平成24年度の当初予算並びに関係諸議案のご審議をお願いするに当たり,市政運営に関する所信を申し上げ,市民並びに市議会の皆様方にご理解とご協力を賜りたいと存じます。
はじめに,国内外の情勢を見ますと,未曾有の国難とも言うべき大災害となった昨年3月11日の東日本大震災の発生から間もなく1年を迎えようとしております。
1月24日に開会した第180通常国会の施政方針演説において野田首相は大震災からの復旧・復興,原発事故との戦い,日本経済の再生を優先課題として掲げ,2月10日には被災地復興の司令塔となる復興庁が発足したところですが,いまだに震災の爪跡は各地に残り,避難生活を余儀なくされている方も多数おられるなど,復興に向けた道のりはまだ始まったばかりであり,一日も早い復興を切に願っております。本市といたしましても,引き続き,被災地への息の長い支援を行ってまいりたいと考えております。
次に,行財政改革の取組について申し上げます。
私は,市長就任以来,一貫して行財政改革を強力に推進し,これまで達成した財政効果額は333億円にのぼります。特に,平成23年度の行財政改革の取組においては,定員及び人事管理の適正化や民間活力の積極的活用,負担金等の見直し,未利用地の売却等により,16億円の財政効果を実現し,平成24年度当初予算に反映させたところです。これまでの改革の成果により,これから先,都市ビジョンに沿ったまちづくりのための政策を力強く推進していくための足腰の強化は,徐々にではありますができつつあると考えております。
しかしながら,依然先行き不透明な経済・雇用情勢により税収の落ち込みが危惧される一方,生活保護費をはじめとする福祉関係経費の一層の増加が見込まれるとともに,市民の生命・財産を守るための防災対策の強化や厳しい都市間競争の中で本市の強みをいかしたまちづくりを進める必要があることなどを考えると,今後も厳しい財政運営を余儀なくされると想定されます。
このため,引き続き行財政改革を市政の最重要課題と位置づけ,全庁一丸となって精力的に取り組んでいくことにより,必要な市民サービスを安定的に確保するとともに,本市の発展につながるまちづくりを都市ビジョンに沿って着実に推進してまいりたいと考えております。
続いて,平成24年度当初予算の概要について申し上げます。
一般会計の予算額は,2,553億円となり,平成23年度当初予算額と比較いたしますと,2億円,率にして0.1%の減となっております。
歳入では,市税収入が固定資産税の評価替えなどにより8億円の減,また,国,県からの支出金が,子ども手当等の減などにより,20億円の減と見込む一方で,臨時財政対策債を含む実質的な地方交付税は23億円の増を見込んでいます。また,歳出では,生活保護費等の扶助費が5億円の増と見込んでいます。
厳しい状況の中ではありますが,先程申し上げた行財政改革も含め,様々な工夫を凝らしたことにより,財源調整のための基金を取り崩すことなく,必要な事業費を確保しました。
本予算の編成に当たりましては,防災対策や福祉施策など,市民の生命,健康,安全を守るための取組,環境先進都市の実現に向けた取組,政令指定都市にふさわしい活力とにぎわいの創出に向けた取組などに重点を置いたところであり,新年度は,この予算に基づき,市民の皆様と協働して都市ビジョンに掲げる都市像の実現をめざしてまいります。
それでは,都市ビジョンの七つの柱に沿って主な事業をご説明申し上げます。
一つ目の「多様で豊かな環境をいかす」では,市民協働で持続可能な社会の実現に貢献する環境先進都市をめざします。
まず,環境先進都市の実現に向けて,平成26年に本市で開催される国連ESDの10年最終年会合の成功に向けた取組を進めます。
その一環として,誘致実現に多大なご尽力をいただいた「ESDの10年最終年会合岡山開催を実現する会」を母体として,産学官や市民団体の連携による新たな準備組織を近日中にも立ち上げ,最終年会合の開催・運営及び受入・歓迎のための体制づくりを進めるとともに,各種会議や参加者の拡大に向けてさらに積極的な活動を展開します。
