添付ファイル
おはようございます。
それでは、本日はまず9月の定例市議会の提出議案のうち、主な議案として放課後児童クラブの条例、そして造山古墳ビジターセンター条例、この2点についてお話を申し上げたいと思います。
放課後児童クラブは、今までの流れがありますので、この中で大半の人は、この流れをご存じかもしれませんが、新しく記者クラブに入られた記者さんもいらっしゃるので、少しそのあたりもお話し申し上げたいと思います。
実は、この放課後児童クラブというのは、これまで地域の方々によって運営していただいておりました。しかしながら、女性の就業率の向上に伴って、年々ニーズが増加しております。また、小学校4年生から6年生も新たに放課後児童クラブに加わっていくということもございました。こういった中で各クラブの運営ルールがそれぞれ異なっております。開所の日数、開所の時間、利用料金、そういったサービスがまちまちになっているわけであります。例えば、土曜日に開いていないとか、そんなこともあります。さらに、クラブの支援員がなかなか集まらない。それで、体制を確保しにくくなっているというだけでなく、今いる支援員の方々の事務負担が非常に大きくなり、運営委員会のトップである会長さんの責任も加重になっているということでクラブ運営に支障を来しかねないという状況になっておりました。
我々としては、保護者のみなさんが安心して仕事が続けられるよう必要な子どもを預かっていくためには、安定的な運営体制が必要だというふうに考えたわけであります。そこで、今後は岡山市が責任を持ってクラブ運営にかかわりながら、サービスや利用料金を平準化して安定的な運営体制へ変換していく、そういう方向性を打ち出したところであります。打ち出したところで、児童クラブ連合会の会長さんを初め、役員のみなさんのご尽力もあって、本年2月の総会において、市が提案いたしました今後の運営見直しの方針について圧倒的多数でご賛同いただいたところであります。ここまでたどり着くまでにはいろいろと紆余曲折があり、すんなりと進んできたわけではございません。その間、現場を預かる各クラブの会長さんにおかれては、大変なご心配とご苦労をおかけしたところであります。この場をお借りして深く感謝を申し上げます。
このたび、令和2年度から新たな運営体制を開始するにあたり、22クラブから移行申請をいただき、現時点で19クラブの移行が固まったところであります。これらのクラブには岡山市の運営見直しの先駆けになっていただきたいと考えており、新年度からの円滑な移行に向け、市としても怠りなく準備を進めてまいりたいと考えております。
一方、今回申請のなかった65クラブのうち、私どもが移行の最大のネックとなって考えているのは、移行後に子どもたちを適正かつ安定的に預かる職員体制が組めるかどうかです。わかりやすい例で申し上げると、現在どのクラブでも子どもを預かる時間は職員2人以上を配置することとしています。今後も新しいルールのもとで新たに土曜日を開所して預かる時間が増えるような場合、マンパワーを増やして対応する必要があるわけでありますけれども、現在の人数で対応できない場合には、結果として2人体制が維持できないということも考えられます。
このような状況に対して、円滑な移行が図られるよう、クラブ側に職員の確保などをお願いしているところでありますけれども、現実的には容易でないクラブもございます。移行申請に影響している状況も見られるところであります。そのため移行を希望するクラブが速やかに移行できるよう、今後一定の許容範囲を見きわめながら、クラブ側の事情にも配慮した受け入れ体制を検討してまいりたいと思います。
9月議会で提案する条例案について、今後全ての小学校区に市立の児童クラブを設置することを念頭に新体制へ移行するクラブを順次、公の施設に位置づけるとともに、児童クラブで行う事業、市内共通の開所時間や利用料金、減免制度などを規定していきたいと思っております。
次に、岡山市の造山古墳のビジターセンター条例であります。
造山古墳のビジターセンターは、造山古墳及びそれを構成文化財の一つとする日本遺産、「『桃太郎伝説』の生まれたまちおかやま~古代吉備の遺産が誘う鬼退治の物語~」並びに造山古墳周辺の観光施設の情報を提供し魅力を発信することにより、吉備路の観光及び広域周遊観光の振興を図るために設置するものであります。
当時の吉備地方の繁栄と、この地の豪族の勢力の象徴と見られる巨大古墳が1500年の時を経ても現存し、歴史とともに見られてきたということは、我が岡山の財産でもあり誇りでもございます。現在、陪塚の千足古墳が復元整備を進めているところであります。復元整備ですね。復元した埴輪を並べて古墳が築かれた当初の景観を再現するとともに、九州地域との密接な関係にあったことを示している横穴式石室の内部を見学することができるようになる予定であります。造山古墳ビジターセンターとともに見学いただけるよう充実を図ってまいりたいと考えております。
