2月17日(木曜日)に、オンラインで今年度第10回目のESDカフェを開催しました。
今回は「誰もが人生を全うできる社会へ~孤立死や自死のない街づくり~」と題して、株式会社ココピア代表取締役の藤原真由美さんにお話しいただきました。
参加者は30名。高校生や社会人など、多くの方にご参加いただきました。
ココピアでは「誰もが人生を全うできる社会」を理念に掲げ、遺品整理・生前整理などの片付け、孤立死・自死が起こった部屋やゴミ屋敷などの特殊清掃、除菌清掃などの衛生管理を主な事業としています。
孤独死・孤立死の明確な定義はないようですが、今回は、「孤独死」は家族や地域とのつながりがある人が、老衰や突然の病気などにより自宅で誰にも気づかれずに亡くなること、「孤立死」は日常的に社会から孤立した人が自宅で亡くなり、そのまま誰にも気づかれないこと、という考え方でお話が進められました。また、孤立死は高齢者が多いと思われがちですが、40~50代の方も多く、近年、孤立死の件数が増えているため、ココピアへの依頼も増えているとのことでした。
遺品整理での忘れられない体験を話していただきました。
ある孤立死の現場で見つかった手紙や日記などの遺品を目にして、「なんとか救うことはできなかったのか」という思いが強く残っているそうです。
ココピアでは、「物品の片付けとともに依頼者の心の整理も担う」「故人の最後のお見送りをする」という意識のもと、すべての物品に目を通し、思い出を見逃さないようにしています。
孤立死の現場からは、様々な問題がみえてくるそうです。
参加者からは、現場のリアルな様子についての質問や「孤立死は他人事ではなく、自分も将来そうなるかもしれない」といった意見が出ました。
続いて、SDGs達成のための取り組みについての紹介がありました。
ココピアでは、就労支援事業所と連携して障がい者の方たちに整理・清掃・リユースの研修を行い、新たな仕事や雇用の創出につなげる活動や、遺品整理や生前整理の現場で出た衣類・物品を寄付したり販売したりする「リシンク」プロジェクトにも取り組んでいるそうです。また今後は、リメイク教室やセミナーの開催を予定しています。
「一人で死ぬ」ことが不幸や問題というわけではなく、亡くなったあと何日も発見されなかったり周囲の人々に迷惑をかけたりすることが問題なので、地域での見守りやコミュニティ形成が課題だというお話が印象的でした。
岡山ESD推進協議会(岡山市市民協働局市民協働部SDGs・ESD推進課内)
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