特に,新年度はユネスコアジア文化センター等と連携して,アジア地域のESD関係者を対象とするプレ国際会議を開催し,ESDに関する国際交流の一層の促進を図るとともに,ESD活動支援サイトの拡充を図り,国内外への情報発信を強化します。
また,ESDウィークなどの市民啓発イベントの開催,小・中学校のユネスコスクールへの加盟拡大,公民館における地域ESD活動推進事業の拡充など,市民の主体的なESD活動がさらに大きく広がり,地域に根付いていくよう支援し,最終年会合に向けて全市的な盛り上げを図ってまいります。
さらに,庁内における推進体制を強化するため,新年度は,市長直属の組織としてESD最終年会合準備室を設置することとしており,官民一体となって「環境先進都市・岡山」を全世界にアピールし,国際的なコンベンション都市としての都市格向上をめざしてまいりたいと考えております。
次に,地球温暖化対策につきましては,東京電力福島第一原子力発電所の事故以降,一段と関心が高まっている再生可能エネルギーの有効活用に向け,晴れの日が多いという本市の地域特性をいかして,市域全体が「ソーラー発電所」となるよう,住宅用太陽光発電システム導入への積極的な支援を行うとともに,山上最終処分場跡地へのメガソーラー設置に向けた調査検討や市有施設への計画的・効果的な太陽光発電システムの導入を進めてまいります。
また,住宅,事業所等への省エネルギー設備の導入や市内全ての防犯灯のLED化などの省エネルギーの推進,電気自動車等の普及促進とともに,地域単位でエネルギーを効率的に利用・管理する仕組みであるスマートコミュニティの導入のための調査・研究を行います。
また,家庭ごみ有料化の効果により,1人1日当たりのごみ排出量が政令指定都市の中でもトップクラスの少なさになったことを踏まえ,新たな目標値を掲げ,市民協働で一層の減量をめざす考えであります。
あわせて,資源化率向上のため,焼却残さのセメント原料化事業や西部リサイクルプラザ施設整備にも鋭意取り組みます。
二つ目の「街と田園のかたちを明確にする」では,都市機能の一層の集積を図るとともに,歴史や伝統をいかした魅力ある都市づくりを進めます。また,災害に強い安全・安心な都市づくりを進めるとともに,人と環境にやさしい交通体系の構築をめざします。
まず,城下町固有の歴史,文化,伝統をいかした風格と魅力あふれるまちづくりを進めてまいりたいと考えております。
このため,現在策定中の都心創生まちづくり構想について,「歴史文化資産の掘り起こしと伝承」「カルチャーゾーンの魅力づくり」「新たな市民文化の創造」という3つの視点から引き続き検討を進め,市民の皆様のご意見をお伺いしながら,できるだけ早い時期に取りまとめてまいりたいと考えております。
また,政令指定都市としての強みもいかし,まちなかのにぎわい創出に向けた取組を積極的に推進してまいります。
その一環として,中心市街地重点整備エリアにおいて,医療・介護施設を併設した高齢者向け賃貸住宅の建設をモデル的に支援しており,今年度初めて認定した内山下一丁目の事業については,来年2月頃,完成する見通しとなっております。市としても,事業地区周辺の歩道等のバリアフリー化等の支援を行うとともに,引き続き,新たなモデル事業の募集を行い,計画的に供給戸数を増やしてまいります。
また,中山下一丁目1番地区の市街地再開発事業を支援するとともに,地元が主体となったまちづくりの機運を醸成するため,都心まちおこし支援事業を実施します。
さらに,都心部の貴重な水と緑の空間である西川緑道公園周辺の魅力向上に向けて,大学生をはじめとする若者や地域の方々との連携を強め,周辺地域と一体となった魅力的な事業の定期開催化をめざすなど,西川緑道公園を中心としたにぎわいの創出を図ります。
なお,長年の懸案であった旧深柢小学校跡地につきましては,先般,学校法人川崎学園との間で定期借地契約を締結したところです。新病院の早期開設により,地域住民の安全・安心な暮らしを支え,中心市街地の活性化にも寄与することを期待しております。
次に,岡山操車場跡地につきましては,「人々が関わることで育まれる都市の森」をコンセプトとする基本構想を踏まえ,跡地全体を「庭園都市」のシンボルとなる緑豊かな空間とし,市民の安全・安心な暮らしを支える「健康・医療・福祉」や「交流・防災」,「生活支援」などの機能を導入することとしております。
