岡輝公民館
岡輝学区は、総合病院や中央図書館などの公共・医療の中心的施設が多く立ち並ぶ地域です。また、日本語学校に通う多くの外国人留学生が暮らしていることから、多国籍な交流も広がっています。
絆を深めて、住民同士が互いに協力し合い・助け合っていける環境づくりのために、この地域で育まれているESD活動を紹介します。
「防災会議」は岡輝公民館を拠点に、多文化共生や安全・安心なまちづくりをテーマに地域の消防団員が中心となって開催されている防災講座です。
地域の住民を対象に、地震・火事などの起こり得る災害に対する実践的な学びの場となっています。
地震体験車での地震体験、消火器・バケツリレーによる消火訓練、救命救急法の研修、消防署見学など、緊急時に正しく行動できるための防災活動・訓練を行っています。
災害が少ないと言われている岡山でも、いざという時に備えて住民同士が手を取り合い、防災・減災のために協力し合うことが重要です。
在住外国人向けに実施した「地震体験車・消火訓練」では、若い留学生と地域住民が一緒に地震への知識を深める活動を行いました。同じ地域の一員として、互いに顔を知り、普段から交流をしておくことも大切な防災活動です。
上記の動画のサムネイル画像、または以下のリンクから岡山市公式YouTubeチャンネルに移動し動画を視聴することができます。
消防署にはどのような設備があり、隊員たちが日々どのような訓練して私たちの生活を守ってくれているのかを、子どもたちにも知ってもらう機会として北消防署内見学を行いました。
北消防署(県内唯一の特別高度救助隊「ハイパーレスキューおかやま」を設置)
まず始めに、4階から6階にわたる屋内訓練室で引き上げ救助訓練を見学。
高さ7メートルの崖の下に傷病者を隊員たちがロープや担架を巧みに操りながら速やかに救助する様子に、子どもたちは息をのんで見入っていました。
救助の様子にくぎづけな子どもたち
次に、実際に隊員の方が使用している防火服を試着体験。
なんと、上下合わせると10kgほどの重さがあるそう!
そのあとは、お待ちかねの消防車見学。
クイズを交えながら、ポンプ車や大きな扇風機が付いたブロアー車の機能などを学びます。
普段なかなか間近で見ることのない消防車の仕組みや、現役消防隊員の話は子どもたちにとってとても興味深いものだったようです。
防火服を着用して消防士体験
消防隊員の話にしっかりメモを取る子どもたち
そして最後に消火訓練。
水が入った訓練用の消火器を使い、火に見立てたパネルを倒すことができれば消火成功。ゲーム感覚で消火器の使い方を学びました。
消火訓練の様子
消防団員のみなさん
小さい頃から防災の知識を持ってもらい、災害時に自分の身を守る行動がとれるようになってもらいたいと思っています。でも、子どもたちには難しいことを伝えるよりも、まず見てもらうことが大切だと思います。消防車を見て興味を持ってもらえたら、それだけでも一歩前進です。
この「防災会議」という講座を通して、地元の人だけではなく、この地域でともに生活をする外国人の方や子どもたちにも、防災に関する知識を持ってもらうとともに、国籍や年代を問わず交流を深めることで、いざという時に互いに協力し合える関係づくりができることを目指しています。
岡輝公民館 鳥越 知基さん、藤山 宙子さん
地震をあまり経験したことが無いのは、外国人だけでなく、気候が穏やかで災害が少ない岡山に住む地元の人たちも同じです。
だからこそ、いざ災害が起こった時に避難場所はどこにあるか、どう助け合えばいいかを身に付けるために、実践を重視した活動をしています。災害を防ぐことは困難かもしれませんが、減災できるように、消防団とともに住民の意識を高めていきたいと考えています。
実践的な経験で災害の知識を身に付けるんだね!