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2024年度第5回ESDカフェ「誰もが自分らしく生きられる社会へ!岡山レインボーフェスタにかける思い」

[2024年10月1日]

ID:64899

誰もが自分らしく生きられる社会へ!岡山レインボーフェスタにかける思い

  • テーマ:誰もが自分らしく生きられる社会へ! 岡山レインボーフェスタにかける思い
  • 開催日時:2024年9月17日(火曜日)18時30分から20時
  • 開催場所:Wonderwall(岡山市北区駅前町1-8-18イコットニコット2階)およびオンライン(Zoom)
  • ゲストスピーカー:市川 明美さん ももにじ岡山 代表

近年、「LGBTQ※1」という言葉を見聞きする機会が増えました。同時に「多様性」という言葉もさまざまな場面で使われるようになっています。
今回のESDカフェでは、「どんな人も自分らしく、明るく、楽しく、逞しく」をモットーにLGBTQに関する啓発活動に取り組む市川明美さん(ももにじ岡山 代表)に、LGBTQを取り巻く現状や、岡山レインボーフェスタにかける思いを伺いました。
高校生や大学生の参加者も多く、質問も飛び交う充実した場になりました。この記事では、市川さんのお話の内容を中心にカフェの様子を紹介します。

※1 L:レズビアン(女性同性愛者)、G:ゲイ(男性同性愛者)、B:バイセクシュアル(両性愛者)、T:トランスジェンダー(心と体の不一致)、Q:クエスチョニング(自分の性のあり方がわからない)など

話を聞いている様子

ももにじ岡山のはじまり

LGBTQに関する啓発活動などに取り組み始めたきっかけは、同性パートナーシップ制度です。この制度によって、パートナーとの公営住宅への入居や、企業によっては生命保険の受取人になること、家族割の適用などが可能になります。
2015年に東京渋谷区・世田谷区で始まり、全国の自治体に広まっていきました。岡山市にも早い段階で制度の導入を提案しましたが、当初は当事者がいないのではとの話があり、当事者の存在の可視化が必要と感じました(※2)。
そうしたことから、誰もが自分らしく、誇りをもって生きられる社会の実現を目指して、2021年に中国地方初となるレインボーパレード「ももたろう岡山 虹の祭典2021レインボーパレード」を、多くの仲間と共に開催しました。
2022年からは「岡山レインボーフェスタ」と名付けて、レインボーフラッグ等を掲げながら街を歩くパレードのほかに、ステージイベントやブース出展など、誰もが楽しんで参加できるイベントとして年に一度の開催を続けています。LGBTQの当事者だけでなく、理解者や支援者も含めさまざまな人が参加し、2023年には500人規模になりました。

※2 岡山市では、2020年7月1日に「岡山市パートナーシップ宣誓制度」が開始、2024年9月からは様々な理由で法律上の婚姻関係を選択しない方にも寄り添う形を目指し、対象を異性パートナーにも拡充しました。

ももにじの集合写真

自分らしくいること

ジェンダー(社会的性差)は、 性別によって無意識に抱く役割や行動、考え方や見た目などのイメージのことです。「女は家事、男は外で仕事」といったものです。
そうした性別による役割の押し付け、性別によって不当な評価をされる経験は、誰にでもあるものかもしれません。不平等から生じる生きづらさを抱えている人もいます。

性別の概念があいまいで、固定観念や先入観がない幼少期は、好きなものを自由に選べる時期でもあります。
両親が家事を分担する姿を見せることや、性別にかかわらず好きな職業や服装を選べるように大人が声掛けすることで、子どもは自分らしくいられます。
私たちは誰かの友人で、同僚で、誰かの子どもで、親で、家族です。LGBTQか否かは関係なく、自分らしくいられる環境づくりに取り組むことが大切です。