こうした方向性のもとで,現在,基本計画の策定作業を進めているところであり,できるだけ早い時期にその素案を皆様にお示しし,広くご意見をお伺いしながら事業化に向けて着実に進めてまいりたいと考えております。
次に,本市に甚大な被害をもたらすおそれの高い東海・東南海・南海の三連動地震をはじめとする様々な災害に備えるため,昨年の東日本大震災や本市における台風被害等も踏まえて防災対策を強化し,市民の生命や財産などをしっかりと守るための取組を進めます。
その一環として,国の被害想定の見直しを受けて岡山市地域防災計画を改訂するとともに,災害時要援護者の避難支援計画を策定するなど,防災対策の指針の整備を進めます。
また,重大な危機や災害への即応体制の強化に向けて,大規模災害等にも対応できる新しい消防緊急通信指令施設を,本年4月に運用開始するとともに,保健福祉会館内への常設の災害対策本部施設の整備,東消防署・東区役所等の一体的整備を推進し,さらに整備中の南区役所に一時避難所機能を付加するなど,防災・消防救急拠点の整備を進めます。
また,津波被害が想定される沿岸部の学校等への同報系防災行政無線の整備等を進めるほか,災害時の情報を一元的に管理するためのシステムを導入するなど,緊急時の情報の収集・伝達体制を整備します。
さらに,市民が主体的に防災対策に取り組めるよう,被害想定の見直しを受けてハザードマップを改訂し,その内容を盛り込んだ防災対策の総合ガイドブックを全戸に配布します。さらに,防災啓発冊子を作成し,各小学校区で地域説明会を開催するほか,海抜表示プレートや避難所へのシンボルマークの設置を進めます。また,災害用備蓄物資等の配備を拡充するなど,災害に対する地域の備えを強化するとともに,子どもたちの防災教育の充実に向けて子ども防災能力アップ事業,防災キャンプ推進事業等を実施します。
耐震化の重要性が高まる中,市有施設については,市有施設耐震化方針に基づき,重要性,緊急性の高い施設から優先的に取り組むこととし,新年度は幼稚園,保育園,小・中学校の園・校舎で耐震診断を完了させるとともに,耐震改修・改築を進めます。あわせて,木造住宅の耐震診断及び耐震改修に対する補助を拡充するなど住宅の耐震化を積極的に推進します。
また,浸水や高潮の被害から市民の生命や財産を守るため,河川改修,ポンプ場の整備,護岸改良等を進めるなど,安全な都市基盤の整備を推進するとともに,民間のデータセンターを活用し,本市の業務の継続に資するよう,大規模災害等においても重要な情報システムやデータを守ります。
次に,交通政策につきましては,公共交通を中心とする人と環境にやさしい総合交通システムの構築をめざし,都市交通戦略に基づく施策を積極的に推進します。
特に,バス利用の促進に向けては,商工会議所との間で組織しているおかやま都市交通戦略連携会議がとりまとめた「バス利用促進に向けた行動計画」にバス事業者の合意も得られたことから,新年度は,この計画に基づき,岡山駅における東口バス乗り場の再編成やデジタルサイネージの設置,バス路線の渋滞交差点の解消など,総合的なバス利用の利便性向上に取り組みます。
このほか,公共交通の利用を促進するため,鉄道駅の交通結節機能の強化や吉備線LRT化計画の具体化に向けた取組などを鋭意進めてまいります。
また,本市の気候や地形に適した自転車利用を拡大するため,都心部における自転車走行環境の整備や,コミュニティサイクルの本格導入に向けた取組,岡山駅周辺への有料簡易駐輪施設の設置等を進め,自転車先進都市の実現をめざします。
また,道路整備につきましては,引き続き,外環状線,中環状線をはじめ都市の骨格となる幹線道路の整備を推進するとともに,生活者の視点に立った人と環境にやさしい道路づくりを進める暮らしの道づくり事業を推進するなど,生活道路の整備についても着実に進めてまいります。
三つ目の「安心していきいきと暮らせる岡山型福祉を組み立てる」では,地域医療ネットワークの確立や保健・医療・福祉分野の連携機能の強化に取り組むとともに,地域での健康づくり,介護予防や子育て支援体制の充実を図ります。
