岡山ビューホテルは、岡山市北区の天満屋の近くにあるホテルです。1年に1フロアずつ改装を進め、「靴を脱ぐ、床に座る、集う」という独自のコンセプトのお部屋を提供しています。公共交通機関を利用しにくい小さなお子様連れのお客様や車で仕事をするビジネスマンに人気です。
厚生労働省の国民生活基礎調査では、子育て家庭の8割は核家族化で、さらにそのうちの1割はひとり親家庭という調査結果があり、家族構成の変化はますます加速していくと考えられます。この傾向は、家庭の地域社会との分断や子どもの孤食、貧困の助長にもつながり、深刻な社会問題になっています。これまで当ホテルは、県外からのお子様連れのお客様の家庭円満というニーズを満たすべくイベントを開催していました。しかし、コロナ禍で職を失ったり収入減になったりしたひとり親家庭が6割以上もいるという報道を受けて、ホテル周辺の子育て家庭も取り残してはいけないという想いを強めました。
コロナ禍で失業や収入減と大きな影響を受けているひとり親家庭に雇用を生むために、NPO法人や行政機関などと連携して当社への雇用を進めています。フロントやレストラン、ベッドメイクでの採用はもちろん、今後は周辺企業にもつなげて雇用を促進していきたいと思っています。また、今まで開催してきた子ども食堂の継続をはじめ、子育て支援のNPO法人とも協力して、お子様の誕生月にひとり親家庭を無料で宿泊や食事に招待し、ちょっと非日常な家族時間の創出を図ることを計画しています。
さらに、この支援を地球規模で持続可能な取り組みにしていくために、2019年から始めた宿泊客へのお土産の開発を、子育て家庭支援のためのエシカル商品の開発へ方針転換しました。エシカル商品を、オーガニックやアップサイクル、フェアトレード、アニマルウエルフェアなどをキーワードとし、「地球にも、社会にも、つくる人にも、つかう人にも優しい商品」と定義して、子育て家庭が喜ぶような開発を進めています。この商品を岡山のみならず全国のビューホテルチェーンなどで全国展開していき、さらにはアジア新興国にも拡大したいと考えています。売上の一部を子育て家庭支援の原資としていくだけでなく、全国や世界の子育て支援の資金にしてもらえるような仕組みも考えていきたいと思います。
大学卒業後、ホテルニューオータニ勤務を経て同社入社
2011年 代表取締役就任
私にとってはSDGsの師匠的存在である岡山ビューホテル様にリレーコメントできるなんて運命を感じます。厳しい社会情勢の中でもできることは無限にある、先駆的に挑戦されているその姿からそのように感じました。
「思いやり(OMOIYARI)」を世界標準語に!このビジョンを掲げる岡山ビューホテル様にとって、まさに有言実行がSDGsだと感じました。尊敬しています!