[2026年10月6日]
ID:85979
テーマ:「『もしも』のために普段から。~一緒に話そう!防災・減災を考える90分~」
開催日時:2026年9月15日(火曜日)18時30分から20時
開催場所:岡山TONKAN(岡山市北区奉還町2丁目9-10)およびオンライン(Zoom)
ゲストスピーカー:おかやまバトン(岡山大学の被災地支援団体・部活)
豪雨や地震などの災害は、いつ自分の身に起こるか分かりません。今回のESDカフェでは、岡山大学の被災地支援団体「おかやまバトン」から学生メンバー5人をゲストに迎え、能登半島地震の被災地での活動について話を聞きました。さらに、クロスロードゲームを通して「防災・減災」について参加者同士で考え、災害が起きたときにどう行動するか、日頃から何ができるかを語り合いました。会場には16名、WEBでは6名が参加しました。
冒頭では、参加者それぞれが今回のイベントに参加したきっかけを紹介しました。「地域で外国人の方を対象にした防災イベントを企画している。」「以前からおかやまバトンの活動に関心があった。」「熊本地震を経験し、防災について知っておきたい。」など、参加者の関心や背景はさまざま。世代や立場を越えて、防災というテーマをきっかけに集まっていることがわかりました。
おかやまバトンは、東日本大震災をきっかけに2011年に設立された、岡山大学公認の被災地支援団体です。今年で15周年を迎え、現在合計39名の学生が参加しています。
これまで西日本豪雨の被災地、倉敷市真備町などでの災害ボランティアや、東北と岡山の子どもたちの交流、防災講座などさまざまな活動に取り組んできました。 小中学生向けの防災教室では、防災クイズやバケツリレーなど親子が一緒に楽しめる活動、新聞紙でつくった紙食器による災害時の食事の体験、担架リレーなどを行っています。
メンバーが活動を始めたきっかけも、それぞれに異なります。地域活性化やまちづくりへの関心から参加した人、地震を経験して防災について考えるようになった人、最初は防災への関心がそれほど高くなかったものの、活動を通して子どもたちの真剣に取り組む姿に触れ、次第にやりがいを感じるようになった人など、5人の言葉からは、活動を通して関心や学びが深まっていく様子が伝わってきました。そして今回の中心となったのが、能登半島地震の被災地でのボランティア活動の報告です。
おかやまバトンでは今夏、石川県珠洲市などを訪れ、子どもたちが遊べる「すずっこ広場」などでシール交換や水風船、縄跳びなどを一緒に楽しみました。被災地の子どもたちが元気に遊ぶ姿や、避難所となった公民館で子どもたち自身が「避難所新聞」を作るなど、困難な状況でも自分にできることを考え、行動する姿にも出会ったといいます。また、被災地を視察し、地震やその後の大雨による被害、復旧工事が続く道路、仮設住宅などを自分たちの目で確かめました。
活動したメンバーは、これらの経験を通して本質的な復興について深く考える機会を得たといいます。
ニュースなどで道路や電柱など、少しずつ元の姿に戻っていく様子を見て被災地のことをわかったように感じてきた。しかし、現地でのさまざまな人とのふれあいから、本質的に大切なのは「人と人とのつながり」だと学んだ。珠洲市の祖母宅に遊びに来ていた県外在住の子どもが、「知らない人とでもいっしょに遊べて楽しいからまた珠洲に来たい」と言っていた。また、被災者の方も「公民館でのつながりが助け合いにつながっていた」と教えてくれた。こういったあたたかな人と人とのつながりこそが、何かあった時に復興を支える力になるということだと思う。だからこそ、平時から地域の人同士がつながっておくことそのものが、防災なのではないか――そんな気づきが語られました。
後半は、参加者も一緒に「クロスロードゲーム」に挑戦しました。災害時に起こり得る状況を想定し、「あなたならどちらを選ぶ?」という二択について、グループで話し合います。大切なのは正解を当てることではなく、「なぜそう考えたのか」を互いに伝え、異なる立場や価値観に気づくことです。
最初の問いは、大地震と津波警報が発生した際、「家族を迎えに行く」か「まず高台へ避難する」か。参加者からは、「まず自分の命を守る」「家族とは事前に避難場所を決めておく」といった意見が出ました。
次の問いでは、避難所で携帯電話の充電が残り20%になったとき、「今すぐ充電する」か「より必要な人に譲る」かを考えました。ここでも、家族との連絡や情報収集のために充電を確保したいという意見と、より困っている人に譲りたいという意見の両方が出されました。
さらに、「避難所で水が不足する中、子どもがいる親子から『もう一本欲しい』と言われたらどうするか」という問いにも挑戦。参加者からは、公平性を保つために配布基準を守るという意見と、子どもの持病や緊急性などを考慮して追加で渡すという意見が出されました。どちらが正しいと簡単には決められない状況だからこそ、災害が起きる前から「自分ならどうするか」を考えておくことの大切さが浮かび上がりました。
最後には、家族との連絡方法や集合場所を決めておくこと、非常食や水などの備蓄、モバイルバッテリーの準備・点検、公衆電話の場所を確認しておくことなど、普段からできる具体的な備えについても意見が交わされました。
今回の90分を通して見えてきたのは、防災は特別な人だけが取り組むものではなく、日常の中で少しずつ準備できるものだということ。そして、備蓄や避難場所の確認だけでなく、普段から人と話し、つながっておくことも大切な「備え」の一つだということです。
参加者同士で意見を交わすことで、「自分だったらどうする?」を考えるきっかけにもなりました。今日話したことを家族や友人、地域の人とも共有することから、私たちの「もしも」に備える一歩を始めてみたいと思います。