まず,(仮称)岡山総合医療センターの整備につきましては,現在,基本設計をお示ししており,引き続き平成27年度の開設に向けて実施設計を進め,新年度中に着工したいと考えております。
整備に当たっては,ERを中心とした救急医療の実施に必要な高い機能性や,災害時の医療拠点にふさわしい安全性を確保するとともに,岡山操車場跡地に建つ新たなシンボルとして地域に調和する病院をめざすこととしております。
また,同センターにふさわしい病院の経営形態について様々な角度から検討を重ねた結果,機動性・弾力性が高く自律的な経営が可能な地方独立行政法人による運営が最も望ましいと考えられることから,市民病院及びせのお病院の経営形態を非公務員型の地方独立行政法人とし,平成26年4月を目途に移行するための準備を進めてまいります。
さらに,同センターは保健・医療・福祉の連携や,相談,研修の機能を担うこととしており,この機能を導入するための先駆けとなる取組を進めてまいります。
具体的には,現在,岡山大学や市内主要病院と連携して,今後の医療機関等の連携協力の推進方策等について検討を進めているところですが,これに加えて,新年度からは地域ごとに保健・医療・介護・福祉関係者が集まる場を設け,顔の見える関係づくりを進めるとともに,訪問診療に積極的に取り組む診療所を増やしていくための支援等を実施し,市民の皆様が安心して保健・医療・福祉サービスを受けられるまちづくりを進めてまいりたいと考えております。
次に,高齢者福祉につきましては,高齢者ができる限り自宅で自立した日常生活を継続できるよう,岡山市ふれあい公社に新たに介護予防センターを開設し,介護予防の取組を強化します。その一環として,要支援・要介護状態になるおそれがある対象者の把握を進めるとともに,理学療法士や作業療法士などの専門職員による訪問指導を行い,地域包括支援センターに配置した介護予防指導員と連携して,一人ひとりの介護リスクに的確に対応するように努めます。
次に,健康づくりの推進につきましては,地域ぐるみで健康づくりを進める指針として新・健康市民おかやま21(仮称)を策定します。
また,国民健康保険の医療費等の分析結果を踏まえ,医療が長期化する高血圧・糖尿病・慢性腎臓病等の慢性疾患の予防や,地域の健康課題に応じた取組等を実施することにより,市民の健康増進と国保医療費の抑制を図ります。
次に,子育て支援につきましては,家事・育児の支援を求めている産前・産後の世帯に対して,子育て支援に意欲的なシルバー世代の支援者を派遣する事業を新たに実施するほか,病気または病気回復期の児童の一時預かりの実施施設を拡充するなど,支援の充実を図ります。
また,先天性代謝異常症等の早期発見のため,新生児の検査にタンデムマス法を導入し,早期治療につなげてまいります。
さらに,心身障害者及びひとり親家庭等に対する医療費助成について,自己負担限度額を半額に軽減する措置を低所得者以外の世帯にも拡大するとともに,身体障害者手帳3級所持者を新たに助成対象とします。
四つ目の「自立し自己実現できる人間力を育てる」では,子どもたちの豊かな心を育むとともに,安全で快適な教育環境づくりを進めます。
まず,子どもたちの豊かな心を育成するため,引き続き,はぐくむ心・あったかハート事業を実施し,豊かな人間関係づくりを学ぶ機会や体験学習等の充実を図ります。また,学力に関する課題解決に向けて,幼児教育から中等教育までの学びを連続させる一貫教育の推進に中学校区単位で取り組む「中学校区ではぐくむ!学力アップ事業」を積極的に進め,学力の向上を図ります。
次に,「ストップ・ザ学校問題-学びの場充実事業-」として,不登校児童生徒支援員等の配置を拡充します。また,新たにモデル中学校において落ち着いて授業を受けられる環境づくりの実践研究を行い,生徒のいじめ,不登校,問題行動等の未然防止を図るほか,弁護士,臨床心理士,警察OBなどの専門家によるサポートチームを新設し,学校だけで解決することが困難な事例の早期解決を図ります。
五つ目の「市民力で新しい岡山をつくる」では,住民による主体的な地域づくりを進め,安全に安心して住み続けられる地域社会の実現をめざします。
