今日は、平成28年度の予算についてお話を申し上げたいと思います。
昨年、私は総合計画を通してさまざまな市民の声を聞かせていただきました。市民の皆さんからは、岡山の経済をもっと強くしたい、中心市街地を活性化し、よりにぎわいのあるものにしていきたい、また岡山のブランド力を高めていく、そして発信力を高めていく、そういった声を多く聞いたわけであります。審議会では、これらの声も踏まえながら「静から動へ」というフレーズをいただき、これから岡山も躍動していこうということで整理をされたわけであります。私自身、市長になって2年有余過ぎておりますが、今、市民の皆さん方からいただいた思いと方向性は一にするところもあり、そういう面では今までのやってきたことっていうのは決して間違えてはなかったというように思うところでありますけれども、今回、28年度は総合計画の初年度でもあります。将来の岡山がより強く活発になっていく、躍動している岡山を見据えた28年度は第一歩としていきたいというように思っているところであります。したがいまして、今日、説明はこの資料を使わせていただきますが、28年度当初予算のポイントと、ここの最初に書かせていただいているのが特徴として、おかやま躍動予算と呼んでいるのはそのためであります。
まず当初予算の規模でありますが、一般会計ベースで2,843億円、前年度比5億の減ということでマイナスの0.2%、全体でいきますと5,497億ということで21億増、0.4%の増ということであります。今回、27年度の補正予算への前倒し分を大きくとっております。27億円とっているということで、それらを加えますと27年度に比べて16億円の増、0.6%の増となっているところであります。歳出の減の大きな部分っていうのは、(2)の下に出ておりますけれども、普通建設事業費、特に操車場跡地の用地の再取得が相当数終わったというところが大きく影響しているところであります。
それから、次のページをごらんいただきたいと思います。
基金残高の推移ですが、これは3月、年度末に不用が出たり、また決算を年度途中に出てくることもあって非常にわかりづらいところでありますけれども、最終的なものを見ていただければ、27年度当初残高234億6,800万が28年度当初残高見込み272億5,600万ということで、約38億円増えています。今回の予算で56億円取り崩しますけれども、当初の残高比較においては40億弱増えているということであります。
市債残高について見ていただいても、28年当初、この左側の表を見ていただければ元金償還金と、これは全体を見ていくとこの臨財債が入っているので非常にちょっとわかりにくくなっています。臨財債はご存じのように100%交付税算入のものでございますので、それを取り除いて見ていただいたほうがいいと思います。これが、括弧書きが、通常の起債でございます。28年当初で見ると、元金償還金が188億、それに対して借入額が177億ということで、借り入れのほうが小さくなっております。したがって、28から27のマイナスをした部分、当初残高っていうのがマイナスの10億7,800万減というふうになっているところであります。そういう面で、起債についてもできるだけ小さくするように配慮させていただいたところであります。
右の棒グラフを見ていただきますとわかりますが、これ最後のところが平成18年から平成28年まで出ておりますけれども、平成27、28は両方とも当初でございます。決算の状況が出ておりませんので、これは単純に比較はできません。しかしながら、全体の傾向を見ていただければおわかりになりますように、臨財債を除いていくと右肩下がりということになると思います。こういうちょっと全体像を見ていただきますと、28年度は健全な財政は確保できたというように私としては思っているところであります。
次に、主な施策、事業でございます。
この(1)、(2)、(3)っていうのは、今回の総合計画長期構想に基づく大きな柱に沿った形で整理をさせていただいております。
この経済交流部門っていうのは、そういう地方創生という議論もございます。そういう経済の岡山の強さというものを示していく部分でもあるわけであります。産業振興、観光振興、広域連携、それぞれここへ書いているような施策を講じさせていただいております。交通ネットワークでは路面電車、LRT。路面電車は昨年、平面乗り入れの案を提起させていただきました。来年度はその調査研究を進めるとともに、駅前広場のあり方について議論をしていきたいというように思っております。これらについては地元の皆さんと一緒になって議論をさせていただければというように思っているところであります。LRTについても、今後さらなる検討を進めてまいりたいと思っております。