また、本施設は、単に造山古墳の説明だけでなく、造山古墳が築かれるに至った弥生時代、古墳時代の時代背景、稲作や鉄器の伝播から見る当時の日本列島の各国の勢力分布、その中でもなぜ大和王権と吉備にだけ全長が300メーターを超える巨大古墳が築かれたのか、ちなみに造山古墳は350メーターの長さがあるわけです。古墳時代中期の倭国は大和王権と吉備の二大勢力よって成り立ち、この2つの勢力に多くの人々が集まった結果、巨大古墳が築かれたと考えられ、その当時の吉備の栄華についても伝えたいと考えております。さらに日本遺産のストーリーともリンクさせ、子どもたちにもわかりやすくイメージできるように絵や図等でのパネル展示とし、地域への愛着や誇りを醸成する学習の場となるよう、観光客はもとより、市民、県民の皆様に親しまれる施設にしていきたいと思います。
この九州地域と密接な関係にあったことを示していると申し上げましたが、これは実は千足古墳の石障は天草産の石なんです。天草でしか取れない石、したがってこの吉備の国と天草が確実に少なくとも流通経路を持ってきたということになるわけです。そういう面で支配関係があったとかというところはなかなかわかりにくいんですけれども、関係があったことは間違いない。今、教育委員会と議論して、どこまでの表現をすべきか、ここにいる観光振興課長たちと一緒に整理をして、我々が誇り得るようなそういう造山古墳の展示をしていきたいと思っております。どうもこの話になると力が入ってしまうので、すみません。
それで、次に9月補正予算についてお話を申し上げます。
この補正予算は、資料にあるとおり2つの大きな柱があります。
1つは、昨年7月の豪雨災害から1年が経過し、現状での課題等への対応として、具体的には町内会へ貸与する可搬式ポンプの追加配備による浸水対策、平成30年7月豪雨災害の被災者に対する、住宅の再建に必要な資金の借り入れに関する利子補給の実施などであります。
2つ目は、安心して子育てができる環境整備のための諸政策で、放課後児童クラブについて、市直轄で運営を行うための移行準備、都市公園遊具の完全対策、ストレッチャーを利用する児童・生徒に対応するための小・中学校エレベーターの整備、そして昨日、教育長から記者発表を行いました、山南義務教育学校(仮称)の整備に関するもの等々であります。これらを進めるために、一般会計で7億円余を増額し、補正に要する財源は、主に国庫支出金や地方債で対応することから、一般財源は2億円余、この財源については、平成30年度決算見込みに伴う剰余金で対応するため、財源調整のための基金の取り崩しは予定しておりません。
なお、一つの大きな関心事であります10月からの消費税率の引き上げを控えて、幼児教育無償化の実施による子育て世代への負担軽減など、当初予算で編成した各種対策により、回復基調である地域経済に影響を及ぼさないよう取り組んでいるところですが、地域経済の情勢を捉えつつ、必要に応じて施策を講じていくこととしております。
次に、個別の事業のうち3事業について説明をいたします。
まずは、可搬式ポンプ貸与事業でありますが、昨年の7月豪雨を受けて浸水被害を受けた町内会に対し、町内会で運用する貸与ポンプの貸し出し希望の有無について691町内会に対し、アンケートを実施いたしました。貸与希望のあった66町内会のうち、浸水被害が大きかった町内などに、今年度の出水期に間に合うよう先行的に8台を配備したところであります。今回、残りの町内会に対し、現地調査や聞き取りを行い、浸水対策の効果が期待できる5町内会に対し、来年度の出水期に間に合うよう配備します。
笹ケ瀬川の西側地区等でポンプ整備を進める一方、このようなハード整備には多くの予算や時間を要するため、自らの生命や財産は自らが守る。自助、共助の促進や啓発を図ることとしております。今後、過去に浸水を経験した町内から要望があれば順次追加配備を検討していきます。
放課後児童クラブでありますけども、先ほど説明したとおりであります。条例案については、新体制へ移行をする放課後児童クラブを順次公の施設に位置づけ、開所時間、利用料金、減免制度などを規定していきます。
補正予算については、来年度から公の施設となった放課後児童クラブの運営と、事務等の集中管理を市ふれあい公社へ委託することとしており、今回そのための準備経費として3,627万円を計上しております。こうした条例整備や予算措置をもとに児童クラブを市内全域で同じサービスや利用料金で運営する形に転換しながら、持続的かつ安定的な運営基盤を整えてまいりたいと思っております。