昨年の東日本大震災や台風12号等による市内での浸水被害等を契機として,「自分たちのまちは自分たちで守る」という共助の意識が高まってきており,安全・安心ネットワーク活動の重要性は一層増してきております。
こうした中で,昨年8月に安全・安心ネットワーク連絡協議会の中に防災専門部会が設置されたところであり,同部会や各種地域団体等との連携を深めながら,安全で安心して暮らすことのできる地域社会の実現をめざしたいと考えております。
また,一人暮らし高齢者等の見守り等を行う地域保健福祉のモデル事業を引き続き推進するとともに,モデル事業実施地区の公民館への地域担当職員の配置を順次進めるなど,安全・安心ネットワーク活動を積極的に支援します。
次に,生活安全の確保に向けた取組として,市民生活に多大な脅威を与えている暴力団の排除を総合的かつ計画的に推進することとし,今議会に関係議案をお諮りしております。
また,町内会が主体となって防犯灯設置を進める中で,集落間の通学路につきましては,市が防犯灯を設置することにより,夜間の通行の安全・安心を確保します。
次に,昨年2月に岡山商工会議所青年部から提言をいただいた,「岡山市民の日」につきましては,各方面の意見も踏まえ検討した結果,6月1日が最もふさわしいと考えており,本年度中に制定し,郷土・岡山への理解と関心を深め,愛着と誇りを育むための日として,広く市民への周知を図ってまいりたいと考えております。
次に,区政推進の拠点となる区役所の整備を進めます。
具体的には,平成26年度の早い時期の開設に向けて,南区役所の整備を進めるとともに,平成26年度中に東区役所を東消防署等と一体的にカネボウ跡地に整備するための取組を進めます。また,中区役所につきましては,現施設を取得する場合の条件について相手方と協議を進めることとしております。
また,インターネットで岡山の行政・民間の情報を一度に見ることのできるポータルサイトを構築し,継続的に運営できる仕組みをつくる「みんなで集める情報たから箱事業」について,子育て支援サイト「こそだてぽけっと」の充実を図るとともに,観光情報の発信,ESD活動・環境先進都市のPRをテーマにしたポータルサイトを新たに構築します。
六つ目の「岡山の強みをいかした産業を広げる」では,戦略的な産業振興やコンベンション機能の強化に取り組むとともに,岡山の強みである農業の振興を図り,安全・安心な食の供給をめざします。
産業振興の面では,産業振興ビジョンに基づき,地域の強みをいかした底力と競争力ある産業の集積を図り,地域経済の持続的な発展をめざします。
特に,企業立地の促進については,今年度は都市型サービス産業の立地を促進する助成制度を創設するなど積極的な誘致活動に取り組み,データセンターや食品工場など新たに6社の誘致を実現したところであり,新年度も引き続き,都市型サービス産業をはじめとした企業誘致活動を精力的に推進し,雇用の創出と地域経済の活性化を図ります。
また,本市の強みである医療,健康・福祉分野の機能集積をいかし,介護機器等の開発を促進するため,産学官連携による調査・研究を行うとともに,市内中小企業の振興に向けて研究開発への助成制度を拡充し,独自の優れた技術を持つ企業を育成するなど,戦略的な産業振興を図ります。
さらに,市内中小企業がフェイスブック等を使って企業情報サイトを作成・運用することを支援し,岡山の企業の情報発信力を高めるとともに,学生等求職者の市内企業への就職を促進します。
次に,コンベンション誘致に関しましては,人・もの・情報の交流や集積を図るため,引き続き,戦略的な誘致施策の展開とともに参加者ニーズをとらえたきめ細かい開催支援等に努めます。
また,先程も申し上げましたように国連ESDの10年最終年会合の成功に向けた取組を推進し,コンベンションシティとしての都市格向上をめざします。
農業振興につきましては,魅力ある農業を展開していくために,引き続き,農業振興ビジョンに基づき地産地消の推進や,新規就農者の確保・育成に向けた取組等を実施し,活力ある農業の振興と消費者にとって安全で安心な食の供給をめざします。
