私たちノートルダム清心女子大学の学生10名は、2023年11月22日(水曜日)から24日(金曜日)の3日間、ドイツで開催された模擬国連世界大会(National Model United Nations / NMUN)に参加しました。模擬国連とは、参加学生が自国以外の各国の大使になりきって、国際課題について議論・交渉を重ね決議案を作成する活動です。
今大会も、昨年の神戸模擬国連世界大会に引き続き、令5年度岡山ESDプロジェクトユース活動支援助成金を活用しました。
NMUN・Germany 2023では、4つの議場が設置されました。私たちは、その内の3つの議場に、2人1組でメキシコとベトナムの大使として参加しました。各議場には、国際課題に関する議題が2つずつ用意されており、議論の中で優先議題を決定し、その解決策を話し合いました。
【議題】
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私たちは各議場に分かれて議論に参加したため、今大会で得ることのできた学びは同じものではありません。それぞれが各議場で、日本の大会とは異なるコミュニ―ケーションスタイルに戸惑ったり、多様なバックグラウンドを持つ学生と交流できることに喜びを感じたりと、様々な経験をすることができました。
また、実際の会議中だけではなく、会議前のリサーチを通して世界や担当国の現状について理解を深めることもできました。具体例として、国連環境総会(UNEA)に参加した私たちベトナム大使の経験を以下に共有します。
上記に記載のある通り、国連環境総会(UNEA)では気候変動や生物多様性の喪失、汚染に対抗するための多国間主義の促進について議論しました。事前リサーチによると、ベトナムは気候変動に脆弱な国の1つであり、それによって生物多様性が失われたり、輸出産業である農業部門が大きな打撃を受け、人々の生活にもダメージを与えていたりすることが問題となっています。それに加えて、ベトナムはバイク大国であり、都市開発も積極的に進められているため、温室効果ガスの排出量は今後も増加すると考えられています。そのため、環境にやさしいモビリティを促進するための技術・ロードマップの共有や、生態系を活かした気候変動適応策の必要性について会議で話し合いました。他国と議論を重ねることで、グローバルな状況を理解すると同時に、自国の立場を考えながらいかに多国間協力を行っていくかという課題について深く考えることができたように思います。これと同様に、今回の模擬国連世界大会を通して、他の議場に参加した学生も担当国や議題として取り上げられた国際課題に対する理解を深めることができたと確信しています。
ノートルダム清心女子大学における模擬国連の活動は、国際課題や国連についての理解を深めると同時に、議論を通して批判的・創造的思考を養い、将来の女性のリーダーとなれる力を身に付けることを目的の1つとしています。そのため、教育的な面が強く、地域のよりよい発展に貢献できる直接的な活動への結びつけが難しいことが課題の1つです。
私たちはこの課題を解決する方法を現在模索中です。その第一歩として、昨年の神戸模擬国連世界大会後、私たちはおかやまSDGsフェアに参加したり、岡山大学と行う岡山模擬国連大会の内容をグローバルではなく、ローカルなものにすることを提案したりしました。今後もそのようなイベントに参加すると同時に、模擬国連を通して得たSDGsに関する知識を地域の方々に共有する機会を自分たちでも作っていきたいと考えています。
また、来年度は、本校が日本英語模擬国連大会(Japan University English Model United Nations / JUEMUN)を主催し、全国から岡山に学生が集います。今回の世界大会での経験を活かして、今まで以上に深い議論を行うことができるよう準備を進めていきたいと思います。