 渕田裕之課長
続いて、子どもが活躍できる学びの場づくりに取り組んでいる3つの団体から事例発表がありました。会場のみなさんへは「いいね!」「超いいね!」と書かれたシートが渡されており、各発表の後に参加者が良い取り組みだと思ったらシートで意思表示をして発表者へ伝えました。
シートを掲げる参加者
早島町では地域全体でともに学び、考える「はやしま学」を実施しています。学習支援に地域の方が参画する「放課後子ども教室」や「土曜はやしま塾」のことをはじめ、学校内外でのさまざまな体験活動について紹介されました。サポートボランティア制度によって、子どもが地域の大人と一緒に学び、さらに成長した子どもがボランティアになるという学びの地域への還元が活発に行われていました。
早島町教育委員会の発表の様子
御南西公民館では、御南中学校の生徒による地域貢献ボランティアの活動が盛んに行われています。中学生が小学生のために企画した「秋のお楽しみ会」や被爆体験をつづる冊子づくりに取り組んだ様子が紹介されました。中学生が活躍することで、地域へも好影響があることがわかりました。
御南西公民館の発表の様子
朝日塾中等教育学校は、生徒が実際に地域へ出かけて学んだ事例について発表しました。御津金川地域をフィールドワークして見つけた疑問点について調べて考察することで、災害時の避難場所の問題点があることがわかったそうです。防災の視点をもって、また地域の一員として獅子舞フェスタや防災マップ作りに取り組んだ様子が紹介されました。
朝日塾中等教育学校の発表の様子
事例発表の後は5つのグループに分かれてグループワークを行いました。グループワークでは
というテーマで各グループが意見交換をし、最後にはグループイチオシの地域づくりのアイディアを発表しました。
グループで意見交換をしました。
グループのイチオシを発表しました。
参加者の住んでいる地域や立場、年代、性別などは様々でしたが、自分たちの暮らしている地域の未来をより良くしていこうという共通の思いをもって様々な意見が飛び交いました。
助言者の江口峰男さん
意見交換会の最後に岡山市立御南中学校長の江口峰男さんから「各グループから出たイチオシを実現するためには『ビジョンをもつこと』『参加ではなく参画する仕掛けづくり』『それぞれが自己実現を果たせられるような持続可能な地域づくり』が大切」と助言がありました。
岡山市立瀬戸公民館 森末幸己館長
閉会にあたって岡山市立瀬戸公民館の森末幸己館長が「地域づくりを通して子どもたちが貴重な体験をできれば、一生の財産になる。公民館がその一躍を担えるよう、みなさんと一緒に取り組んでいきたい」と会を締めくくりました。
子どもたちの学びの場づくりを通して、地域のいろんな世代の人が関わるきっかけがたくさんできるといいね!