七つ目の「文化力で岡山の誇りを高める」では,プロスポーツを岡山のシンボルに育てる取組や文化振興を通じて本市の魅力を高めるとともに,シティプロモーション等を積極的に推進し,市内外への情報発信力を強化します。
まず,市のイメージアップや地域活性化に大きな役割を果たしているファジアーノ岡山への支援として,岡東浄化センターの一部用地にファジアーノ岡山の練習拠点ともなるサッカー場の整備を進め,新年度中の完成をめざします。
次に,文化面では,市民が地域への愛着をもって,いきいきと暮らせる文化都市の実現をめざす岡山市文化芸術振興ビジョンのもとで,総合的な文化芸術振興を図ってまいります。
このため,おかやま文化芸術振興事業において,岡山市芸術祭の50周年記念事業を展開するなど,市民が文化芸術に親しむことができる機会を拡大します。
また,おかやま国際音楽祭2012では岡山発の多彩なプログラムを展開し,市民や観光客の皆様に気軽に足を運んでいただける,にぎわいのある音楽フェスティバルとして,内外に発信してまいります。
次に,シティプロモーションにつきましては,引き続き,首都圏において関係業者及び一般客を対象とするPR事業を実施するとともに,海外では友好交流締結10周年の節目を迎える韓国・富川市との絆もいかした韓国でのプロモーションなど,東アジア諸都市でのプロモーションに取り組みます。
また,今後開催される瀬戸内国際芸術祭や国連ESDの10年最終年会合の開催も念頭におきながら,岡山駅等を活用した情報発信やインターネットを活用した官民協働での情報発信等に取り組むとともに,外国人観光客の受入環境の向上に努めるなど,訪れる人をおもてなしの心でお迎えする体制の整備に取り組みます。
続きまして,その他の議案の主なものについて申し上げます。
まず,甲第22号議案は,先程申し上げたESD最終年会合準備室を設置するほか,企画局を政策局へ名称変更し,秘書広報室を政策局へ統合する等のものです。
甲第23号議案は,特定非営利活動促進法の一部改正に伴い,本市が行うこととなるNPO法人の設立認証等の事務に必要な手続等を定めるものです。
甲第27号議案は,地方税法の一部改正等に伴い,個人市民税均等割の引上げ等を行うため,岡山市市税条例の一部を改正するものです。
甲第35号議案は,岡山市デジタルミュージアムの施設名称を本年10月1日から岡山シティミュージアムに変更する等のものです。
甲第40号議案は,介護保険事業計画の見直しに伴い,平成24年度分から平成26年度分までの介護保険料の額を改める等のものです。
甲第42号議案は,可燃ごみ等のふれあい収集を実施するため,所要の措置を講ずるものです。
甲第50号議案から甲第52号議案までは,公営住宅法の改正等に伴い,市営住宅等の入居要件の見直し等を行うとともに,市営住宅等の整備基準を定めるものです。
甲第57号議案は,岡山市西部リサイクルプラザの建設工事請負契約を締結するものです。
甲第63号議案は岡山市児童館ゆう遊プラザについて,甲第64号議案は建部町産業観光物産案内所について,それぞれ指定管理者の指定を行うものです。
甲第65号議案は,平成24年度包括外部監査契約を締結するものです。
以上で提案理由の説明を終わります。
よろしくご審議の上,ご議決を賜りますようお願い申し上げます。
ただいまご上程になりました報告についてご説明申し上げます。
報第2号は,都市計画道路竹田升田線(仮称)百間川橋梁上部工製作架設工事について,契約金額を変更したものです。
報第3号は,市有自動車の事故について,相手方と和解し,賠償額を決定したものであり,報第4号及び報第5号は,市有自動車の事故について,それぞれ賠償額を決定したものです。
報第6号は,私有財産を滅失させた事故について,相手方と和解し,賠償額を決定したものです。
報第7号は,公園の管理瑕疵による事故について,報第8号は,道路の管理瑕疵による事故について,それぞれ相手方と和解し,賠償額を決定したものです。
報第9号は,住宅新築資金の返済債務について,借受人に対し,訴訟手続により当該債務の履行を請求することを決定したものです。
なにとぞよろしくお願いいたします。
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