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日時
平成13年1月18日(木曜日)午後1時34分から午後3時40分
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場所
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出席委員
大森部会長、八木副部会長、国富委員、佐々木委員、堤委員、長安委員、西野委員、藤委員、山口委員
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欠席委員
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学識経験者
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出席職員
橋本総務局長、広瀬総務部長、西崎課長代理、中村市民生活部長、曽田課長、河田補佐、折口主任
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議題
- 男女共同参画社会推進にかかる条例に盛り込む事項等の論点整理について
- その他
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配布資料
- 男女共同参画推進にかかる条例の論点整理に対する意見要旨
- 男女共同参画に関する市民意識・実態調査報告書
- 男女平等に関する学校教育実態調査
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市民グループ作成資料
- 岡山市男女平等基本条例(市民案)
- 市民意識・実態調査グループからの意見
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会議要録
ア.“論点整理”に対するパブリック・コメント
12月23日開催の「市民の意見を聴く会」における発言者の意見及び12月中にEメール、ファクス等で寄せられた市民の意見を資料(配付資料(1))としてまとめ報告した。
イ.市民グループからの発表
条例研究グループ及び市民意識・実態調査グループのそれぞれの正副代表から、その活動経過と研究・調査結果について資料に基づき発表があった。
ウ.市民意識・実態調査の報告
昨年10月に実施した市民意識・実態調査の結果を報告書としてまとめたので、その概要を報告した。
エ.今後のスケジュール
2月中に開催される2回の総務・社会部会において最終の検討を行い、年度末までには条例に盛り込むべき基本的事項等に関する報告書を作成することとされた。
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市民意識・実態調査結果の概要報告
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1 政策・方針決定過程への女性の参画の拡大
女性が政策や方針決定の過程にあまり進出できていない理由
- 「男性優位の組織運営」(58.6%)
- 「家族の理解・支援なし」(44.3%)
- 「性別役割分担・性差別」(40%)
- 「女性に積極性なし」(35.7%)
いずれも、平成12年実施の国、県調査よりも高い数字となっており、男女共同参画社会実現の必要性に対する意識の高まりを示していると考える。
(注釈)なお、審議会等への女性の登用率は、県下の状況に比べて高い。
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2 男女共同参画の視点に立った社会制度・慣行の見直し、意識改革
- 男女の地位の平等
・男女平等が多数派のもの
「学校教育の場」(55.6%)のみ
・男性優遇が多数派のもの
「政治の場」(77.0%)
「職場」(71.2%)
「地域」(65.4%)
「家庭」(65.2%)
「法律や制度の上(51.5%)」 - 「男は仕事 女は家庭」(性別役割分担意識)という考え方について
肯定派激減
・今回調査31.8%
・前回調査(平成6年)60.9%
ただし、70歳代以上ではまだ肯定派の割合がかなり高く(48.9%)、しかも「女性も外で働いたほうがよいが、子どもが小さいときは女性が家にいるほうがよい」と考える人が85.0%もあるなど、育児は女性の役割という意識の本音も伺え、家事や育児・介護等に関する男女共同参画の実態は伴っていない。
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3 雇用の分野における男女差別及び男女の職業生活と家庭・地域生活の両立支援
- 雇用の分野における男女差別
男女差別の具体的な内容…賃金、昇給・昇格、能力評価などの回答が多数 - 男女の職業生活と家庭・地域生活の両立支援
働く理由
男性…「生計維持」・「将来に備える」という回答多数
女性…「自分のものは自分のお金で買うため」、「人と接したり仲間を得るため」、「働くことが楽しいから」など個人の自己実現に関わる項目を回答する人が多かった。
男女が各自の能力を発揮して生き生きと働くために必要なこと
「出産、育児・介護休暇を男女とも取りやすく」するほか、「労働時間を調整して、男女が地域との関わりや家庭責任も果たせる体制にする」こと等が期待されていることが分かった。
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5 生活と子育ての場への男女共同参画
少子化の原因…子育ての経済的・精神的負担、子育てと仕事の両立の難しさ、さらに結婚しない人が増えていることを挙げる人が多い
安心して子どもを産み育てるために望むもの
- 保育施設の充実、児童手当などの養育費の補助
- 延長保育など保育制度の充実
- 父親も育児休業を積極的に取得できるような職場環境
- 家族の育児に対する理解と協力
- 父親の育児参加
女性は特に、保育施設・制度の充実のほか、父親の子育て参加、家族の育児に対する理解と協力を望む傾向が強い。
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6 高齢者が安心して暮らせる条件の整備
介護者の大部分は女性(女性63.7% 男性18.8%他)
意識の面では、男性も女性もともに介護すべきであると考える人が多い(74.9%)が、現実には介護の主力は女性であり、ここでも、意識と実態の乖離が見られる。
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7 女性の人権
- 女性への暴力
ドメスティック・バイオレンス(DV)による暴力を受けたことがある女性が11.4%あることがわかり、これは、平成12年県調査よりやや多い。 - リプロダクティブ・ヘルス/ライツ
子どもを産むことについては「夫婦・カップルで話し合うべき」が男女とも90%を超えるが、「女性自身の判断を最優先すべき」は男女とも40%台の回答結果であり、夫婦・カップル単位で決めることと、産む女性自身の判断を最優先させることとの間には、まだ、やや距離があるようである。
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8 まとめ
男女共同参画社会の推進し、長く住み続けたい街、市民一人ひとりが 輝き幸せに暮らせる街岡山市の実現を図るために必要なこと
- 家庭や職場、地域社会など、あらゆる分野における取組の必要性
- 男女共同参画推進のための条件を整備
・学校教育や社会教育の中でジェンダーに敏感な視点を育てる
・あらゆる機会をとらえ男女共同参画推進に関する啓発を積極的に進める
・高齢者や障害者のための施設や在宅介護サービス、要介護者を抱える家族の支援体制の強化
・育児・保育環境の充実等、介護・育児に関する支援策を充実することにより仕事と育児・介護の両立を図る - 市民や企業、各種団体等の自主的かつ主体的な取り組みとの相乗効果図る
- 今後の課題
男女共同参画の推進にかかる条例の制定
基本法に基づく新たな行動計画の策定
男女共同参画社会推進センター「さんかく岡山」の機能の一層の充実