次に、公園遊具安全対策事業費でありますが、平成31年3月に、国土交通省から都市公園における安全管理の強化についての通知がなされたことから、危険と判定された遊具、約700基について使用禁止措置を行ったところであります。順次修繕を行い、完了したものから使用再開を行っているところですが、8月13日の時点で681基の使用禁止遊具のうち、292基については使用再開をしているところであります。
残りの遊具についても、できるだけ早期に使用再開をする必要があると考えており、新しい遊具に取りかえるなどなどの規模の大きなものを除く、全体の約9割の遊具の今年度中の使用再開に向けて、必要な修繕費用を計上しているところです。残りの1割である、規模が非常に大きなものは、国の交付金を活用し、来年度実施する予定であります。
また、遊具の事故を防ぐためには、修繕とともに遊具を正しく利用することも重要であると考えており、保護者やお子様を対象としたリーフレットの作成を計上しております。
次に、岡山市防災メールについて、多言語版の運用を開始することといたしました。昨年の豪雨災害では、外国人から災害情報の入手ができなかったとの指摘もいただいたことから、外国人への情報提供も可能な多言語対応の防災メールを採用いたしました。
防災情報を迅速かつ正確に受け取れるよう事前に登録していただいた携帯電話やスマートフォンなどにメールを配信するものであります。詳しくは、案内チラシや岡山市ホームページに掲載しております。
配信する情報は、特別警報などの気象情報、岡山市が発令する避難勧告等の避難情報や避難所開設に関する災害関連情報であります。対応する言語は、日本語を入れますと、英語、中国語など全体で10言語でありまして、9月1日から配信を開始いたします。配信する内容は、必要に応じて修正、追加をしていきます。
なお、多言語メールの配信は、県内では岡山市が初めてだと思います。政令市では、5つの市が対応済みだと聞いております。今後も早目の避難行動につながるよう一人でも多くの市民に情報が伝わるように取り組んでまいりたいと思います。
次に、支援対象が地元トップスポーツチームの追加であります。
岡山市を拠点とする地元トップスポーツチームの活躍は市民を一つにする力があります。こういう岡山市に元気と活力を与えてくれる存在であるということから、これまで「ファジアーノ岡山」、「岡山シーガルス」にさまざまな支援事業を実施してきました。
このたび岡山市はこの2チームに加え、Tリーグで活躍している「岡山リベッツ」、またBリーグに参戦する「トライフープ岡山」を新たに支援対象とすることといたしました。
岡山市から支援について、両チームと意見交換した結果、可能であれば広報予算等の特に予算措置が必要のない支援について、すぐにでも行ってもらいたい、岡山市と一緒に岡山を盛り上げたいという意見をいただいたことから、即座に対応することとし、対象基準の見直しを行ったところであります。
今年度は、本庁舎3階、市長室のところにありますが、サイン入りのユニフォームの掲出など、団体から要望のあるもののうち、特に予算措置が不要なものから順次実施したいと思います。来年度以降は、予算計上を考えているところであります。具体的にどうするか今後検討していただきたいと思いますが、ファジアーノやシーガルズで行っているような市民デー、そういったものも開催ができるのではないかと思っております。
岡山市を拠点に活躍するチームが増えて、市民が一緒に応援できる機会が増えることは、岡山市にとって大変喜ばしいことであります。ということで今回のような整理をさせていただきます。
最後に一言、案件ではございませんが、コメントさせていただきたいと思います。
国際現代美術展『岡山芸術交流2019』、9月27日の開幕まで1カ月を切りました。9月2日にはJR岡山駅東口壁面や桃太郎大通りなどに告知物を一気に施してもまちを芸術交流一色に染めていきたいと思います。
今回、既に発表済みの5会場に加え、弓之町の旧福岡醤油建物と丸の内のシネマ・クレール丸の内の2施設を会場に追加いたしました。このほか石山公園や近隣のカフェなども含め、全体では約40作品を展示予定であります。今後、作品詳細のほか、オリジナルグッズやトークイベント情報なども順次発表していきます。本展では、AIや科学技術を用いた作品を実際に体感いただける機会もあるとのことであります。アートを通じて近い未来を考える、そんな岡山芸術交流の開幕を楽しみにしていただきたいと思います。
私からは以上です。
所在地: 〒700-8544 岡山市北区大供一丁目1番1号 [所在地の地図]
電話: (広報担当)086-803-1024 (広聴担当)086-803-1025 ファクス: 086-803-1731