ここの中には額的に小さいので余り書いておりませんけれども、新しい文化芸術施設っていいますか、新市民会館も基本計画という形で整理をさせていただき、これらが一つ今、芽が出ているところではございます。これらを花を開かせて、岡山の躍動というものをより実効あらしめたいというように思っております。特に来年度は、この文化、芸術によるにぎわいの創出という点に大きな岡山として一つ発信できるものができたんではないかと、整理できたんではないかというように思っております。これは見ていただけるとわかりますけれども、現代アート、岡山アートサミット2016が10月9日から11月27日まで行われます。世界的な芸術家を招聘する、17カ国28作家の作品が集結している、コンパクトな中で本物の芸術、現代アートに触れていただく。そして、こちらのおかやま国際音楽祭2016でありますが、これもちょうど10年の集大成のときであります。吉備津神社など地域資源を活用したコンサート、これを複数の会場で開催していく。また、市民みずから参加していく、例えば企画運営する野外コンサートだとか街角で演奏するステージを開催するとか、こういったものをあわせて文化、芸術でつながる人とまちを体現できればというように思っているところではございます。
あわせて、ちょっといろいろなものを出して申しわけないですけど、この当初予算案の概要の16ページを、今申し上げた岡山芸術交流、そしておかやま音楽祭っていうのが一番上に10月、11月のとこに出ておりますけれども、まち歩き、にぎわいということでさまざまなものの実施を予定しております。回遊性の向上ということで、県庁通りの回遊性向上社会実験も行います。こういったことを行いながら、また昨年大成功であったというおかやまマラソンも第2回目を行うわけであります。それとともに、この一番下にコンベンションと書いておりますが、これは岡山市が関与するものとしても非常に大きなコンベンションが幾つも今回実施をいたします。10月6、7で全国の都市問題会議、昨年は長野市で開かれましたけどれも、今年は岡山で全国から多くの市役所の幹部、そして市議会の幹部の方々が来られることになるというように思っております。また、日中韓の3カ国地方政府交流会議も岡山で実施をいたします。介護保険推進全国サミットも実施される等々、大きなコンベンションがこの秋に集中しております。我々としては、こういった岡山に来られた方も是非、岡山アートサミット、そして音楽祭等々にも参加していただけるような、そういう仕組みを考えていきたいないうように思います。
次に、子育て、教育であります。
この子育てで、何といっても保育の受け入れがままならないっていうところが現実にあることは事実であります。そういう面で、働くお母さんたちを何とかやっぱりサポートしていくっていうのは、私は市役所としての責任だろうというように思っております。今日はそういう面で今の現状をちょっと赤裸々にペーパーにまとめているんで、ごらんをいただければと思います。
こういう3枚の紙、一番上に躍動する岡山っていうペーパーを、こういうのがあります。未入園児童、待機児童解消に向けた対応ということであります。
現状ということで出ておりますけれども、平成25年4月1日から平成28年4月1日まで時を追って時系列的に整理をさせていただいておりますが、最も新しいもの、平成27年10月1日のところを見ていただければ、これは未入園児童、願書を、入園の申し込みをした人と実際入った人、この差を未入園児童と呼んでおりますけれども、1,090人の方が入れない状況になっております。この待機児童っていうと、これ例えば求職中のお母さんで職を探しながらお子さんを保育所に入れたいというような場合には、これは待機児童という定義の中に入るわけですが、これが128人という状況になっております。待機児童の解消はもちろんのこと、未入園児童をできるだけ早期に我々としては解消していきたいというように思っております。入園申込児童数というのを見ていただきたいんですけれども、平成27年10月1日が1万6,177、それに対して28年4月1日が1万6,300ということで、123人また増えております。こういったことを考えてみると、今どれだけ未入園児童が出てるのかっていうと、1,090人プラス123になる。しかしながら、平成28年4月1日のこの表の一番上に527の増って出てますよね。これは来年度、要するに28年4月1日に我々として今年度いろいろと動いた結果、527の定員増を行うことができているわけです。したがって、今の4月1日時点での見込みでいきますと、1,090プラス123、そしてマイナス527で686、これが未入園児童ということに見込みとしてなるだろうと。この中に待機児童がどれだけかっていうのは、現段階でははっきりしません。このじゃあ686を早期に解消していかなきゃいかんということになるわけであります。28年度整備ということで、これ括弧書きは、黒字で書いているのは確定値でありますが、377は確保できると。しかしながら、青字の部分が703というふうになっております。これはまだ未調整のものでありますが、できるだけ我々は青字に近づけて対応していきたい、そして未入園児童、そして待機児童の解消に努めていきたいというような思いを持っているということで、今日、せっかくの機会でもありますからご説明を申し上げたということであります。
それから、ちょっと教育の問題を説明させていただきたいと思います。