話を聞いている様子

当事者を取り巻く現状

カミングアウトとアウティング

カミングアウトとは、自分のセクシュアリティ(性のあり方)を他人に話すことです。自分が伝えたい人にカミングアウトをするのは良いことですし、反対に無理にしなくても良いものです。
カミングアウトされた時の対応について質問されることがありますが、真摯に相手の話を聞き、あなたとの関係は変わらないことを伝えたら良いと答えています。大切なのは、カミングアウトした本人の了承を得ずにそのことを他の人に話さないことです。
他人のセクシュアリティを無断で他の人に話すことをアウティングと言います。アウティングされた大学生が自ら命を絶つ深刻な事態につながったケースもあります。2020年に施行されたパワハラ防止法では、アウティングの禁止が義務付けられています。

パートナーシップ制度

パートナーシップ制度は現在、80%以上の自治体で導入されています。岡山では13の自治体が制度を開始しており、現在は県内で60組を超える登録があります。広がりを見せるパートナーシップ制度ですが、婚姻とは異なり、遺族年金の受け取りなど法的な権利は得られないことが課題です。
ともあれ、パートナーシップ制度の存在は先述のような選択肢の広がりにつながり、当事者にとって生きる希望ともなっています。中学生の時に付き合っていた彼女から「女性同士だと大人になっても結婚できないからお付き合いをやめよう」と言われたことは人生で一番の挫折ですが、この制度があればみんなに認めてもらえたのかもしれない。今ではそう思います。
なお、現在は、同性婚に関する訴訟5件のうち4件で、同性間の結婚を認めないことは違憲との判決が出ています。課題となっている婚姻に関しても、今後前向きに進んでいくのではないかと思います。


広がる多様性の輪

企業の動向

岡山レインボーフェスタには多くの企業から支援をいただいています。
例えば、岡田商運はラッピングトラック「虹トラ岡山」をコロナ禍の2021年に制作されました。LGBTQの当事者だけではなく孤独感をもつすべての人に対する「ひとりじゃないよ」のメッセージでした。
岡山高島屋では、2022年からレインボーの懸垂幕を出しています。今年も9月4日から出してくださっていて感謝しています。2023年のレインボーフェスタでは、インスタ映えする清風庵製のレインボー団子が目玉でした。
このように、企業がLGBTQや多様性に関して取り組むことは、優秀な人材の確保、離職防止、労働生産性の向上、企業としての評価の向上などの効果があるとされています。

スライド:2021年中国地方初のレインボーパレードを行いました。
スライド:2022年第二回レインボーパレード

岡山レインボーフェスタ2024

セクシュアリティには、身体の性・心の性・好きになる性・表現する性といった要素がありますが、それはLGBTQ当事者に限ったことではなく、みんなに関係するものです。大きなイベントを開催すると、必ず批判的な声も聞こえてきますが、それも多様性のひとつです。当事者と非当事者の垣根を越えて、誰もが自分らしく、誇りをもって生きられる社会の実現を目指します。

今年のレインボーフェスタは、10月6日(日曜日)に下石井公園で開催します。テーマは「ハレバレ」。
10月5日(土曜日)の前夜祭では、レインボーにライトアップした岡山城「レインボーキャッスル」でシンポジウムを開催します。誰もが自分らしく働ける、安心して暮らせるまちづくりを考えます。
10月6日(日曜日)のフェスタ当日は飛び入り参加も可能です。10時から下石井公園で飲食ブースがオープン、11時からステージイベントが始まります。お昼ごろから歩き始めるパレードでは、桃太郎大通りや市役所筋を歩いて、下石井公園に戻ってきます。

晴れの国岡山で、空も心もハレバレ!と輝けますように!

ESDマンの画像



市川さんのお話と参加者のみなさんとのやり取りから、LGBTQ当事者であるかどうかよりも、その人がその人らしくいられることが何よりも大切なんだって気づいたよ。
その人らしくいられる環境って、私もみんなも、一緒につくっていくものなんだね!
岡山レインボーフェスタ、行ってみようかな~♪

リンク

お問い合わせ

岡山ESD推進協議会事務局(岡山市市民協働局市民協働部SDGs・ESD推進課内)
所在地:〒700-8544 岡山市北区大供一丁目1番1号
電話:086-803-1351・1354
ファクス:086-803-1777
電子メールアドレス:esd@city.okayama.lg.jp