総合教育会議などで随分、学力の問題は議論しました。全国レベルに比べても決して岡山の場合よくありません。そのよくない原因っていいますか、よくないっていうのは一体どういうことなんだろうということを幾つか分析をしているわけでありますけれども、その中にこの課題となっていますが、無解答率っていうのが高いんです、何も書かないっていう。特に、記述式になると放棄してしまう。こういった課題に対処するためには、やっぱり岡山市独自でそれらの課題を解消するような試験問題をつくり、そして子供たちに受けていただく、なおその試験問題も先生がつくる、先生自身のスキルアップも考えてもらうというようなことをここでは整理をさせていただこうというように思います。ちなみに、これ準備期間もあるっていうことで、当初は平成29年度からやろうかという話がございました。しかしながら、もう全てがやれないかもしれないけれども、28年度からも具体的に動いてみようじゃないかということで、平成28年は算数、小学校4年、5年、また数学、中学校2年でプレ実施をすることにしたわけであります。
それからあとは、学生支援ボランティア、次のページ、これは最大のポイントは何かっていうと、今、学力が十分じゃないっていう話を申し上げましたけれども、やっぱり問題行動っていうのも非常に多いんです。これ皆さん数字でよくご存じだと思います。随分よくなってはきてはいますけれども、それにしてもよくない。ということで、学生に、具体に学校に支援ボランティアとして入ってもらう。システム的に入ってもらって、今までにはない、重点事項の下のここが新しいっていうとこへ書いてますが、これのポイントは何かっていうと、授業そのものに学生が参加をしていただく、それから問題行動そのものに、ここへ書いてますけれど、一緒に遊ぶ、悩みを聞く、先輩として相談に乗る。先生っていうのは大学を卒業した人たちであります。当然ながら、定年までいけば60歳ぐらいまでいるわけでありますが、ここでの大学生は18歳から20代前半が基本であります。したがって、小学生、中学生にとってみればいいお兄ちゃんであり、いいお姉ちゃんであると。そういった人には話もしやすいだろうし、わからないことも聞けるんじゃないかということを本格的にやっていこうっていうのがこれであります。
それからあとは、健康、福祉、これは健康寿命の話、今日は午後に生涯現役サポートのシンポジウムを行いますけれども、3つの要素、一つは運動、一つは生きがい、3つ目が食生活、そのほかにもありますけれども、やっぱりそれが3大キーワードじゃないかということで、運動、生きがいも今行ってます。今回は食生活にも対応していくということを整理させていただきました。
以上が大きく見ると今の岡山躍動のための第一歩の施策でありますが、もちろんこの施策についても随分、議会からも議論をさせていただいてます。ただ、特に議会からの要請っていうのが非常に強かったものとして、有害鳥獣対策と用水路等の安全対策というものがございます。今日の山陽新聞の社説にも用水路の安全対策が出ておりましたけれども、そういう面ではこの2点については特に従来にも増した対応を構築していこうというようにしております。有害鳥獣対策は8,800万、これは昨年が3,500万だったんで、約2.5倍に伸ばしております。それから、用水路の安全対策といえば今までもやってたわけですけれども、緊急に点検して改良していこうっていうこの項目自身は新しい項目であります。2億3,700万は、今回新しく整理させていただいてつけさせていただいたものであります。
以上、予算についてお話を申し上げました。
この予算の説明とは別になりますけれども、もう一つ資料をお配りしていると思います。「桃太郎のまち健康推進応援団」の募集であります。
先ほど申し上げましたように、健康寿命の延伸は運動、生きがい、食生活などの分野で取り組みを進めていかなければならないと思っているわけでありますが、今後、より多くの市民の方々が健康づくりに取り組んでいただけるよう機運を高めていく必要があると考えております。このようなことから、現在取り組んでいる愛育委員や栄養委員の方々を中心とした地域に密着した健康づくり活動などに加えて、企業やNPOなど民間事業者の方々と連携しながら健康づくりを進めていけたらなあと考えております。これまで一部の民間事業者からも連携の申し出をいただいているところでございます。このたび「桃太郎のまち健康推進応援団」と銘打って、市と一緒になって健康寿命の延伸事業に取り組んでいただける企業等を募集していきたいと考えております。具体的には、お配りした資料の中ほどに例示しておりますが、従業員への取り組みに加えて健康寿命の延伸に向けて市が取り組むテーマなどについてさまざまな形で協力していただく場合に、健康推進応援団として登録を行うということを考えております。応援団として登録された場合には登録証を交付し、市のホームページでの周知やイベントのチラシに社名を掲載するなど、お配りした資料の下側、「応援団に登録されると」の枠内に記載してある5つを予定しています。この桃太郎のまち健康推進応援団事業を通じてこれまでとは違った角度からアプローチすることで、市内全域で健康に対する意識が高まり、健康づくりの取り組みが各地域で一層活発化することを期待しております。募集開始は2月25日を予定しておりますが、多くの民間事業者の方にご参加いただきたいと思いますので、報道機関の皆さん、よろしくお願いいたします。
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